このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
月給下限の中央値25万円95%信頼区間 24.7万円〜25万円(n=12405)
求人の中央50%が収まる帯21万円〜28.2万円上下25%ずつを除いた「よくある帯」
現実的な期待値の目安27.5万円各求人のレンジ中央の中央値
この数字が指しているもの
上の数字は手当を含んだ総額提示(基本給+毎月定額で支払われる手当)の求人だけを集計した値です(トラックドライバーの求人票では、月給欄の63%に運行手当・固定残業代などが積まれています)。 同じ職種でもその求人票の内訳に書かれている基本給で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は19.8万円(n=12405・主系列と同じ12,405件すべての内訳。独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳です)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。
提示額と基本給の対応比較(12,405件・同じ求人どうし)※実査職種で最も離れている部類です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 求人票に出ている提示額(定額手当・固定残業代込み) | 12405件 | 25万円 |
| その内訳にある基本給 | 12405件 | 19.8万円 |
同じ対応比較を月給欄の作りで分けると ※定額手当のある求人は提示額が低いくらいなのに、基本給だけが7万円低い| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 定額手当も固定残業代もなし・提示額(12,405件中4,576件) | 4576件 | 24万円 |
| 定額手当も固定残業代もなし・その内訳の基本給 | 4576件 | 24万円 |
| 定額手当あり(固定残業代なし)・提示額(12,405件中5,403件) | 5403件 | 23.5万円 |
| 定額手当あり(固定残業代なし)・その内訳の基本給 | 5403件 | 17万円 |
| 固定残業代あり・提示額(12,405件中2,426件) | 2426件 | 27万円 |
| 固定残業代あり・その内訳の基本給 | 2426件 | 19万円 |
事業者の種類別(総額提示の月給下限)※今回新しく分けた軸です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 運送・物流会社のドライバー | 9078件 | 25万円 |
| 荷主企業の自社便(製造・卸売・建設など)のドライバー | 3327件 | 23.6万円 |
同じ事業者の種類を「内訳にある基本給」で見ると ※順位が逆転します| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 荷主企業の自社便の基本給 | 3327件 | 21.1万円 |
| 運送・物流会社の基本給 | 9078件 | 18.8万円 |
運ぶ距離別(総額提示の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 長距離(県外・泊まりを伴う) | 1444件 | 26万円 |
| 長距離と近距離の両方を載せている求人 | 963件 | 25万円 |
| 近距離・ルート配送(地場) | 3210件 | 24.5万円 |
同じ距離区分を「内訳にある基本給」で見ると ※順位が逆転します| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 近距離・ルート配送の基本給 | 3210件 | 19.5万円 |
| 長距離と近距離の両方を載せている求人の基本給 | 963件 | 18.9万円 |
| 長距離の基本給 | 1444件 | 18万円 |
大型免許が必須の求人だけに絞って距離を比べ直すと ※免許を揃えても差は残ります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 長距離(県外・泊まりを伴う) | 918件 | 28万円 |
| 長距離と近距離の両方を載せている求人 | 474件 | 27.5万円 |
| 近距離・ルート配送(地場) | 1102件 | 25.7万円 |
荷の種類別(総額提示の月給下限)※荷の種類が判定できた4,008件| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 冷凍・冷蔵・食品 | 606件 | 25.6万円 |
| タンクローリー・トレーラー・特殊車両 | 1617件 | 25.3万円 |
| ダンプ・生コン・建設資材 | 1488件 | 23.5万円 |
| 宅配・小口配送 | 297件 | 22万円 |
同じ荷の種類を「内訳にある基本給」で見ると ※ダンプ・建設資材が最上位に入れ替わります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| ダンプ・生コン・建設資材 | 1488件 | 21万円 |
| タンクローリー・トレーラー・特殊車両 | 1617件 | 20万円 |
| 冷凍・冷蔵・食品 | 606件 | 18.9万円 |
| 宅配・小口配送 | 297件 | 18万円 |
必要な免許(車格)別・総額提示の月給下限| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 大型自動車免許が必須 | 5237件 | 25.7万円 |
| 中型・準中型が必須 | 3952件 | 24万円 |
| 免許の必須指定なし | 325件 | 23.6万円 |
| 普通免許のみで応募できる | 2891件 | 23.4万円 |
同じ車格を「内訳にある基本給」で見ると ※差は縮みます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 大型自動車免許が必須 | 5237件 | 20万円 |
| 免許の必須指定なし | 325件 | 20万円 |
| 普通免許のみで応募できる | 2891件 | 19.8万円 |
| 中型・準中型が必須 | 3952件 | 19.4万円 |
同じ車格を「月給レンジの上限額」で見ると ※下限より差が開きます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 大型自動車免許が必須の求人の上限額 | 5237件 | 33万円 |
| 免許の必須指定なしの求人の上限額 | 325件 | 30万円 |
| 中型・準中型が必須の求人の上限額 | 3952件 | 29.7万円 |
| 普通免許のみで応募できる求人の上限額 | 2891件 | 29万円 |
けん引免許の要否別(総額提示の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| けん引免許が必須 | 614件 | 28万円 |
| けん引の必須指定なし | 11791件 | 24.7万円 |
地域ブロック別(総額提示の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 1976件 | 26.8万円 |
| 関西・東海 | 3334件 | 25万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 2345件 | 24.6万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 2868件 | 23万円 |
| 北海道・東北 | 1882件 | 23万円 |
同じ地域ブロックを「内訳にある基本給」で見ると(12,405件)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏 | 1976件 | 21万円 |
| 関西・東海 | 3334件 | 20万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 2345件 | 19万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 2868件 | 18.9万円 |
| 北海道・東北 | 1882件 | 18.5万円 |
件数の多い「近距離・ルート配送」3,210件だけに絞って地域を比べ直すと ※順位は変わりません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 首都圏 | 512件 | 27.6万円 |
| 関西・東海 | 871件 | 25万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 604件 | 24万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 751件 | 23万円 |
| 北海道・東北 | 472件 | 22.5万円 |
固定残業代の有無別(総額提示の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 固定残業代の記載あり(12,405件中2,426件) | 2426件 | 27万円 |
| 固定残業代なし/記載なし | 9979件 | 24万円 |
経験要件別(総額提示の月給下限)※車格を揃えると差は確定しません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 経験は「あれば尚可」 | 3061件 | 25万円 |
| 実務経験が必須 | 1718件 | 25万円 |
| 求人票に経験の要件なし | 7626件 | 24.5万円 |
年間休日数別(総額提示の月給下限)※全体では差が確定しません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 年間休日105日未満 | 2854件 | 25万円 |
| 年間休日105〜119日 | 7309件 | 24.7万円 |
| 年間休日120日以上 | 2242件 | 24.7万円 |
同じ年間休日を距離区分の中で比べ直すと ※距離によって向きが揃いません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 長距離・年間休日105〜119日 | 856件 | 26.3万円 |
| 長距離・年間休日120日以上 | 223件 | 26.1万円 |
| 長距離・年間休日105日未満 | 365件 | 26万円 |
| 近距離・年間休日105日未満 | 687件 | 25万円 |
| 近距離・年間休日105〜119日 | 1971件 | 24.6万円 |
| 近距離・年間休日120日以上 | 552件 | 23.7万円 |
勤務時間帯別(総額提示の月給下限)※就業時間の欄から判定| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 夜間勤務あり(22時以降まで/18時以降始業) | 1139件 | 27.8万円 |
| 早朝始業あり(5時台までに始業) | 1152件 | 25万円 |
| 深夜・早朝の両方あり | 301件 | 25万円 |
| 日中のみ | 9813件 | 24.5万円 |
実査で見えたこと
- 定額手当は月給を増やすのではなく、基本給を削る形で入っていました(前版の再現で、差はさらに大きくなりました)。定額手当があって固定残業代のない求人5,403件の提示額の中央値は23.5万円で、手当も固定残業代もない求人4,576件の24.0万円よりむしろ0.49万円低い(信頼区間−0.69〜−0.17万円)のに、同じ求人の基本給は17.0万円対24.0万円と7.0万円離れます。手当のない求人は4,576件中4,569件で提示額と基本給が完全に同額でした。定額手当の額の中央値は6.3万円で、提示額の水準は変わらないまま基本給だけが手当のぶん低くなっている形です。基本給が7万円前後低い関係は5つの地域ブロックすべて(4.9〜7.7万円)・4つの車格すべて(5.4〜7.6万円)で同じ向きに出ました。全体では基本給は提示額の中央値88%で、12,405件のうち6,422件(52%)が9割を切り、3,718件(30%)は7割も切ります。最も差が大きい求人は提示33.45万円に対し基本給2.2万円(6.6%)で、評価・能率手当が30.0万円を占めていました。
- 今回新しく分けた「事業者の種類」で、額面と基本給の関係が逆転しました。運送・物流会社のドライバー9,078件は提示額25.0万円で、荷主企業の自社便(製造・卸売・建設などの会社が自社で雇うドライバー)3,327件の23.6万円より1.44万円高い(信頼区間1.00〜1.76万円)のに、基本給は18.8万円対21.1万円で2.30万円低くなります(信頼区間−2.80〜−2.07万円)。この逆転は5つの地域ブロックすべてで提示額・基本給とも同じ向きに出て、基本給の差は4つの車格すべてで確認できました。自社便にはダンプ・生コン車が多いため建設系を除いて比べ直しても(基本給18.7万円対21.0万円)、近距離・ルート配送に揃えても(19.0万円対21.0万円)差は残ります。自社便は提示額と基本給が完全に同額の求人が51.5%(運送・物流会社は31.5%)で、提示額と基本給の差額の中央値は0円、運送・物流会社は4.63万円でした。賞与の記載も自社便91.9%対82.6%、年間休日の中央値も110日対107日と自社便が上回ります。
- 長距離(県外・泊まりを伴う)1,444件の月給下限は26.0万円で、近距離・ルート配送3,210件の24.5万円より1.50万円高く(信頼区間1.00〜2.41万円)、大型免許が必須の求人に絞っても28.0万円対25.7万円と差は残りました。上限額では35.0万円対29.6万円と5.38万円開き、この上限額の差は5つの地域ブロックすべてで確認できます。ただしその高さの中身は基本給ではありません。長距離の基本給は18.0万円で近距離の19.5万円より1.50万円低く、この逆転は5つの地域ブロックすべてで出ました。提示額と基本給の差額は長距離7.0万円・近距離3.1万円、基本給が提示額に占める割合は71.8%対86.4%です。一方、前版に書いた「長距離が高いという差は5つの地域ブロックすべてで同じ向き」は、提示額については撤回します。首都圏では長距離26.5万円・近距離27.6万円と向きが逆で(信頼区間−2.55〜1.09万円で差は確定せず)、北海道・東北でも差は確定しませんでした。
- 地域は首都圏26.8万円(信頼区間26.4〜27.0万円)、関西・東海25.0万円、甲信越・北陸・北関東24.6万円、中国・四国・九州・沖縄23.0万円、北海道・東北23.0万円の順で、首都圏と北海道・東北の差は3.81万円(信頼区間3.40〜4.50万円)と前版どおりはっきり開いています。件数の多い近距離・ルート配送だけに絞っても同じ順序(27.6万円〜22.5万円)でした。ただし隣り合うブロックどうしでは、提示額で差が確定するのは「首都圏と関西・東海」(1.80万円)と「甲信越・北陸・北関東と中国・四国・九州・沖縄」(1.64万円)だけで、関西・東海と甲信越・北陸・北関東、中国・四国・九州・沖縄と北海道・東北の上下は決められません。前版の「北海道・東北が単独で最下位」は提示額については撤回し、中国・四国・九州・沖縄と同着とします。基本給で並べ直すと首都圏21.0万円、関西・東海20.0万円、甲信越・北陸・北関東19.0万円、中国・四国・九州・沖縄18.9万円、北海道・東北18.5万円となり、こちらでは北海道・東北が一段低い位置に分かれます(中国・四国・九州・沖縄との差0.40万円・信頼区間0.05〜0.55万円)。
- 免許の車格は提示額では大型25.7万円、中型・準中型24.0万円、普通免許のみ23.4万円と一段ずつ下がり、隣り合う車格の差はどちらも確定しました(1.70万円・0.65万円)。けん引免許が必須の求人614件は28.0万円で、大型免許必須の中で比べても28.1万円対25.5万円と上回ります。一方で基本給は大型20.0万円、普通19.8万円、中型19.4万円と差が縮み、中型と普通の上下は確定しません(前版と同じ順序)。大型免許で大きく伸びるのは上限額で、大型33.0万円に対し普通29.0万円と4.0万円開きます。固定残業代の記載は12,405件中2,426件(19.6%)で、時間数が読み取れた2,372件の中央値は37時間、上位4分の1は46時間以上、40時間以上が1,137件(48%)、最長は149時間でした。固定残業代のある求人の提示額は27.0万円と高いものの、基本給は19.0万円で、手当も固定残業代もない求人の24.0万円を5.0万円下回ります。なお実務経験の要件は、車格を揃えるとどの車格でも差が確定せず、前版の「経験で月給下限が大きく動くとは言えない」を再現しました。
この職種の求人票の読み方
トラックドライバーの求人票は、実査した職種の中で「額面がいちばん当てにならない」部類です。ただし当てにならない理由がはっきりしているので、見る順番さえ決めておけば読み解けます。
- 月給の額面より先に、内訳の基本給を見る。これがこの職種では最重要です。今回は12,405件すべてで内訳が読め、基本給は提示額の中央値88%でした。6,422件(52%)は基本給が提示額の9割を切り、3,718件(30%)は7割を切っています。最も差が大きい求人では月給33.45万円に対し基本給2.2万円でした。基本給は賞与・退職金・残業単価・休業補償の計算基礎になることが多く、同じ「月給24万円」でも基本給が24万円の会社と17万円の会社では年間の受取額が大きく変わります。公的職業紹介の求人票は賃金欄が「基本給(a)」「定額的に支払われる手当(b)」に分かれているので必ず確認できます。内訳が書かれていない媒体で見つけた求人は、面接で「この月給のうち基本給はいくらですか」と聞く価値があります。
- 手当が並んでいても、月給が高いとは限らない。定額手当のある求人5,403件の提示額23.5万円は、手当がまったくない求人4,576件の24.0万円よりむしろ低いくらいでした。ところが基本給は17.0万円と24.0万円で7.0万円離れます。同じ額面を、基本給だけで払う会社と、基本給を下げて手当を乗せる会社に分かれているだけです。求人票に手当の名前が並んでいても、それを「基本給に上乗せされたお得な分」と読まないでください。
- 運送会社か、荷主企業の自社便かで、同じ額面の中身が違う。運送・物流会社の求人は提示額25.0万円・基本給18.8万円、製造・卸売・建設などの会社が自社で雇うドライバーは提示額23.6万円・基本給21.1万円でした。額面は運送会社のほうが高い一方、基本給は自社便のほうが2.3万円高く、自社便の半数は提示額と基本給が同額です。求人票の「産業分類」欄に「一般貨物自動車運送業」とあれば運送会社、それ以外なら荷主企業の自社便です。額面の差だけで選ぶ前に、基本給の差と賞与の有無(自社便91.9%・運送会社82.6%)を並べて比べてください。
- その手当が「走った分」なのか「毎月必ず出る分」なのかを確かめる。定額手当(b)欄には「運行手当 96,780円〜222,120円」のように幅で書かれることがあり、この幅は運行の本数や距離で変動するという意味です。下限側の金額が実際に毎月保証されるのか、運行が減った月はどうなるのかは、求人票の数字だけでは分かりません。月給の3割以上がこの種の手当で構成されている求人では、荷動きが落ちた月の収入まで含めて確認してください。
- 長距離の高さは上限額と手当に出る。基本給はむしろ低い。長距離(県外・泊まりを伴う)は月給下限26.0万円、近距離・ルート配送は24.5万円で、上限額は35.0万円対29.6万円とさらに開きます。一方で長距離の基本給は18.0万円と、近距離の19.5万円より低いのが実態で、この逆転は5つの地域ブロックすべてで出ました。なお首都圏だけは下限でも長距離が高いとは言えません。長距離を選ぶかどうかは、生活時間(泊まりの頻度)と、荷動きが落ちた月の収入変動をどこまで許容できるかで判断する問題であって、基本給の高さで選ぶ話ではありません。夜間に働く求人(提示額27.8万円・基本給18.3万円)も同じ形です。
- 大型免許で伸びるのは下限より上限。大型免許が必須の求人は月給下限25.7万円、中型・準中型は24.0万円、普通免許のみは23.4万円でした。基本給で並べ直すと差は縮みますが、上限額は大型33.0万円・中型29.7万円・普通29.0万円と下限より開きます。けん引免許が必須の求人614件は月給下限28.0万円でした。免許は応募できる求人の幅とレンジの上側を広げますが、基本給がそのぶん上がるわけではありません。取得費用と、取得後の働き方(長距離になるのか)を分けて考えてください。
- 地域の差は大きいが、隣り合う地域の上下は決めつけない。首都圏26.8万円と北海道・東北23.0万円では3.8万円開きます。一方で関西・東海と甲信越・北陸・北関東、中国・四国・九州・沖縄と北海道・東北は、提示額の上下を確定できませんでした。前版から続けて見ている方は、北海道・東北が単独最下位という前版の記述を修正している点にご注意ください。生活費の違いは含んでいない数字です。
- 固定残業代は、額より「何時間分か」を見る。記載があるのは12,405件中2,426件(19.6%)で、時間数が読み取れた2,372件の中央値は37時間、40時間以上が1,137件(48%)、最長149時間でした。60時間分を含む求人は、その時間まで働いて初めて提示額に届くという意味です。求人票の「固定残業代に関する特記事項」欄に時間数が書かれているので、月給の額と一緒に必ず読んでください。固定残業代のある求人は提示額こそ27.0万円と高いものの、基本給は19.0万円で、手当のない求人の24.0万円を大きく下回ります。
- 年間休日は月給と切り離して見る。実査した求人の年間休日は52日から209日まで開いており、中央値は107日でした。年間休日90日は120日の求人と比べて年間30日、およそ1か月ぶん多く出勤する計算です。今回は全体で見ても「休日が少ない求人ほど月給が高い」とは確定しませんでした(105日未満25.0万円・120日以上24.7万円)。近距離だけでは休日の少ない求人が高く、普通免許のみの求人では逆に休日の多い求人が高いなど、切り口によって向きが変わります。休みの少なさが月給で埋め合わされているとは読めません。
- 正社員なのに日給制、という求人が2割近くある。職種条件を満たした正社員求人19,599件のうち3,789件(19.3%)が月給ではなく、3,363件(17.2%)が日給制でした。求人検索の一覧はこれらも月額に換算して表示するため、画面上は月給求人と見分けがつきません。日給制は出勤日数と荷動きに月収が直結し、年末年始やお盆、荷が止まった月にそのまま収入が減ります。中国・四国・九州・沖縄では25.9%が該当しました。求人票の「賃金形態等」欄が「月給」になっているかを、金額を見るより先に確認してください。
- 下限どうしで比べる。月給レンジの上限は下限の中央値1.20倍・幅5.0万円で、上下限が同額の求人も12,405件中1,835件(14.8%)あります。上限額が何年目・どの運行を想定した数字なのか、そこに到達した人が実際にいるかは求人票からは読み取れません。応募時に約束されるのは下限側だと考えて、下限どうしで比較してください。
あわせて、車格(大型/中型・準中型/普通)、運行の形(地場か長距離か、泊まりの頻度)、荷扱いの内容(手積み手降ろしか、パレット・フォークリフト作業か)、拘束時間と待機時間の扱い、免許取得の費用負担と条件、無事故手当や燃費手当の支給条件を見ると、同じ月給でも働き方の負荷が判断できます。なお採用の現場では、中型は月給26万円・大型は30万円あたりを下回ると年間休日が多くても応募が集まりにくいと言われますが、今回の実査(公的職業紹介)では大型が必須の求人の中央値が25.7万円、中型・準中型が24.0万円と、この目安を下回りました。同じ職種でも媒体によって見えている求人層が違う可能性があるため、1つの媒体だけで相場観を作らないことをおすすめします。
この調査の限界(お読みください)
- 【前版との比較について】全国の提示額の中央値は前版(2026-08-25)の24.0万円から今回25.0万円になりましたが、これは相場が上がったことを意味しません。前版は検索結果を1県×検索語あたり最大8ページ(240件)で打ち切っており、掲載件数の多い県ほど採り切れていませんでした。今回のデータを前版と同じ「掲載順240件以内」に絞り直すと8,821件で24.2万円(信頼区間24.0〜24.5万円)となり、前版とほぼ同じ値に戻ります。首都圏は前版の範囲では854件しか入らず、全ページを巡回した今回は1,976件でした。月給が高い県の求人が前版では過少に採られていた、という構成の差が見かけの上昇の正体です。前版の数字と並べて「相場が1万円上がった」とは読まないでください。
- 今回も媒体は公的職業紹介の1つだけです。トラックドライバーの求人で「全国どの県でも同じだけ採れて、かつ給与の内訳が読める」媒体はこれしかなく、ブロックごとに媒体を差し替えると地域差ではなく媒体差を測ってしまうため、媒体を減らして構成を揃えるほうを優先しました。この数字は公的職業紹介に出ている求人層の相場であり、そこに載らない求人(民間媒体の高収入帯の求人など)は含まれていません。媒体差そのものも評価できていません。
- 採取は検索語「ドライバー」(11,281件)と「運転手」(12,341件)の2つで、どちらも職種欄だけを対象に正社員で絞り、47都道府県すべてを最後のページまで巡回しました(警告0件)。重複を除いた求人票23,367件を全件取得し、取得失敗は0件です。並び順は既定の新着順のままで、有料掲載による並び順の歪みは受けませんが、そのぶん直近に受理された求人に寄っている可能性があります。1県あたりの採用件数は沖縄県の62件から愛知県の756件まで開いているため、全国をひとつにまとめた数字は県ごとの求人数の違いを含みます。地域を見るときは地域ブロック別の表をご覧ください。
- この媒体では、時給制・日給制の求人も一覧で月額に換算して表示されます。そのまま採ると高額の外れ値として混入するため、全件について求人票の「賃金形態等」が「月給」であることを確認してから採用しました。職種条件を満たした正社員求人19,599件のうち3,789件(19.3%)が月給ではなく、うち3,363件(17.2%)が日給でした。地域差も大きく、中国・四国・九州・沖縄では25.9%が該当した一方、首都圏では16.6%でした(前版は19.5%・16.1%・25.4%・15.6%でほぼ同じ)。パート・アルバイト・派遣・契約社員・夜勤専従も対象外です。
- 「どの欄の額を採るか」は求人票のHTMLから機械的に決めています。提示額は賃金欄の「a+b(+c)」に表示されている額、基本給は「基本給(a)」欄で、「その他の手当等付記事項(d)」欄の金額は一切加算していません。定額手当の額は「定額的に支払われる手当(b)」欄に並ぶ手当ごとの下限額を合計しています(手当の名前が複数並ぶ求人で、最も小さい手当1つだけを拾わないため)。この合計は定額手当のみの求人5,403件のうち5,378件で「提示額=基本給+手当」と一致しました。
- 対象は自らトラック等の貨物自動車を運転して荷物を運ぶ職に限っています。バス・タクシー・ハイヤー・運転代行・送迎(1,895件)、廃棄物・し尿の収集運搬(職種名で668件、産業分類が廃棄物処理業のもの722件)、引越の搬出入(246件)、車両そのものを運転して届ける回送・陸送・納車(83件)と霊柩・寝台車(30件)、軽貨物や持ち込みの配送(53件)、旅客用の二種免許だけを必須とする求人(43件)、助手・管理職・指導員などの専任を除外しました。一方で「セールスドライバー」「営業乗務社員」、重機や車両を積載車・トレーラーに積んで運ぶ輸送、「ドライバー又は配送助手」のような選択式の求人は運転職として残しています。除外語が地名や拠点名に誤って当たらないよう、除外した求人の職種名を系統ごとに目視で点検しました(例: 「船」が船橋市の配送求人に、「航空」が航空貨物の集配拠点名に当たっていたため修正)。
- 名寄せ(重複排除)は、同一事業所が同一の給与・手当・産業分類で出している求人(3,251件)と、事業所名は違っても給与・手当・産業分類・職種名・都道府県がすべて一致する求人(111件)を重複とみなし、合計3,362件を除いて N=12,405 としました。名寄せを全国一本で行うと、生き残った1件が最初に巡回した県に置かれるため、都道府県ごとに名寄せし直した版(13,183件)でも地域ブロックの順位を確認し、並びが変わらないこと(26.8万円/25.0万円/24.8万円/23.0万円/23.0万円)を確かめています。
- 事業者の種類は、求人票の「産業分類」欄(事業所単位の分類)から機械的に分けています。貨物自動車運送業・倉庫業・利用運送業などを「運送・物流会社」、それ以外を「荷主企業の自社便」としました。自社便には土木・建設業やセメント製造業のダンプ・生コン車の求人が多く(44.7%が建設系)、運送・物流会社(5.6%)と構成が違います。そのため建設系を除いた比較と、近距離・ルート配送に揃えた比較を併記しており、どちらでも基本給の逆転は残りました。多角化した法人では産業分類と実際の業務がずれることがあります。
- 運ぶ距離の区分は、求人票の職種名と仕事内容欄に書かれた語(長距離・県外運行・泊まり/近距離・地場・ルート配送・市内配送など)から機械的に判定しています。今回は「長距離なし」「泊まりはありません」のような否定の書き方を近距離の手掛かりとして扱うよう判定を改めたため、前版の距離別の数字とは直接比較できません。どちらの語も書かれておらず判定できなかった求人が12,405件中6,788件(54.7%)あり、距離の層別表から除外していて推測では埋めていません。荷の種類も同じく仕事内容欄の語からの判定で、判定できたのは4,008件です。
- 固定残業代の想定時間数は、求人票の「固定残業代に関する特記事項」欄の自由文から読み取っています。記載のある2,426件のうち時間数まで読み取れたのは2,372件です。範囲表記(「149〜170時間」など)は下限側を採用し、1日あたりの表記(「1日1.5時間分×20日」など)や所定労働時間の記載は除いて集計しました。ただし「深夜割増として100時間分」のように時間外ではなく深夜割増の時間数を書いている求人が少数混ざっており、自由文からの読み取りである以上、時間数には残差があります。
- 月給下限のみを集計しています。賞与(記載ありは85.1%)、歩合給の実支給額、無事故手当や燃費手当の実績額、残業代の実支給額は含んでいないため、年収や手取りの比較にはそのまま使えません。年間休日は求人票の記載どおりで、中央値は107日ですが52日から209日まで開いています。月給欄の最小値・最大値には記入ミスと思われる求人も含まれるため、分布の端の値は相場として読まないでください。見出しに分位点を使っているのはこのためです。
- 提示額の中央値25.0万円に対し、95%信頼区間の上端も25.0万円です。これは計算の失敗ではなく、月給25.0万円ちょうどの求人が934件あって中央値がその塊の上に乗っているためです(25.0万円未満が6,198件、超が5,273件)。ブートストラップ20,000回のうち53.2%で中央値がちょうど25.0万円になり、振れ幅は24.50万円〜25.00万円に収まりました。
- 採用した12,405件から50件を等間隔で抜き取り、新しい通信セッションで求人票を取り直して、提示額の上下限・基本給の下限・就業場所の都道府県を機械照合しました。不一致は0件、取得失敗も0件です。就業場所の住所から都道府県が読み取れなかった求人は、検索した都道府県で補っています(採用分のうち60件)。
- 主系列と副系列は同じ12,405件です。この媒体の求人票は賃金欄が「基本給a」「定額的に支払われる手当b」「固定残業代c」に分かれているため、提示額と内訳の基本給を全件で対応させられました。判別不能として除外した求人は0件です。副系列は独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳です。
実査方法: 複数の求人検索サイトで公開されているトラックドライバーの正社員求人12,405件(全国47都道府県すべて・重複排除後)の月給表記を、地域5ブロックに分けて実査(2026-09-14時点)。事前検証で全国どの県でも同じだけ採れて給与の内訳が読める媒体が1つに限られたため媒体は公的職業紹介に固定し、47都道府県の検索結果を最後のページまで巡回して求人票23,367件を全件同一のパーサで処理、給与表記を『手当込みの総額提示』と『基本給のみ提示』に分けて集計。採用分から50件を新しい通信セッションで取り直し、金額・就業場所を機械照合している(不一致0件)。中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、1,000円単位に丸めています。
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