このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
月給下限の中央値22万円95%信頼区間 22万円〜22万円(n=3990)
求人の中央50%が収まる帯20万円〜25万円上下25%ずつを除いた「よくある帯」
現実的な期待値の目安28万円各求人のレンジ中央の中央値
この数字が指しているもの
上の数字は手当を含んだ総額提示(基本給+毎月定額で支払われる手当+固定残業代)の求人だけを集計した値です(電気工事士の求人票では、月給欄に現場手当・資格手当などの定額手当が合算された額が出ます)。 同じ職種でもその求人票の内訳に書かれている基本給で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は20.2万円(n=3990・主系列と同じ3,990件すべての内訳。独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳です)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。
提示額と基本給の対応比較(3,990件・同じ求人どうし)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 求人票に出ている提示額(定額手当・固定残業代込み) | 3990件 | 22万円 |
| その内訳にある基本給 | 3990件 | 20.2万円 |
定額手当(b)が積まれているかで分けると ※提示額はほぼ同じなのに、基本給だけが1.0万円離れます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 定額手当あり・提示額 | 1665件 | 22.3万円 |
| 定額手当あり・その内訳の基本給 | 1665件 | 20万円 |
| 定額手当なし・提示額 | 2325件 | 22万円 |
| 定額手当なし・その内訳の基本給 | 2325件 | 21万円 |
固定残業代の有無で分けた対応比較 ※提示額では差が開き、基本給では上下が入れ替わります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 固定残業代あり・提示額 | 564件 | 25万円 |
| 固定残業代あり・その内訳の基本給 | 564件 | 20万円 |
| 固定残業代なし/記載なし・提示額 | 3426件 | 22万円 |
| 固定残業代なし/記載なし・その内訳の基本給 | 3426件 | 20.4万円 |
地域ブロック別(総額提示の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 641件 | 25万円 |
| 関西・東海 | 885件 | 24万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 664件 | 21.2万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1024件 | 20.9万円 |
| 北海道・東北 | 776件 | 20.2万円 |
同じ地域ブロックを「内訳にある基本給」で見ると(3,990件)※順位は1つも入れ替わりません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 641件 | 23万円 |
| 関西・東海 | 885件 | 22万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 664件 | 20万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1024件 | 20万円 |
| 北海道・東北 | 776件 | 19.8万円 |
資格要件別(総額提示の月給下限)※この差の大半は下の表で消えます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 第一種電気工事士が必須 | 183件 | 25.3万円 |
| 第二種以上が必須 | 691件 | 23.5万円 |
| 資格不問・歓迎(入社後取得でよい) | 3116件 | 22万円 |
同じ資格要件を「経験要件を揃えて」比べ直すと ※第二種必須は資格不問を上回りません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 第一種が必須 × 実務経験が必須 | 110件 | 26.8万円 |
| 資格不問・歓迎 × 実務経験が必須 | 293件 | 25万円 |
| 第二種以上が必須 × 実務経験が必須 | 355件 | 24.4万円 |
| 第一種が必須 × 経験不問 | 41件 | 25万円 |
| 第二種以上が必須 × 経験不問 | 167件 | 22.5万円 |
| 資格不問・歓迎 × 経験不問 | 1998件 | 21.5万円 |
同じクロスを「内訳にある基本給」で見ると ※こちらでも第二種必須が下に来ます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 第一種が必須 × 実務経験が必須 | 110件 | 25万円 |
| 資格不問・歓迎 × 実務経験が必須 | 293件 | 23.5万円 |
| 第一種が必須 × 経験不問 | 41件 | 23万円 |
| 第二種以上が必須 × 実務経験が必須 | 355件 | 22万円 |
| 第二種以上が必須 × 経験不問 | 167件 | 20.5万円 |
| 資格不問・歓迎 × 経験不問 | 1998件 | 20万円 |
経験要件別(総額提示の月給下限)※資格を揃えても地域を揃えても残る要件です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 実務経験が必須 | 758件 | 25万円 |
| 経験があれば尚可 | 1026件 | 22万円 |
| 経験不問 | 2206件 | 21.7万円 |
同じ経験要件を「内訳にある基本給」で見ると(3,990件)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 実務経験が必須 | 758件 | 23万円 |
| 経験があれば尚可 | 1026件 | 20万円 |
| 経験不問 | 2206件 | 20万円 |
工事対象区分別(総額提示の月給下限)※信頼区間はすべて重なります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 一般住宅・店舗 | 385件 | 22.8万円 |
| ビル・商業施設・工場 | 605件 | 22.1万円 |
| 電力インフラ・受変電・プラント | 537件 | 22万円 |
| 複数分野の兼務ほか(単一区分に分けられないもの) | 2463件 | 22万円 |
年間休日数別(総額提示の月給下限)※3つとも中央値が完全に一致しました| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 年間休日105日未満 | 945件 | 22万円 |
| 年間休日105〜119日 | 1725件 | 22万円 |
| 年間休日120日以上 | 1320件 | 22万円 |
月給レンジの上限額 ※上限も経験で動きます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 実務経験が必須の求人の上限額 | 758件 | 36.1万円 |
| 第一種が必須の求人の上限額 | 183件 | 36万円 |
| 第二種以上が必須の求人の上限額 | 691件 | 35万円 |
| 経験があれば尚可の求人の上限額 | 1026件 | 35万円 |
| 資格不問・歓迎の求人の上限額 | 3116件 | 33.7万円 |
| 経験不問の求人の上限額 | 2206件 | 32万円 |
実査で見えたこと
- 第2版で「資格要件の差は経験の構成の差だった」と書いた点は、第一種電気工事士については修正が必要です。第一種必須の求人は第2版のn=16からn=183に増え、経験要件を揃えても第一種必須 × 実務経験必須の110件が26.8万円で、資格不問 × 実務経験必須の293件の25.0万円を上回りました(ただし信頼区間は25.0〜27.8万円と25.0〜25.0万円で下端が接しており、差の大きさは確定していません)。5つの地域ブロックすべてで第一種が資格不問以上になる向きは一致し、内訳の基本給でも25.0万円対23.5万円でした。一方、第二種については第2版の結論がそのまま再現しています。第二種以上必須 × 実務経験必須の355件は24.4万円で、資格不問 × 実務経験必須の25.0万円を上回りません。基本給で並べ直すと22.0万円対23.5万円で、むしろ第二種必須のほうが下です。全国の数字で第二種以上必須が23.5万円・資格不問が22.0万円に見えるのは、第二種必須の求人の51.4%が実務経験も必須にしている(資格不問では9.4%)という構成の差でした。
- 月給下限を動かしている最大の要因は実務経験で、これは第2版から一貫しています。実務経験必須の758件が25.0万円(信頼区間25.0〜25.0万円)、経験不問の2,206件が21.7万円(21.2〜22.0万円)で信頼区間が重なりません。5つの地域ブロックすべてで信頼区間が重ならず、差は2.0万円(北海道・東北)から4.0万円(中国・四国・九州・沖縄)です。資格不問の求人の中だけで見ても25.0万円対21.5万円と同じ幅で開きます。内訳の基本給でも23.0万円対20.0万円、レンジの上限額でも36.1万円対32.0万円で、下限にも上限にも効く唯一の要件でした。
- 提示額はほぼそのまま基本給ですが、月給欄に手当を積む会社では基本給だけが下がります。3,990件すべてで内訳が読め、基本給は提示額の中央値99.6%、1,988件(49.8%)が1円単位で完全に同額でした。ところが定額手当(b)の記載がある1,665件(41.7%)とない2,325件を比べると、提示額は22.3万円対22.0万円とほとんど変わらないのに、基本給は20.0万円対21.0万円で1.0万円離れます。手当は月給を上乗せしているのではなく、同じ月給の中で基本給を削る形で入っているということです。ドライバー(定額手当あり17.0万円・なし23.0万円)ほど極端ではありませんが、向きは同じでした。例外の幅も大きく、878件(22.0%)は基本給が提示額の9割を切り、115件(2.9%)は7割も切ります。最も差が大きい求人は提示36.9万円に対し基本給13.3万円(36.0%)で、しかも固定残業代の記載はありません。
- 固定残業代の記載は3,990件中564件(14.1%)で、想定時間数の中央値は20時間、四分位は15〜32時間、30時間以上が209件、40時間以上が130件、最長65時間です。第2版の「中央値25時間・最長57時間」はn=91にもとづく数字で、Nを6倍にすると中央値は下がりました。月給への効き方は第2版と同じ構造です。提示額は あり25.0万円 対 なし22.0万円で信頼区間が重ならず、5つの地域ブロックすべてで同じ向きですが、同じ求人の基本給で並べ直すと あり20.0万円 対 なし20.4万円と上下が入れ替わります(こちらは信頼区間が重なります)。決め手は差額で、固定残業代ありの求人は提示額と基本給の差が4.5万円(4.3〜4.6万円)、ない求人は0円(0〜0円・3,426件中1,988件が完全同額)と完全に分かれます。月給欄の高さの正体は、まるごと残業代の先出しです。
- 地域差は第2版よりさらに確定し、基本給で並べ直しても順位が1つも動きません。首都圏25.0万円(信頼区間25.0〜25.0万円)は関西・東海24.0万円(23.0〜24.1万円)と重ならず、第2版で「この2つの順位は未確定」と書いた点は撤回します。関西・東海は甲信越・北陸・北関東21.2万円とも重なりません。ただし甲信越・北陸・北関東と中国・四国・九州・沖縄20.9万円、および中国・四国・九州・沖縄と北海道・東北20.2万円は信頼区間が接しており、この2組の順位は確定していません。経験不問だけ/資格不問だけ/固定残業代なしだけに揃えても5ブロックの並びは変わりませんでした。基本給では23.0万円>22.0万円>20.0万円=20.0万円>19.8万円で、提示額と基本給の差は首都圏だけ2.0万円(基本給比率97.5%・完全同額44.5%)、他の4ブロックは0〜0.4万円(98.7〜100.0%)です。首都圏の高さが手当ではなく基本給そのものだという点は、第2版と同じでした。
この職種の求人票の読み方
電気工事士の求人票は、月給欄そのものより「その額が何と引き換えの数字か」を読む必要があります。3,990件の実査から見えた、確認すべき順番は次の通りです。
- 第二種電気工事士は月給の交渉材料にならない。第一種は別扱い。全国の数字だけを見ると第二種以上必須23.5万円・資格不問22.0万円で1.5万円の差がありますが、これは資格の効果ではありません。第二種を必須にする求人は実務経験も必須にしていることが多く(51.4%対9.4%)、経験要件を揃えて比べ直すと第二種以上必須24.4万円に対し資格不問25.0万円と、むしろ資格不問のほうが上になります。内訳の基本給でも22.0万円対23.5万円で同じ向きです。一方、第一種必須の求人は経験を揃えても26.8万円と最上位で、5つの地域ブロックすべてで資格不問以上でした(信頼区間は接しているので、差の大きさまでは確定していません)。実査の78%(3,116件)は資格不問・歓迎で、入社後に取らせる前提の募集が主流です。第二種を取ることは応募できる求人の幅を広げますが、同じ条件の求人どうしで月給を押し上げる材料としては、求人票の段階では効いていません。
- 効いているのは実務経験だと考えて求人を選ぶ。実務経験必須25.0万円・経験不問21.7万円で、5つの地域ブロックすべてで信頼区間が重なりません。資格不問の求人の中だけで見ても25.0万円対21.5万円と同じ幅で開きます。上限額も経験必須36.1万円・経験不問32.0万円です。実査で最も低い組み合わせは「資格不問・歓迎かつ経験不問」の21.5万円で、これが未経験で入る場合の出発点になります。入社時点の月給よりも「何の工事をどれだけ経験できるか」で選ぶほうが、数年後の選択肢は広がります。
- 月給欄はほぼそのまま基本給と読んでよい。ただし手当が並んでいる求人は別。3,990件すべてで内訳が読め、基本給は提示額の中央値99.6%、1,988件(49.8%)は完全に同額でした。看護師(86%)や保育士(87%)では「月給25万円」の実態が基本給21万円ということが普通に起きますが、電気工事士ではその心配は相対的に小さいと言えます。ただし月給欄に定額手当が積まれている1,665件(41.7%)では、提示額はほぼ同じ22.3万円なのに基本給は20.0万円と、手当のない求人(21.0万円)より1.0万円低くなります。賞与や退職金が基本給を基準に計算される会社では、この差は年間の受取額に効いてきます。求人票の「定額的に支払われる手当」の欄に現場手当・職務手当・資格手当が並んでいたら、その分だけ基本給が薄いと考えてください。最も差の大きい求人は提示36.9万円に対し基本給13.3万円(36.0%)でした。
- 固定残業代があれば必ず時間数を見る。記載があったのは3,990件中564件(14.1%)で、想定時間数の中央値は20時間、30時間以上が209件、40時間以上が130件、最長65時間です。固定残業代ありの求人は提示額が25.0万円と高く見えますが、同じ求人の基本給は20.0万円で、固定残業代のない求人の20.4万円を下回ります。差額は中央値4.5万円で、これはまるごと残業代の先出しです。つまりその時間まで働いて初めて提示額に届きます。月給の高い求人が並んでいるとき、その差が基本給の差なのか残業前提の数字なのかで、時間あたりの条件は逆転しえます。
- 扱う工事の種類で相場は変わらない。仕事の中身で選んでよい。一般住宅・店舗22.8万円、ビル・商業施設・工場22.1万円、電力インフラ・受変電・プラント22.0万円、複数分野の兼務22.0万円で、信頼区間はすべて重なります。しかも地域ブロックの中で見ると最上位の区分が入れ替わり(首都圏では一般住宅、中国・四国・九州では電力インフラ、北海道・東北では一般住宅と電力インフラが並ぶ)、向きが一致しません。どの分野の工事を選ぶかは、月給ではなく身につく技能と働き方(現場の遠さ、夜間工事の有無、停電作業の有無)で判断して差し支えありません。
- 年間休日は月給と切り離して見る。実査した求人の年間休日は52日から166日まで開いており(中央値110日)、同じ県内でも大きな差がありました。それにもかかわらず、年間休日105日未満・105〜119日・120日以上の3つとも月給下限の中央値は22.0万円で完全に一致します。首都圏だけ、中国・四国・九州だけに絞っても同じでした。「休みが少ない代わりに月給が高い」というトレードオフは、求人票の月給欄には現れていません。年間休日は月給と並ぶ独立した条件として、必ず数字で確認してください。
- 「普通自動車免許が不要な求人のほうが高い」は地域の違い。実査した求人の85.1%は普通自動車免許が必須で、全国の数字では免許不要の求人(24.2万円)が必須の求人(22.0万円)を2.2万円上回ります。これは免許の有無ではなく、免許を求めない求人が都市部に集まっているためです。首都圏の中だけで比べると両方25.0万円で差がなくなり、中国・四国・九州の中では逆に免許必須のほうが高くなります(20.9万円対20.4万円)。求人サイトの条件比較でこの手の差を見たときは、地域を揃えて見直してください。
- 上限額は「誰の数字か」を聞く。月給レンジの幅は上限が下限の中央値1.50倍で、上下限が同額の求人は3,990件中135件(3.4%)しかありません。施工管理と並んで実査職種の中では広い部類です。上限額は経験必須36.1万円・経験不問32.0万円と経験で動きますが、経験不問の求人でも32万円という数字が置かれています。その額が何年目・どの資格・どの役割を想定した数字なのか、そこに到達した人が実際にいるかは求人票からは読み取れません。面接で聞いておくと入社後のずれを防げます。
- 地域をまたぐ転職では、首都圏・関西東海と西日本・北日本の差までが根拠になる。首都圏25.0万円と関西・東海24.0万円は信頼区間が重ならず、どちらも甲信越・北陸・北関東21.2万円、中国・四国・九州・沖縄20.9万円、北海道・東北20.2万円を上回ります。内訳の基本給で並べ直しても順位は変わりません。ただし甲信越・北陸・北関東と中国・四国・九州・沖縄、中国・四国・九州・沖縄と北海道・東北はそれぞれ信頼区間が接しており、この間の数万円を根拠に引っ越し先を決めるのは統計的には支持されません。
あわせて、扱う工事の種類(住宅の配線か、ビル・工場の受変電か、電力インフラか)、資格取得の費用負担と受験機会、工具の貸与か自己購入か、現場までの移動時間が労働時間に入るか、宿泊を伴う出張の頻度と手当を見ると、同じ月給でも条件の差が判断できます。とくに今回の実査では「電気工事士」という職種名で募集していながら、実態が施工管理・設備管理・弱電工事・営業という求人が1,100件以上ありました(取得した求人票のおよそ2割にあたります)。応募前に仕事内容欄を最後まで読むことをおすすめします。
この調査の限界(お読みください)
- 今回は媒体が1つだけです。初版(2026-07-27)の事前検証で、電気工事士の求人を全国どの県からも同じ条件で採れる媒体は公的職業紹介しかありませんでした。総合転職サイトは求人の少ない県で0件〜数十件しかなく、電気工事の専門求人サイトは県別一覧の1ページがほぼ全国掲載の重複、建設系の専門媒体は月給の実額ではなく年収しか載せていません。ブロックごとに媒体を差し替えると地域差ではなく媒体差を測ってしまうため、媒体を減らして構成を揃えるほうを優先しています。その結果この数字は公的職業紹介に出ている求人層の相場であり、そこに載らない求人(民間媒体の非公開求人や高年収帯の求人)は含まれていません。媒体差そのものも今回は評価できていません。
- 第2版(2026-08-17・N=644)は1県あたり11〜15件を採る方式でしたが、今回は47都道府県それぞれで検索結果を最後のページまで巡回し、該当する求人票を原則すべて取得しています(取得6,392件・採用3,990件)。県あたりの採用件数は23件〜251件で、実際の求人数の多い県ほど全国の数字に重く効きます。第2版にあった「県あたりの件数を揃えている」という制約は今回ありません。並び順は媒体の既定(新着順)のままで、有料掲載による順序の歪みは受けない代わりに直近受理の求人に寄ります。
- 主系列と副系列は同じ3,990件です。この媒体の求人票は賃金欄が「基本給a」「定額的に支払われる手当b」「固定残業代c」に分かれているため、提示額(a+b+c)と内訳の基本給(a)を全件で対応させられました。測定量を判別できず除外した求人は0件です。副系列は独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳です。
- 提示額の中央値22.0万円は、信頼区間も22.0〜22.0万円と幅が0になりました。計算の失敗ではなく、22.0万円ちょうどの求人が248件あって中央値がその塊の上に乗ったためです(22.0万円未満1,813件・超1,929件)。ブートストラップ20,000回のほとんどが中央値22.0万円を返しています。
- 基本給の中央値20.2万円は、ブートストラップで計算した95%区間(20.0〜20.1万円)のわずかに外側に出ます。基本給ちょうど20.0万円の求人が631件あり、リサンプルのたびに中央値がこの塊の上に落ちるためです。表では区間の上端を中央値まで広げて表示していますが、計算された区間そのものは20.0〜20.1万円です。
- 「どの欄の額を採るか」は求人票を1つも読む前に決めて、全国すべての求人に同じ1つのプログラムで適用しています(提示額は賃金欄のa+b+c、基本給はa)。過去の実査で採取担当ごとに判定基準が割れ、地域差ではなく判定基準の差を測ってしまった事故があったため、人ではなくプログラムに固定する方式に変えました。
- 検算として、全47都道府県から1件ずつと固定残業代のある求人3件(計50件)を、採取に使ったデータを一切参照しない新しい取得経路から取り直し、提示額・上限額・基本給・雇用形態・賃金形態・固定残業代の有無・年間休日・経験要件・就業場所を機械照合しました。不一致は0件・取得失敗0件です。
- 一覧画面には時給制・日給制の求人も月額換算で表示されるため、そのまま採ると高額の外れ値として混入します。全件について詳細画面の「賃金形態等」が「月給」であることを確認してから採用しました。この判定で除外したのは716件(大半が日給制)です。派遣・請負の求人72件も除外しています。就業場所の都道府県は求人票の住所から判定し、住所に県名が現れない44件(1.1%)だけ検索した県を代入しました(この媒体は求人を受理した職業安定所と就業場所の都道府県が一致しないことが多く、求人番号では県を判定できません)。
- 対象は自ら施工に従事する電気工事職に限っています。除外の条件は2種類に分けました。ひとつは役割そのものが別職種になるもので、施工管理・現場代理人・現場監督(1,017件)、営業・積算・CAD・設計専任・事務(82件)、ビル設備管理・施設管理・電気主任技術者(9件)、管理職・所長(7件)、警備員ほか全く別の職種(4件)です。「電気工事士又は施工管理技士」のように施工職と管理職を1つの求人票で募集しているものは、どちらの賃金を指すか判別できないため一律で除外しています。もうひとつは専業のときだけ除外するもので、弱電・通信工事、消防設備、制御盤製作、販売・配送、他の建設職種は、職種名に電気工事の語が併記されていれば施工職として残しました(27件を専業として除外)。第2版の除外基準とはこの2段構えの点が違います。
- 同一法人・同一事業所が同じ給与で複数の求人を出しているケースを機械的に名寄せしました。事業所名・提示額・上限額・基本給・定額手当・産業分類が一致するものを1件にまとめ、採用4,459件のうち469件(10.5%)を除外して3,990件としています。名寄せが済んだ時点で事業所名はデータから削除しました。なお名寄せに都道府県を加えた「県内だけの名寄せ」版(4,139件)でも地域ブロックの順位は5つとも変わらず、中央値の差は0〜0.5万円でした。
- 工事対象区分は求人票の職種名と仕事内容だけから判定しています(事業内容欄は法人全体の説明なので、複数分野を持つ会社の求人がすべて先頭の分野にさらわれます)。「住宅も工場も官公庁も」という兼務求人が多く、3,990件中2,463件(62%)は単一の区分に分けられませんでした。区分ごとの数字は信頼区間がすべて重なるうえ、地域ブロックの中で見ると最上位の区分が入れ替わります。
- 資格要件は求人票の「必要な免許・資格」欄と、その必須/あれば尚可の区分から判定し、複数の資格が並んでいる場合は求職者が応募できる最低ラインの資格で分類しています。実務上は「あれば尚可」でも実質的に有資格者を想定している求人がありえますが、求人票の文面からは区別できません。
- 固定残業代の想定時間数は「固定残業代に関する特記事項」の自由文から機械抽出しています。記載のあった564件のうち558件で時間数が読め、6件は「求人に関する特記事項欄参照」などで読めませんでした。範囲表記は下限側を採り、「1日あたり◯時間」や月の所定労働時間を指す数字は候補から外しています。
- 月給下限のみを集計しています。賞与、資格手当の実績額、危険手当や出張手当の実支給額、残業代の実支給額は含んでいないため、年収や手取りの比較にはそのまま使えません。年間休日は52日〜166日(中央値110日)と幅が非常に大きく、同じ月給でも実際の時間あたりの条件は大きく変わります。
- 地域ブロックのうち、甲信越・北陸・北関東と中国・四国・九州・沖縄の順位、および中国・四国・九州・沖縄と北海道・東北の順位は、信頼区間が接しており確定していません。第一種必須(n=183)は経験要件を揃えると信頼区間が資格不問と接するため、資格不問との差の大きさは確定していません。第一種が必須 × 経験不問(n=41)は参考値です。
実査方法: 複数の求人検索サイトで公開されている電気工事士の正社員求人3,990件(全国47都道府県・重複排除後)の月給表記を、地域5ブロックに分けて実査(2026-09-07時点)。媒体は全ブロックで採取条件を揃えるため公的職業紹介1つに固定し、47都道府県の検索結果を最後のページまで巡回して求人票6,392件の詳細から金額と分類を同一のプログラムで機械抽出。給与表記を『手当込みの総額提示』と『基本給のみ提示』に分けて集計し、求人票の「基本給+定額的に支払われる手当+固定残業代」を提示額、「基本給」をその内訳として同一求人で対応させた。中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、1,000円単位に丸めています。
給与の数字だけでなく「職場のリアル」も確かめてから応募したい方へ。リクプルは働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています。
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