営業(正社員)の求人相場
このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
この数字が指しているもの
上の数字は手当・固定残業代を含んだ総額提示の求人だけを集計した値です(営業職の求人ではこの書き方が最も多い)。 同じ職種でも基本給のみの提示(残業代は別途全額支給と明記)で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は25万円(n=23・件数が23件と少なく、残業代の別途支給を訴求する企業に偏っている可能性があります)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。 給与の内訳を判別できなかった19件は、どちらにも入れず集計から除外しています。
| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|---|---|
| 求人票に出ている提示額(手当・固定残業代込み) | 51件 | 25万円 |
| その内訳にある基本給 | 51件 | 21万円 |
| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|---|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 10件 | 26万円 |
| 九州・沖縄・中国・四国 | 10件 | 25万円 |
| 関西・東海 | 10件 | 24.5万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 10件 | 24.5万円 |
| 北海道・東北 | 11件 | 24万円 |
| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|---|---|
| 無形商材(人材・広告・IT・保険・金融など) | 30件 | 27万円 |
| 有形商材(メーカー・建材・機器・食品など) | 58件 | 25万円 |
| 不動産 | 12件 | 25万円 |
| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|---|---|
| 固定残業代あり | 24件 | 26万円 |
| 固定残業代なし | 27件 | 24万円 |
実査で見えたこと
- 営業職の求人で提示されている月給は、その多くが「基本給+営業手当+固定残業代」の合計額です。内訳まで確認できた51件では、提示額の下限の中央値25.0万円に対し、基本給の中央値は21.0万円でした。基本給が提示額に占める割合は中央値92%ですが、4件に1件は79%以下、最も低い求人では32%(提示28.0万円に対し基本給9.0万円)。提示額と基本給の差が4万円以上ある求人が41%(51件中21件)を占めます。
- 提示額が高い求人ほど固定残業代が入っています。内訳を確認できた51件のうち47%(24件)に固定残業代があり、その金額の中央値は4.2万円(4分の1は6.0万円以上)。固定残業代ありの求人の提示額下限は中央値26.0万円、なしは24.0万円でした。つまり提示額の差2万円は、残業代を先に含めて見せているかどうかでかなりの部分が説明できます。
- 地域による下限の差は小さく、はっきりしませんでした。媒体を1つに固定して比べると、最も高い首都圏26.0万円と最も低い北海道・東北24.0万円の差は2.0万円で、信頼区間は重なっています。同じ方法で実査した介護職では地域だけで約4万円動いたことを踏まえると、営業職の給与は勤務地よりも他の条件で決まっている部分が大きいと読めます。
- その「他の条件」として実測できたのが商材です。無形商材(人材・広告・IT・保険・金融など)の求人30件の下限中央値は27.0万円で、有形商材58件の25.0万円を2.0万円上回りました。この差は3つの媒体すべてで同じ向きに出ており(27.1万対25.0万/26.9万対25.0万/30.0万対24.0万)、特定の媒体の癖ではありません。
- 営業職の求人は「未経験可」が標準です。143件のうち110件(77%)が未経験を受け入れていました。そのうえで、未経験可の求人(77件・25.0万円)と経験必須の求人(15件・26.5万円)の下限中央値には、信頼区間が重なる程度の差しかありません。求人票の下限は経験の有無ではなく、商材や手当の組み方で決まっているようです。
この職種の求人票の読み方
営業職の求人票は、掲示された月給が「何をいくら含んだ額か」で意味が大きく変わります。実査から見えた、確認すべき順番は次の通りです。
- まず月給の内訳を探す。これが最重要です。営業職の提示額は基本給に営業手当・業績給手当・固定残業代を足した合計であることが多く、内訳を確認できた51件では基本給が提示額の中央値92%、4件に1件は79%以下でした。最も極端な求人は提示28.0万円に対し基本給9.0万円です。求人票に「基本給」「固定残業代◯円(◯時間分)」の記載があるかを最初に見てください。ハローワークの求人票は基本給(a)・定額的に支払われる手当(b)・固定残業代(c)が分けて書かれているため、同じ会社の求人が民間サイトにも出ている場合は突き合わせると内訳が分かります。
- 基本給が効いてくる場面を意識する。賞与や退職金は基本給を基準に計算する会社が少なくありません。提示額が同じ25万円でも、基本給21万円の求人と基本給15万円の求人では、賞与の月数が同じでも受け取る額が変わります。どちらを採用しているかは求人票の賞与欄の書き方(「基本給の◯ヶ月分」など)で確認できます。
- 固定残業代は「額」と「時間数」をセットで見る。実査では固定残業代ありの求人が47%あり、金額の中央値は4.2万円でした。提示額が相場より高い求人は、その差が固定残業代で埋まっているだけのこともあります。何時間分なのか、超過分は別途支給されるのかまで書かれているかを確認してください。
- 上限額はインセンティブ達成時の数字だと考える。上下限が書かれた84件では、上限は下限の中央値1.40倍、4件に1件は1.59倍以上でした。幅の中央値は10万円あります。入社時に約束されるのは基本的に下限側です。上限に近い額を受け取るための条件(インセンティブの支給基準・達成率)を面接で確認しておくと、入社後の差を減らせます。
- 比べる相手は「同じ商材」の求人にする。下限の中央値は無形商材27.0万円・有形商材25.0万円と2万円差があり、この傾向は媒体を変えても変わりませんでした。一方で地域による差は2万円程度で信頼区間が重なっており、はっきりしません。他県の求人と比べるより、同じ商材・同じ販売先(法人か個人か)の求人と比べるほうが判断の助けになります。
あわせて、賞与の「実績」(規定ではなく実績)・インセンティブの支給実績・年間休日数・直行直帰や社用車の有無を見ると、同じ月給でも実際の手取りと働き方の差が判断できます。
この調査の限界(お読みください)
- 求人サイトの掲載順は有料掲載の影響を受けるため、完全な無作為抽出ではありません。1ページ目だけに偏らないよう複数サイト・複数ページから採取していますが、掲載されていない求人(非公開求人など)は含まれていません。
- 地域と媒体が交絡しないよう、5ブロックすべてで媒体構成を揃えて採取しました(各ブロックでハローワーク・エン転職・マイナビ転職を各10件前後)。ただし給与の内訳をどれだけ開示するかは媒体によって差があり(内訳が判別できた割合はハローワーク100%・エン転職70%・マイナビ転職38%)、総額提示の系列にはこの差が残っています。地域比較には、この影響を避けるため媒体を1つに固定した集計を使っています。
- 民間の求人サイトでは営業職の給与を「年収450万円〜650万円」のように年収だけで示す求人が相当数あり、月給が読み取れないため今回の集計から外れています。月給表記の求人に偏った標本であり、年収表記が中心の求人層はこの数字に反映されていません。
- 同一企業が支店・営業所ごとに同じ給与条件で多数の求人を出しているケースがあり、そのまま数えると相場が歪みます。同一企業・同一給与のまとまりは1件に名寄せしました(名寄せの判定には掲載内容からの推定が含まれます)。
- 給与の内訳が書かれておらず、手当込みか基本給のみかを判別できなかった19件は、どちらの系列にも入れず集計から除外しています。
- 実査できたのは29都道府県で、全都道府県は網羅していません。特に甲信越・北陸・北関東ブロックでは富山・福井・茨城の求人を確認できておらず、この層の数字は参考値です。
- 月給下限のみを集計しています。営業職で金額が大きく動く賞与・インセンティブの実績額は含んでいないため、年収の比較にはそのまま使えません。
実査方法: 複数の求人検索サイトで公開されている営業の正社員求人143件(全国29都道府県・重複排除後)の月給表記を、地域5ブロックに分けて実査(2026-07-21時点)。地域と媒体が交絡しないよう全ブロックで媒体構成を揃えたうえで、給与表記を「手当込みの総額提示」と「基本給のみ提示」に分けて集計し、中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、5,000円単位に丸めています。
給与の数字だけでなく「職場のリアル」も確かめてから応募したい方へ。リクプルは働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています。
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