このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
月給下限の中央値21万円95%信頼区間 20.5万円〜21.5万円(n=126)
求人の中央50%が収まる帯19万円〜22.5万円上下25%ずつを除いた「よくある帯」
現実的な期待値の目安22.5万円各求人のレンジ中央の中央値
この数字が指しているもの
上の数字は手当・固定残業代を含んだ総額提示の求人だけを集計した値です(保育士の求人ではこの書き方が大半で、処遇改善手当や地域手当が月給に含まれます)。 同じ職種でもその求人票の内訳に書かれている基本給で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は18万円(n=127・主系列と同じ求人のうち内訳が読めた127件。独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳です)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。 給与の内訳を判別できなかった20件は、どちらにも入れず集計から除外しています。
提示額と基本給の対応比較(内訳が確認できた127件・同じ求人どうし)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 求人票に出ている提示額(手当・処遇改善手当込み) | 127件 | 20.5万円 |
| その内訳にある基本給 | 127件 | 18万円 |
地域ブロック別(総額提示の月給下限)※順序は3媒体すべてで同じでした| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 23件 | 24.5万円 |
| 関西・東海 | 25件 | 21.5万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 26件 | 20.5万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 28件 | 20万円 |
| 北海道・東北 | 24件 | 18.5万円 |
同じ地域ブロックを「内訳にある基本給」で見ると(127件)※首都圏が1位ではなくなります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 関西・東海 | 26件 | 19.5万円 |
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 22件 | 19万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 27件 | 18万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 26件 | 17.5万円 |
| 北海道・東北 | 26件 | 16.5万円 |
媒体別(総額提示の月給下限)※今回は媒体による差がほとんどありませんでした| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 公的職業紹介(求人票に給与の内訳あり) | 50件 | 21万円 |
| 保育・介護系の専門求人サイト① | 41件 | 21万円 |
| 保育・介護系の専門求人サイト② | 35件 | 20.5万円 |
施設区分別(月給下限・全件)※地域構成の差を含んだ数字です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 小規模保育 | 10件 | 22.5万円 |
| 認可保育所 | 72件 | 21.5万円 |
| 企業主導型・事業所内保育 | 14件 | 21.5万円 |
| 認定こども園 | 36件 | 20万円 |
同じ施設区分を首都圏を除いて比べ直すと(認定こども園は首都圏で0件でした)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 認可保育所(首都圏を除く) | 52件 | 20.5万円 |
| 認定こども園(首都圏を除く) | 36件 | 20万円 |
資格要件別(月給下限)※「保育士または幼稚園教諭」は12件のみで参考値| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 保育士資格が必須 | 137件 | 21万円 |
| 保育士または幼稚園教諭のいずれか | 12件 | 19万円 |
実査で見えたこと
- 保育士の求人で提示されている月給は、その大半が基本給ではありません。内訳まで読めた127件で比べると、求人票に出ている提示額の中央値20.5万円に対し、その内訳にある基本給は18.0万円でした。差は中央値2.5万円(95%信頼区間2.1〜3.0万円)で、基本給は提示額の中央値87%、最も低い求人では61%です。提示額と基本給が同額だった求人は127件中10件(8%)しかなく、61%にあたる78件は基本給が提示額の9割を切っていました。処遇改善手当・地域手当・資格手当が月給に組み込まれる形が保育士では標準になっています。
- 地域差は、提示額で見るか基本給で見るかで姿が変わります。提示額では首都圏24.5万円が突出し、2位の関西・東海21.5万円とは信頼区間が重なりません。ところが同じ求人の内訳にある基本給で並べ直すと、関西・東海19.5万円・首都圏19.0万円と順位が入れ替わります(この2つは信頼区間が重なるため、どちらが高いとは言えません)。提示額と基本給の差は首都圏が5.2万円(信頼区間3.8〜6.5万円)、北海道・東北が1.8万円(同1.4〜2.0万円)で、この差だけは信頼区間が重なりません。首都圏の求人が高く見えるのは、基本給が高いからではなく手当が厚いからです。
- 求人票に書かれている月給の幅は、これまで実査したどの職種よりも狭くなりました。上下限とも記載のある120件で、上限は下限の中央値1.17倍・幅は中央値3.6万円です。同じ方法で実査した事務が1.24倍・5.0万円、営業が1.40倍・10.0万円、施工管理が1.61倍・16.5万円だったのに対し、保育士は120件中78件(65%)が幅5万円未満、3件は上限と下限が同額でした。求人票の下限はほぼ入社時の実額と読んで差し支えない一方、示されている伸びしろも職種の中で最も小さいということです。
- 固定残業代が入っている求人は、保育士ではほとんど見当たりませんでした。150件のうち記載があったのは5件(3.3%)だけで、公的職業紹介から採った50件はすべて「固定残業代なし」が明示されていました。額まで判明した5件でも中央値2.6万円・想定時間数の中央値12時間で、30時間以上に設定された求人は1件もありません。事務では30時間以上の固定残業代が10件あったのと対照的です。裏を返すと、保育士の求人で固定残業代が設定されている場合はこの職種では例外的な設計なので、その時間数が何を想定したものかを確認する価値があります。
- 施設の種類で相場を語ることはできませんでした。全件をまとめると小規模保育22.5万円・認可保育所21.5万円・認定こども園20.0万円と差があるように見え、しかもこの順序は3媒体それぞれで計算しても同じです。しかし今回の実査では認定こども園は首都圏で0件、小規模保育は10件中4件が首都圏でした。首都圏を除いて比べ直すと認可保育所20.5万円・認定こども園20.0万円まで縮んで信頼区間が重なり、北海道・東北の中だけで比べると認定こども園のほうが高くなります。施設区分の差の大部分は、その区分の施設がどこに多いかの反映です。
この職種の求人票の読み方
保育士の求人票は、月給欄の数字がほぼ「手当込みの総額」です。実査から見えた、確認すべき順番は次の通りです。
- まず月給の内訳を探す。内訳が読めた127件では、基本給は提示額の中央値87%でした。61%の求人で基本給が提示額の9割を切り、22%(28件)は8割を切っています。最も差が大きい求人では、月給28.8万円に対し基本給17.5万円(11.3万円の開き)でした。賞与や退職金を基本給を基準に計算する園では、同じ月給でも年間で受け取る額が変わります。求人票に内訳が書かれていない場合、面接で「この月給のうち基本給はいくらですか」と聞くのは、保育士の求人では特に意味のある質問です。
- 「処遇改善手当を含む」の中身を確認する。今回の実査では、月給に処遇改善手当が含まれることを明記している求人が多数ありました。求人票の書き方だけでは、それが毎月定額で支払われるものか、金額が年度によって変わるものかまでは読み取れないことがあります。月給に組み込まれている以上は毎月支払われる想定と読めますが、支給の根拠と実績を確認しておくと入社後のずれを防げます。
- 地域をまたいで比べるときは、額面ではなく基本給で比べる。提示額では首都圏24.5万円・北海道東北18.5万円と6万円の差がありますが、内訳の基本給で見ると首都圏19.0万円・北海道東北16.5万円で差は2.5万円に縮みます。首都圏の高さのかなりの部分は地域手当・処遇改善手当です。加えて自治体によっては家賃補助(借上社宅)制度があり、これは月給欄には現れません。引っ越しを伴う転職を検討するなら、月給の額面より「基本給+住居にかかる実費」で見比べるほうが実態に近づきます。
- 下限は実額として読んでよく、上限には期待しすぎない。上下限とも書かれた120件で、上限は下限の中央値1.17倍・幅3.6万円。実査したどの職種よりも狭い数字です。「月給20万〜24万円」なら、入社時はほぼ20万円台前半だと考えて差し支えありません。同時に、求人票の時点で示されている昇給の幅も小さいので、昇給の実績額と賞与の支給月数、経験年数がどう反映されるかを別途確認する価値があります。求職者は給与レンジの下限だけを見て応募先を絞る傾向が強く、求人を出す側もそれを知って下限を設定しています。
- 施設の種類で相場を決めつけない。認可保育所・認定こども園・小規模保育の間に見える差は、その区分の施設がどの地域に多いかを映しているだけでした(首都圏を除くと認可保育所と認定こども園の差は0.5万円まで縮みます)。区分より、配置される子どもの人数、クラス担任を持つか、行事や書類作成の負担、開園時間と延長保育の担当体制のほうが働き方を左右します。求人票の業務内容欄と、定員・職員数の記載を突き合わせてください。
- 固定残業代が書かれていたら、その理由を聞く。保育士では固定残業代のある求人が150件中5件と例外的でした。額まで判明した5件でも想定時間数は中央値12時間で、30時間以上の求人はありません。もし応募先の求人票に長めの固定残業時間が設定されているなら、それが行事準備や書類作成のどの部分を想定したものかを確認しておくと、入社後の働き方の想像がつきます。
あわせて、年間休日数・持ち帰り仕事の有無・配置基準に対する実際の職員数・産休育休からの復帰実績を見ると、同じ月給でも働き方の差が判断できます。保育士は提示額の幅が狭く、月給欄だけでは求人同士の差がつきにくいぶん、この4点が実質的な比較軸になります。
この調査の限界(お読みください)
- 求人サイトの掲載順は有料掲載の影響を受けるため、完全な無作為抽出ではありません。1ページ目だけに偏らないよう複数サイト・複数ページ・都道府県別の検索から採取していますが、掲載されていない求人(非公開求人など)は含まれていません。専門求人サイトでは1ページ目の大半が同一運営法人の求人で埋まっている県があり(実査中に確認)、そのまま採ると「その法人の賃金表」を測ることになるため、運営法人が重複しない求人を選んでいます。
- 地域と媒体が交絡しないよう、5ブロックすべてで媒体構成を揃えて採取しました(各ブロックで3媒体を各10件)。今回は媒体による差がほとんどなく、3媒体の中央値は21.0万円・21.0万円・20.5万円で信頼区間もすべて重なりました。そのおかげで地域ブロックの順序(首都圏が最上位・北海道東北が最下位)は3媒体それぞれで別々に計算しても同じでしたが、他サイトの数字とそのまま比べられるという意味ではありません。
- 月給の内訳(基本給がいくらか)が読めたのは150件中127件(85%)で、これは同じ方法で実査した他職種より高い比率です(事務は44件、看護師は104件)。媒体別の内訳取得率は公的職業紹介が50件中50件、専門求人サイトが50件中41件と36件でした。対応比較127件はこの内訳が読めた求人です。副系列は主系列と独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳なので、2つの中央値の差はそのまま「同じ求人の中での差」として読めます。
- 「手当込みの総額提示」か「基本給のみの提示」かの判定基準は、実査を始める前に1文に固めて5ブロック全員に同じ文言で渡しました。公的職業紹介の求人票は給与欄の構造から機械的に総額提示になります(50件)。専門求人サイトは求人票の書きぶりに依存し、手当の扱いに言及がない20件は判別不能として集計から除外しています。「基本給のみの提示」と判定できたのは4件しかなく、この4件だけで副系列を作ると誤解を招くため、副系列には同じ求人の内訳にある基本給を採用しました。
- 同一企業・同一運営法人の重複や、同じ施設が複数の媒体に出ている重複は採取の時点で除外しています(実査中に確認できたものだけで、媒体をまたぐ重複2件、同一法人の連続掲載を複数)。採取後に「下限・上限・都道府県・施設区分」が一致する求人と、同一媒体で固定残業代の額と時間数まで一致する求人を機械的に照合しましたが、追加で削除された求人はありませんでした。ただし採取時点の除外判断には採取者の判断が入っています。
- 実査できたのは34都道府県で、全都道府県は網羅していません。宮城県1件・北海道2件・富山県2件・香川県2件のように件数が薄い県があり、北海道・東北ブロックは秋田・岩手・山形が中心(各6件)です。地域ブロック別の数字は各層20〜28件なので信頼区間が広く、首都圏と2位の差、および北海道・東北と上位2ブロックの差以外は信頼区間が重なります。中間3ブロックの順位は確定していません。
- 施設区分は媒体によって判定の根拠が違います。専門求人サイトは施設形態欄が明示されていますが、公的職業紹介の求人票には施設形態欄がなく、仕事内容・施設名・定員から判定しました。認可か認可外かが求人票に書かれていない求人が一定数あり、その場合は認可保育所に寄せています(3件)。認可・認可外の別で厳密に比較する用途には使えません。
- 施設区分の差は地域構成と切り離せていません。今回の実査では認定こども園は首都圏で0件、認可保育所は72件中20件が首都圏、小規模保育は10件中4件が首都圏でした。首都圏を除いて比べ直すと認可保育所と認定こども園の差は0.5万円まで縮み、信頼区間も重なります。北海道・東北の中だけで比べると認定こども園のほうが高くなります。
- 固定残業代の記載があったのは150件中5件だけで、層として比較できる件数ではありません。公的職業紹介の50件はすべて「固定残業代なし」が明示されていました。「記載がない=ない」と断定はできないため、実際の求人票では給与欄の但し書きを確認してください。
- 年収のみで示す求人、時給制・日給制の求人は月給が読み取れないため対象外です。パート・アルバイト・派遣・契約社員・会計年度任用職員は対象外で、一覧では正社員と見えても詳細で有期雇用と判明した求人は除外しています。保育士資格を必須としない保育補助の求人、児童指導員・看護師・栄養士・調理員の求人も除外しました。
- 月給下限のみを集計しています。賞与、処遇改善等加算にもとづく一時金、住宅借上げ制度の有無は含んでいないため、年収や手取りの比較にはそのまま使えません。保育士は自治体の家賃補助制度の有無で手元に残る額が変わりますが、それは求人票の月給欄には現れません。
実査方法: 複数の求人検索サイトで公開されている保育士の正社員求人150件(全国34都道府県・重複排除後)の月給表記を、地域5ブロックに分けて実査(2026-07-25時点)。地域と媒体が交絡しないよう全ブロックで媒体構成を揃えたうえで、給与表記を「手当込みの総額提示」と「基本給のみ提示」に分けて集計し、中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、5,000円単位に丸めています。
給与の数字だけでなく「職場のリアル」も確かめてから応募したい方へ。リクプルは働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています。
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