このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
月給下限の中央値22.1万円95%信頼区間 22万円〜22.5万円(n=4834)
求人の中央50%が収まる帯20万円〜25万円上下25%ずつを除いた「よくある帯」
現実的な期待値の目安28.3万円各求人のレンジ中央の中央値
この数字が指しているもの
上の数字は手当を含んだ総額提示(基本給+毎月定額で支払われる手当+固定残業代)の求人だけを集計した値です(電気工事士の求人票では、月給欄に現場手当・資格手当などの定額手当が合算された額が出ます)。 同じ職種でもその求人票の内訳に書かれている基本給で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は20.7万円(n=4834・主系列と同じ4,834件すべての内訳。独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳です)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。
提示額と基本給の対応比較(4,834件・同じ求人どうし)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 求人票に出ている提示額(定額手当・固定残業代込み) | 4834件 | 22.1万円 |
| その内訳にある基本給 | 4834件 | 20.7万円 |
定額手当(b)が積まれているかで分けると ※提示額は0.5万円しか違わないのに、基本給は逆向きに1.1万円離れます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 定額手当あり・提示額 | 2049件 | 22.5万円 |
| 定額手当あり・その内訳の基本給 | 2049件 | 20万円 |
| 定額手当なし・提示額 | 2785件 | 22万円 |
| 定額手当なし・その内訳の基本給 | 2785件 | 21.1万円 |
固定残業代の記載で分けると ※提示額の高さは、まるごと残業代の先出しです| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 固定残業代あり・提示額 | 725件 | 25.4万円 |
| 固定残業代あり・その内訳の基本給 | 725件 | 20.3万円 |
| 固定残業代なし/記載なし・提示額 | 4109件 | 22万円 |
| 固定残業代なし/記載なし・その内訳の基本給 | 4109件 | 20.8万円 |
地域ブロック別(総額提示の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 812件 | 25万円 |
| 関西・東海 | 1048件 | 24万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 791件 | 21.5万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1261件 | 21万円 |
| 北海道・東北 | 922件 | 20.5万円 |
同じ地域ブロックを「内訳にある基本給」で見ると(4,834件)※上の2つは動かず、下の3つは20.0万円で同着になります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 812件 | 23.1万円 |
| 関西・東海 | 1048件 | 22万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1261件 | 20万円 |
| 北海道・東北 | 922件 | 20万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 791件 | 20万円 |
経験要件別(総額提示の月給下限)※「尚可」と「不問」は区別できません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 実務経験が必須 | 928件 | 25万円 |
| 経験があれば尚可 | 1243件 | 22万円 |
| 経験不問 | 2663件 | 22万円 |
同じ経験要件を「内訳にある基本給」で見ると(4,834件)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 実務経験が必須 | 928件 | 23万円 |
| 経験があれば尚可 | 1243件 | 20.3万円 |
| 経験不問 | 2663件 | 20万円 |
資格要件別(総額提示の月給下限)※この差は下の表でほぼ消えます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 第一種電気工事士が必須 | 113件 | 25.5万円 |
| 第二種以上が必須 | 1065件 | 24万円 |
| 資格不問・歓迎(入社後取得でよい) | 3656件 | 22万円 |
資格要件×経験要件(総額提示の月給下限)※経験を揃えると、資格の級による差は信頼区間の中に収まります。第一種が必須の2行(17件・28件)は参考値です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 実務経験が必須×第一種電気工事士が必須 | 68件 | 26.1万円 |
| 実務経験が必須×第二種以上が必須 | 559件 | 25万円 |
| 実務経験が必須×資格不問・歓迎(入社後取得でよい) | 301件 | 25万円 |
| 経験があれば尚可×第一種電気工事士が必須 | 17件 | 25万円 |
| 経験があれば尚可×第二種以上が必須 | 254件 | 23万円 |
| 経験があれば尚可×資格不問・歓迎(入社後取得でよい) | 972件 | 22万円 |
| 経験不問×第一種電気工事士が必須 | 28件 | 25.1万円 |
| 経験不問×第二種以上が必須 | 252件 | 22.5万円 |
| 経験不問×資格不問・歓迎(入社後取得でよい) | 2383件 | 22万円 |
同じクロスを「内訳にある基本給」で見ると| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 実務経験が必須×第一種電気工事士が必須 | 68件 | 25万円 |
| 実務経験が必須×第二種以上が必須 | 559件 | 23万円 |
| 実務経験が必須×資格不問・歓迎(入社後取得でよい) | 301件 | 23万円 |
| 経験があれば尚可×第一種電気工事士が必須 | 17件 | 23万円 |
| 経験があれば尚可×第二種以上が必須 | 254件 | 21万円 |
| 経験があれば尚可×資格不問・歓迎(入社後取得でよい) | 972件 | 20万円 |
| 経験不問×第一種電気工事士が必須 | 28件 | 23.1万円 |
| 経験不問×第二種以上が必須 | 252件 | 20.5万円 |
| 経験不問×資格不問・歓迎(入社後取得でよい) | 2383件 | 20万円 |
募集している会社の業種別(総額提示の月給下限)※電気工事の専業会社が7割強を占めます。100件に満たない区分は参考値です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 電気工事業(専業) | 3566件 | 22万円 |
| 設備工事業(管・機械設置・通信) | 476件 | 22.7万円 |
| 発注側・メーカー・その他産業 | 431件 | 22.8万円 |
| 総合建設・建築・土木 | 94件 | 25万円 |
| 技術者派遣・設計事務所 | 55件 | 25.7万円 |
| 職別工事業(とび・鉄骨・内装ほか) | 46件 | 25.1万円 |
| その他(本社・管理部門ほか) | 42件 | 26.5万円 |
| その他 | 124件 | 22万円 |
同じ業種区分を「内訳にある基本給」で見ると| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 電気工事業(専業) | 3566件 | 20.5万円 |
| 設備工事業(管・機械設置・通信) | 476件 | 20.5万円 |
| 発注側・メーカー・その他産業 | 431件 | 21.2万円 |
| 総合建設・建築・土木 | 94件 | 22万円 |
| 技術者派遣・設計事務所 | 55件 | 21.4万円 |
| 職別工事業(とび・鉄骨・内装ほか) | 46件 | 24.2万円 |
| その他(本社・管理部門ほか) | 42件 | 23.3万円 |
| その他 | 124件 | 20.1万円 |
工事対象区分別(総額提示の月給下限)※信頼区間はすべて重なります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 一般住宅・店舗 | 281件 | 22万円 |
| ビル・商業施設・工場 | 860件 | 22.7万円 |
| 電力インフラ・受変電・プラント | 642件 | 22.2万円 |
| 複数分野の兼務 | 2018件 | 22万円 |
| 分野の判別不能 | 1033件 | 22.2万円 |
年間休日数別(総額提示の月給下限)※3つとも信頼区間が重なります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 年間休日105日未満 | 1102件 | 22万円 |
| 年間休日105〜119日 | 2090件 | 22.5万円 |
| 年間休日120日以上 | 1642件 | 22万円 |
月給レンジの上限額 ※上限も経験で動きます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 実務経験が必須・上限額 | 928件 | 36.5万円 |
| 経験があれば尚可・上限額 | 1243件 | 35万円 |
| 経験不問・上限額 | 2663件 | 32万円 |
実査で見えたこと
- 月給下限を動かしている最大の要因は実務経験で、これは第2版から一貫しています。実務経験必須の928件が25.0万円(信頼区間25.0〜25.0万円)、経験不問の2,663件が22.0万円(21.8〜22.0万円)で、差は3.0万円(差の信頼区間3.0〜3.3万円)です。5つの地域ブロックすべてで差の信頼区間が0を含まず、差は2.2万円(北海道・東北)から3.8万円(中国・四国・九州・沖縄)でした。基本給でも23.0万円対20.0万円、レンジの上限額でも36.5万円対32.0万円で、下限にも上限にも効く唯一の要件です。ただし「経験があれば尚可」1,243件は22.0万円(22.0〜22.0万円)で、経験不問との差は0.0万円(差の信頼区間0.0〜0.3万円)、基本給も20.3万円対20.0万円と区別できません。求人票の段階では「経験が要る/要らない」の2段しかなく、「あれば尚可」は不問と同じ待遇でした。
- 電気工事士の資格の級は、経験要件を揃えると月給の差として求人票に現れません。全国の数字だけを見ると、第一種が必須25.5万円(113件)・第二種以上が必須24.0万円(1,065件)・資格不問・歓迎22.0万円(3,656件)と階段状に見えます。しかし資格を必須にする求人は実務経験も必須にしていることが多く(第一種が必須60.2%・第二種以上が必須52.5%、資格不問・歓迎は8.2%)、経験必須だけに揃えて比べ直すと、第一種26.1万円(信頼区間25.0〜28.0万円)、第二種以上25.0万円(24.2〜25.0万円)、資格不問・歓迎25.0万円(25.0〜25.5万円)で3つの信頼区間が重なります。第二種以上と資格不問・歓迎の差は0.0万円(差の信頼区間−0.8〜0.0万円)で、基本給で並べても23.0万円対23.0万円の同額です。経験不問に揃えても、第二種以上22.5万円(21.9〜23.0万円)と資格不問・歓迎22.0万円(21.5〜22.0万円)は信頼区間が重なります。第一種が必須は地域ブロックごとに12〜43件しかなく、地域の中で見た結論は出せません。全国の階段は、資格の効果ではなく、資格を必須にする求人が実務経験も求めている構成の差でした。
- 募集しているのがどんな会社かで、月給の出発点が3.0万円違います。電気工事の専業会社が3,566件(73.8%)で22.0万円(信頼区間22.0〜22.0万円)と低い側、総合建設・建築・土木の会社94件(1.9%)は25.0万円(23.8〜25.3万円)で、差は3.0万円(差の信頼区間1.8〜3.3万円)です。向きは5つの地域ブロックすべてで同じ(首都圏27.7万円対25.0万円、関西・東海27.1万円対23.5万円、甲信越・北陸・北関東23.8万円対21.0万円、中国・四国・九州・沖縄22.6万円対20.8万円、北海道・東北24.9万円対20.3万円)、3つの経験区分すべてでも同じ(実務経験必須27.4万円対25.0万円、尚可23.3万円対22.0万円、不問24.9万円対21.6万円)で、固定残業代なしに揃えても24.0万円対21.8万円、定額手当なしに揃えても25.0万円対22.0万円、資格不問・歓迎に揃えても25.0万円対22.0万円で残ります。基本給で見ても22.0万円対20.5万円(差の信頼区間1.0〜3.2万円)と総合建設側が上です。一方、上限額は39.7万円対35.0万円ですが、差の信頼区間が0を含み確定しません。年間休日の中央値は総合建設側117日、専業110日でした。ただし総合建設側は地域ブロックごとに12〜27件しかなく、ブロック別の金額は参考値です。同じ電気工事という仕事でも、下請けの専業会社に入るか、元請け側の会社に入るかで出発点が変わっています。
- 月給欄はおおむね基本給そのものですが、定額手当が並んでいる求人では中身が違います。4,834件すべてで内訳が読め、基本給は提示額の中央値99.2%、2,362件(48.9%)は1円単位で完全に同額でした。ところが定額手当の記載がある2,049件(42.4%)とない2,785件を比べると、提示額は22.5万円対22.0万円で手当あり側が0.5万円高い(差の信頼区間0.3〜1.0万円)のに、基本給は20.0万円対21.1万円で、手当あり側が1.1万円低くなります(差の信頼区間−1.8〜−1.0万円)。5つの地域ブロックすべてで基本給は手当あり側が低いか同額でした。手当は月給を上乗せしているのではなく、同じ月給の中で基本給を削る形で入っています。手当の合計額の中央値は1.0万円(四分位0.5〜2.5万円)で、最も差の大きい求人は提示20.0万円に対し基本給6.7万円(手当13.3万円)でした。固定残業代の記載は725件(15.0%)で、想定時間数の中央値は21時間、四分位は15〜30時間、30時間以上が282件、40時間以上が141件、最長67時間です。提示額は固定残業代あり25.4万円対なし22.0万円で差は3.4万円(差の信頼区間3.0〜3.8万円)ですが、基本給はあり20.3万円対なし20.8万円で差の信頼区間が0を含みます(−0.9〜+0.1万円)。固定残業代ありの求人は提示額と基本給の差が中央値4.6万円(信頼区間4.4〜5.0万円・完全同額は0件)で、これはまるごと残業代の先出しです。
- 地域差は上の2ブロックが確定し、下の3ブロックは基本給で見ると同着になります。首都圏25.0万円(信頼区間25.0〜25.5万円)は関西・東海24.0万円(23.3〜24.0万円)と差の信頼区間(1.0〜2.0万円)が0を含まず、関西・東海は甲信越・北陸・北関東21.5万円(21.0〜22.0万円)とも差が2.5万円(1.5〜3.0万円)で重なりません。甲信越・北陸・北関東と中国・四国・九州・沖縄21.0万円(20.8〜21.2万円)の差は0.5万円(0〜1.0万円)で確定せず、北海道・東北20.5万円(20.3〜20.8万円)は中国・四国・九州・沖縄より低い側(差0.5万円・0.1〜0.8万円)です。基本給で並べ直すと首都圏23.1万円(23.0〜24.0万円)>関西・東海22.0万円(22.0〜22.0万円)>(甲信越・北陸・北関東=中国・四国・九州・沖縄=北海道・東北の3つが20.0万円で同着)となり、下の3ブロックの順位は基本給では言えません。提示額と基本給の差は首都圏だけ1.0万円(基本給比率96.2%・完全同額42.5%)、北海道・東北が0.3万円(98.5%・44.7%)、残る3ブロックは0円(比率100.0%・完全同額50.4〜52.7%)で、首都圏の高さのうち約1万円は基本給以外の手当や固定残業代で構成されています。
この職種の求人票の読み方
電気工事士の求人票は、月給欄そのものより「その額が何と引き換えの数字か」を読む必要があります。4,834件の実査から見えた、確認すべき順番は次の通りです。
- 電気工事士の資格の級は、月給の交渉材料としては求人票に現れない。全国の数字だけを見ると第一種が必須25.5万円・第二種以上が必須24.0万円・資格不問・歓迎22.0万円と階段になっていますが、これは資格の効果ではありません。資格を必須にする求人は実務経験も必須にしていることが多く(第二種以上が必須で52.5%、資格不問・歓迎では8.2%)、経験要件を揃えて比べ直すと第一種26.1万円・第二種以上25.0万円・資格不問・歓迎25.0万円で3つの信頼区間が重なります。基本給で並べても第二種以上と資格不問・歓迎はどちらも23.0万円で同額です。実査の75.6%(3,656件)は資格不問・歓迎で、入社後に取らせる前提の募集が主流です。資格は応募できる求人の幅を広げますが、同じ条件の求人どうしで月給を押し上げる材料としては、求人票の段階では効いていません。
- 効いているのは実務経験。ただし「経験があれば尚可」は「不問」と同じ待遇。実務経験必須25.0万円・経験不問22.0万円で、5つの地域ブロックすべてで差の信頼区間が0を含みません。上限額も経験必須36.5万円・経験不問32.0万円です。一方で「経験があれば尚可」の1,243件は22.0万円で、経験不問と区別できませんでした。「尚可」と書いてある求人に経験を持ち込んでも、求人票の提示額は不問の求人と変わらないということです。
- どんな会社が出している求人かを産業で見る。同じ仕事で3.0万円変わる。電気工事の専業会社(実査の73.8%)が22.0万円で低い側、総合建設・建築・土木の会社が25.0万円で高い側です。5つの地域ブロックすべて、3つの経験区分すべてで同じ向きで、固定残業代・資格要件・定額手当を揃えても残ります。基本給でも22.0万円対20.5万円と総合建設側が上でした(ただし総合建設側は94件と少なく、地域別では12〜27件の参考値です)。ゼネコンや工務店の電気部門、設備工事会社(管工事・機械設備22.7万円)、メーカーの自社設備部門ほか(22.8万円)も候補に入れて探すと、同じ技能で条件の違う求人が見つかります。会社の業種は求人票の産業分類の欄で確認できます。
- 月給欄はほぼそのまま基本給と読んでよい。ただし手当が並んでいる求人は別。4,834件すべてで内訳が読め、基本給は提示額の中央値99.2%、2,362件(48.9%)は完全に同額でした。看護師や保育士では「月給25万円」の実態が基本給21万円ということが普通に起きますが、電気工事士ではその心配は相対的に小さいと言えます。ただし月給欄に定額手当が積まれている2,049件(42.4%)では、提示額はむしろ0.5万円高いのに基本給は20.0万円と、手当のない求人(21.1万円)より1.1万円低くなります。賞与や退職金が基本給を基準に計算される会社では、この差は年間の受取額に効いてきます。求人票の「定額的に支払われる手当」の欄に資格手当・現場手当・住宅手当・職務手当が並んでいたら、その分だけ基本給が薄いと考えてください。手当の合計額は中央値1.0万円ですが、最も差の大きい求人は提示20.0万円に対し基本給6.7万円(手当13.3万円)でした。
- 固定残業代があれば必ず時間数を見る。記載があったのは4,834件中725件(15.0%)で、想定時間数の中央値は21時間、30時間以上が282件、40時間以上が141件、最長67時間です。固定残業代ありの求人は提示額が25.4万円と高く見えますが、同じ求人の基本給は20.3万円で、固定残業代のない求人の20.8万円と変わりません。差額は中央値4.6万円で、これはまるごと残業代の先出しです。つまりその時間まで働いて初めて提示額に届きます。月給の高い求人が並んでいるとき、その差が基本給の差なのか残業前提の数字なのかで、時間あたりの条件は逆転しえます。
- 扱う工事の種類で相場は変わらない。仕事の中身で選んでよい。一般住宅・店舗22.0万円、ビル・商業施設・工場22.7万円、電力インフラ・受変電・プラント22.2万円、複数分野の兼務22.0万円で、信頼区間はすべて重なります。しかも63.1%の求人は単一の分野に分けられず(複数分野の兼務や、仕事内容から判別できないもの)、どの分野の工事を選ぶかは、月給ではなく身につく技能と働き方(現場の遠さ、夜間工事の有無、停電作業の有無)で判断して差し支えありません。
- 年間休日は月給と切り離して見る。実査した求人の年間休日は52日から160日まで開いており(四分位105〜120日・中央値110日)、同じ県内でも大きな差がありました。それにもかかわらず、年間休日105日未満22.0万円・105〜119日22.5万円・120日以上22.0万円で信頼区間はすべて重なります。「休みが少ない代わりに月給が高い」というトレードオフは、求人票の月給欄には現れていません。年間休日は月給と並ぶ独立した条件として、必ず数字で確認してください。
- 上限額は「誰の数字か」を聞く。月給レンジの幅は上限が下限の中央値1.50倍で、上下限が同額の求人は4,834件中150件(3.1%)しかありません。上限額は経験必須36.5万円・経験不問32.0万円と経験で動きますが、経験不問の求人でも32万円という数字が置かれています。その額が何年目・どの資格・どの役割を想定した数字なのか、そこに到達した人が実際にいるかは求人票からは読み取れません。面接で聞いておくと入社後のずれを防げます。
- 職種名が「電気工事士」でも、仕事が施工でないことがある。今回取得した求人票8,661件のうち、職種名に電気工事の語がありながら実態が施工管理・現場監督・設備管理・施工図作成・営業積算・警備だったものは2,319件(26.8%)ありました。「現場コーディネーター」「プロジェクトマネージャー」「プロジェクトアシスタント」のように管理職の語を避けた職種名の求人もあります。月給の高い「電気工事」求人を見つけたら、仕事内容欄の先頭に「施工管理業務」「現場監督業務」「施工図の作成」と書かれていないかを最後まで読むことをおすすめします。
あわせて、扱う工事の種類(住宅の配線か、ビル・工場の受変電か、電力インフラか)、資格取得の費用負担と受験機会、工具の貸与か自己購入か、現場までの移動時間が労働時間に入るか、宿泊を伴う出張の頻度と手当を見ると、同じ月給でも条件の差が判断できます。
この調査の限界(お読みください)
- 今回は媒体が1つだけです。初版(2026-07-27)の事前検証で、電気工事士の求人を全国どの県からも同じ条件で採れる媒体は公的職業紹介しかありませんでした。総合転職サイトは求人の少ない県で0件〜数十件しかなく、電気工事の専門求人サイトは県別一覧の1ページがほぼ全国掲載の重複、建設系の専門媒体は月給の実額ではなく年収しか載せていません。ブロックごとに媒体を差し替えると地域差ではなく媒体差を測ってしまうため、媒体を減らして構成を揃えるほうを優先しています。その結果この数字は公的職業紹介に出ている求人層の相場であり、そこに載らない求人(民間媒体の非公開求人や高年収帯の求人)は含まれていません。媒体差そのものも今回は評価できていません。
- 前版(2026-09-27・N=5,037)と同じ設計で取り直した月次更新です。提示額の中央値は22.0万円から22.1万円(信頼区間22.0〜22.2万円から22.0〜22.5万円)、内訳の基本給は20.5万円から20.7万円(20.1〜20.6万円から20.5〜21.0万円)で、信頼区間が重なっており、相場が動いたとは言えません。Nが5,037件から4,834件に減ったのは、検索結果の行数が11,853行から11,337行に、求人番号で一意化した求人票が9,076件から8,661件に減ったためです(掲載そのものの減少で、取得失敗ではありません)。受理月で分けても提示額は8月以前22.5万円・9月22.0万円・10月22.2万円で一定の向きはありません。
- 47都道府県それぞれで検索結果を最後のページまで巡回し、該当する求人票を原則すべて取得しています(検索結果11,337行・求人番号で一意化して8,661件・詳細の取得失敗0件・採用4,834件)。県あたりの採用件数は25件(山梨県)〜302件(東京都)で、実際の求人数の多い県ほど全国の数字に重く効きます。並び順は媒体の既定(新着順)のままで、有料掲載による順序の歪みは受けない代わりに直近受理の求人に寄ります。
- 主系列と副系列は同じ4,834件です。この媒体の求人票は賃金欄が「基本給a」「定額的に支払われる手当b」「固定残業代c」に分かれているため、提示額(a+b+c)と内訳の基本給(a)を全件で対応させられました。測定量を判別できず除外した求人は0件です。副系列は独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳です。
- 「どの欄の額を採るか」は求人票を1つも読む前に決めて、全国すべての求人に同じ1つのプログラムで適用しています(提示額は賃金欄のa+b+c、基本給はa)。過去の実査で採取担当ごとに判定基準が割れ、地域差ではなく判定基準の差を測ってしまった事故があったため、人ではなくプログラムに固定する方式に変えました。
- 定額手当(b)の額は、手当ごとの額を1行ずつ読んで合計する方式です(合計の中央値1.0万円・四分位0.5〜2.5万円)。手当名の上位は資格手当360件・住宅手当322件・現場手当302件・職務手当270件・通信手当152件です。
- 対象は自ら施工に従事する電気工事職に限っています。除外の条件は2種類に分けました。ひとつは役割そのものが別職種になるもので、施工管理・現場代理人・現場監督・現場コーディネーター・プロジェクトマネージャー(1,841件)、営業・積算・見積・設計専任・事務(286件)、施工図・図面作成(37件)、ビル設備管理・施設管理・電気主任技術者・保全(125件)、警備員(30件)、全く別の職種(3件)です。「電気工事士又は施工管理技士」のように施工職と管理職を1つの求人票で募集しているものは、どちらの賃金を指すか判別できないため一律で除外しています。もうひとつは専業のときだけ除外するもので、弱電・通信工事、消防設備、制御盤製作、販売・配送、保守点検、他の建設職種は、職種名に電気工事の語が併記されていれば施工職として残しました(107件を専業として除外)。ほかに短時間正社員・派遣・夜勤専従を除いています。今回は集計コードを書き直したため、職種名の判定は前版と細部が完全には一致しません(前版の採用件数との差はこの再実装の影響を含みます)。
- 一覧画面には時給制・日給制の求人も月額換算で表示されるため、そのまま採ると高額の外れ値として混入します。全件について詳細画面の「賃金形態等」が「月給」であることを確認してから採用しました。この判定で除外したのは782件(日給722件・年俸制20件・時給16件・その他24件)です。就業場所の都道府県は求人票の住所から判定し、住所に県名が現れない47件(1.0%)だけ事業所所在地または検索した県を代入しました(この媒体は求人を受理した職業安定所と就業場所の都道府県が一致しないことが多く、求人番号では県を判定できません)。
- 請負(客先に常駐して働く形態)の求人68件は除外せず残しています。提示額の中央値は21.9万円で、請負でない4,766件の22.1万円と差がありません(差の信頼区間−1.2〜+1.5万円)。派遣の求人は検索条件の側で0件です。
- 同一法人・同一事業所が同じ給与で複数の求人を出しているケースを機械的に名寄せしました。事業所・提示額・上限額・基本給・定額手当・産業分類が一致するものを1件にまとめ、採用5,450件のうち616件(11.3%)を除外して4,834件としています。名寄せが済んだ時点で事業所名はデータから削除しました。名寄せの強さを変えた場合の感度(署名を緩めた・厳しくした場合の差)は今回は試していません。
- 「募集しているのがどんな会社か」は求人票の産業分類だけから機械的に振り分けています(事業内容欄は法人全体の説明なので使っていません)。電気工事の専業会社が3,566件(73.8%)で、設備工事業(管・機械設置・通信)476件、発注側・メーカーほか431件のほかは、総合建設・建築・土木94件、技術者派遣・設計事務所55件、職別工事業46件、本社・管理部門42件と100件に満たない区分が並びます。総合建設・建築・土木は地域ブロックごとに12〜27件、経験区分ごとに28〜38件しかなく、差の向きは5ブロック・3経験区分すべてで一致していますが、ブロック内の差の大きさまでは確定していません。
- 工事対象区分は求人票の職種名と仕事内容だけから判定しています(事業内容欄は法人全体の説明なので、複数分野を持つ会社の求人がすべて先頭の分野にさらわれます)。「住宅も工場も官公庁も」という兼務求人が多く、4,834件中3,051件(63.1%)は単一の区分に分けられませんでした。区分ごとの数字は信頼区間がすべて重なります。
- 資格要件は求人票の「必要な免許・資格」欄と、その必須/あれば尚可の区分から判定し、複数の資格が並んでいる場合は求職者が応募できる最低ラインの資格で分類しています(第一種のみ必須なら「第一種が必須」、電気工事士の必須が第二種または種別の指定なしなら「第二種以上が必須」、必須の記載がなければ「資格不問・歓迎」)。実務上は「あれば尚可」でも実質的に有資格者を想定している求人がありえますが、求人票の文面からは区別できません。
- 固定残業代の想定時間数は「固定残業代に関する特記事項」の自由文から機械抽出しています。記載のあった725件のうち718件で時間数が読め、7件は「求人に関する特記事項欄参照」などで読めませんでした。範囲表記は下限側を採り、「1日あたり◯時間」や月の所定労働時間を指す数字は候補から外しています。
- 月給下限のみを集計しています。賞与、資格手当の実績額、危険手当や出張手当の実支給額、残業代の実支給額は含んでいないため、年収や手取りの比較にはそのまま使えません。年間休日は52日〜160日(四分位105〜120日・中央値110日)と幅が非常に大きく、同じ月給でも実際の時間あたりの条件は大きく変わります。今回は賞与の月数は集計していません。
- 検算として、採用した4,834件から47都道府県それぞれ1件、固定残業代ありの3件、種を固定した無作為抽出を合わせた250件を選び、採取に使ったデータを一切参照しない新しい取得経路から取り直して、提示額・上限額・基本給・雇用形態・賃金形態・固定残業代の有無・年間休日・産業分類・職種名を機械照合しました。不一致は0件・掲載終了0件・取得失敗0件です。
- 地域ブロックのうち、甲信越・北陸・北関東と中国・四国・九州・沖縄の順位は、信頼区間が接しており確定していません(差0.5万円・差の信頼区間0〜1.0万円)。基本給で見るとこの3ブロックは20.0万円で同着になります。第一種が必須(n=113)は経験要件を揃えると信頼区間が資格不問・歓迎と重なり、地域ブロックの中では12〜43件しかなく、第一種が必須×経験があれば尚可(n=17)と第一種が必須×経験不問(n=28)は参考値です。
実査方法: 複数の求人検索サイトで公開されている電気工事士の正社員求人4,834件(全国47都道府県・重複排除後)の月給表記を、地域5ブロックに分けて実査(2026-10-22時点)。媒体は全ブロックで採取条件を揃えるため公的職業紹介1つに固定し、47都道府県の検索結果を最後のページまで巡回して求人票8,661件の詳細から金額と分類を同一のプログラムで機械抽出。給与表記を『手当込みの総額提示』と『基本給のみ提示』に分けて集計し、求人票の「基本給+定額的に支払われる手当+固定残業代」を提示額、「基本給」をその内訳として同一求人で対応させた。中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、1,000円単位に丸めています。
給与の数字だけでなく「職場のリアル」も確かめてから応募したい方へ。リクプルは働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています。
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