このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
月給下限の中央値22.4万円95%信頼区間 22.3万円〜22.5万円(n=6585)
求人の中央50%が収まる帯20.6万円〜24.5万円上下25%ずつを除いた「よくある帯」
現実的な期待値の目安24.7万円各求人のレンジ中央の中央値
この数字が指しているもの
上の数字は求人票に出ている提示額(基本給+定額的に支払われる手当+固定残業代)の求人だけを集計した値です(求職者が最初に目にする金額。保育士の求人では処遇改善手当・地域手当・資格手当が月給に組み込まれます)。 同じ職種でもその内訳にある基本給で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は18.8万円(n=6585・同じ6,585件の求人票から内訳(a欄)を取り出したもの。提示額とは別の量なので、混ぜずに並べて見ます)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。
提示額と基本給の対応比較(6,585件すべて・同じ求人どうし)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 求人票に出ている提示額(手当・固定残業代込み) | 6585件 | 22.4万円 |
| その内訳にある基本給 | 6585件 | 18.8万円 |
地域ブロック別・提示額(月給下限)※媒体は全ブロック同一。甲信越・北陸・北関東と中国・四国・九州・沖縄の差は信頼区間が0をまたぎます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 1939件 | 24.7万円 |
| 関西・東海 | 1597件 | 22.5万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 597件 | 21.3万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1792件 | 21.2万円 |
| 北海道・東北 | 660件 | 20.4万円 |
同じ求人の基本給で並べ直した地域ブロック別(月給下限)※差は4.3万円から1.8万円に縮みます。中国・四国・九州・沖縄と北海道・東北は同値です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 1939件 | 19.8万円 |
| 関西・東海 | 1597件 | 19.4万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 597件 | 18.5万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1792件 | 18万円 |
| 北海道・東北 | 660件 | 18万円 |
月給に含まれている手当の額(提示額-基本給)・地域ブロック別| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 1939件 | 5万円 |
| 関西・東海 | 1597件 | 3万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1792件 | 2.9万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 597件 | 2.3万円 |
| 北海道・東北 | 660件 | 2.2万円 |
施設区分を認可保育所に揃えた地域ブロック別・基本給(月給下限)※首都圏と関西・東海は同値で、差の信頼区間も0をまたぎます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 1296件 | 19.5万円 |
| 関西・東海 | 658件 | 19.5万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 670件 | 18.5万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 213件 | 18.5万円 |
| 北海道・東北 | 257件 | 17.7万円 |
施設区分別・提示額(月給下限)※認可保育所が1.0万円高く見えますが、認可保育所の求人の42%が首都圏にあるためで、地域ブロックの中では順位が入れ替わります(本文参照)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 認可保育所(保育所・保育園) | 3094件 | 23万円 |
| 学童・放課後児童クラブ | 59件 | 23万円 |
| 乳児院・児童養護施設 | 129件 | 22.3万円 |
| 幼稚園 | 308件 | 22.1万円 |
| 児童発達支援・放課後等デイ | 1747件 | 22万円 |
| 小規模・事業所内・院内保育 | 738件 | 22万円 |
| 認定こども園 | 333件 | 22万円 |
| その他・区分不明 | 177件 | 22万円 |
同じ求人の基本給で並べ直した施設区分別(月給下限)※提示額の順序とは入れ替わります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| その他・区分不明 | 177件 | 19.3万円 |
| 乳児院・児童養護施設 | 129件 | 19.3万円 |
| 認可保育所(保育所・保育園) | 3094件 | 19万円 |
| 幼稚園 | 308件 | 19万円 |
| 学童・放課後児童クラブ | 59件 | 18.9万円 |
| 小規模・事業所内・院内保育 | 738件 | 18.5万円 |
| 認定こども園 | 333件 | 18.5万円 |
| 児童発達支援・放課後等デイ | 1747件 | 18.3万円 |
処遇改善系の手当が月給(定額手当欄)に組み込まれているか別※提示額は同じで、基本給だけが下がります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 処遇改善系の手当が月給に入っている・提示額 | 3551件 | 22.4万円 |
| 入っていない・提示額 | 3034件 | 22.5万円 |
| 処遇改善系の手当が月給に入っている・基本給 | 3551件 | 18.2万円 |
| 入っていない・基本給 | 3034件 | 19.5万円 |
固定残業代の有無別(820件=12.5%に記載あり)※提示額では差が出て、基本給では消えます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 固定残業代あり・提示額 | 820件 | 24万円 |
| 固定残業代なし・提示額 | 5765件 | 22.1万円 |
| 固定残業代あり・基本給 | 820件 | 18.5万円 |
| 固定残業代なし・基本給 | 5765件 | 18.9万円 |
運営法人の種類別(事業所名から機械判定)・提示額と、同じ求人の基本給※提示額はほぼ同じで、賞与の月数が違います(本文参照)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 社会福祉法人・提示額 | 2101件 | 22.6万円 |
| 株式会社など営利法人・提示額 | 2500件 | 23万円 |
| 学校法人・提示額 | 243件 | 22.2万円 |
| NPO法人・提示額 | 225件 | 21.6万円 |
| 医療法人・提示額 | 212件 | 20.7万円 |
| 社団・財団・協同組合など・提示額 | 227件 | 21.5万円 |
| 事業所名非公開・提示額 | 870件 | 22.5万円 |
| 社会福祉法人・基本給 | 2101件 | 18.9万円 |
| 株式会社など営利法人・基本給 | 2500件 | 19万円 |
| 学校法人・基本給 | 243件 | 19.1万円 |
| NPO法人・基本給 | 225件 | 19万円 |
| 医療法人・基本給 | 212件 | 17.5万円 |
| 社団・財団・協同組合など・基本給 | 227件 | 18.5万円 |
| 事業所名非公開・基本給 | 870件 | 18.6万円 |
必要な経験別・基本給(月給下限)※施設区分を認可保育所に揃えても差は残りますが、地域ブロックの中ではっきり離れるのは首都圏と関西・東海だけです| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 経験が必須 | 724件 | 19.4万円 |
| 経験はあれば尚可 | 1986件 | 18.7万円 |
| 経験不問(未経験可) | 3875件 | 18.7万円 |
年間休日別・提示額(月給下限)※地域を揃えると向きが逆になります(caveats 参照)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 120日以上 | 3173件 | 22.7万円 |
| 105〜119日 | 3199件 | 22.2万円 |
| 105日未満 | 213件 | 21.8万円 |
実査で見えたこと
- 保育士の求人に出ている月給は、その大半が基本給ではありません。6,585件すべてで内訳が読めたため、同じ求人の中で直接比べられます。提示額の中央値22.4万円(95%信頼区間22.3〜22.5万円)に対し、その内訳にある基本給は18.8万円(同18.7〜19.0万円)。同じ求人どうしの差は中央値3.2万円(同3.1〜3.3万円)で、基本給は提示額の中央値85.4%です。提示額と基本給が同額だったのは6,585件中718件(10.9%)だけで、64.9%にあたる4,275件は基本給が提示額の9割を切り、2,174件(33.0%)は8割を、788件(12.0%)は7割も切っていました。最も差が大きい求人は提示30.0万円に対し基本給8.5万円(比率28%)です。前回(2026-09-25・N=7,247)は提示額22.3万円・基本給18.5万円・比率85.4%・7割未満12.1%で、比率も分布の形もそのままです。基本給の中央値が0.3万円動いたのは名寄せ規則の再実装によるもので(名寄せ前の全件では18.6万円。caveats 参照)、相場の変化とは読めません。処遇改善手当・地域手当・資格手当を月給に組み込む書き方が、保育士では標準になっています。
- 地域差は、提示額で見るか基本給で見るかで大きさが変わります。提示額では首都圏24.7万円・関西東海22.5万円・甲信越北陸北関東21.3万円・中国四国九州沖縄21.2万円・北海道東北20.4万円と4.3万円の幅があります(甲信越・北陸・北関東と中国・四国・九州・沖縄の差0.15万円は信頼区間が0をまたぎ、それ以外の隣接する順位は信頼区間が離れています)。ところが同じ求人の内訳にある基本給で並べ直すと19.8万円・19.4万円・18.5万円・18.0万円・18.0万円となり、幅は1.8万円まで縮みます(中国・四国・九州・沖縄と北海道・東北は同値)。月給に含まれる手当の額は首都圏が中央値5.0万円、北海道・東北が2.2万円。基本給が提示額に占める比率も首都圏79.8%が5ブロックで最も低く、甲信越・北陸・北関東は89.4%です。さらに施設区分を認可保育所に揃えて基本給を比べ直すと、首都圏19.5万円(n=1,296)と関西・東海19.5万円(n=658)は同値で、差の信頼区間は−0.3〜+0.4万円と0をまたぎます。基本給で首都圏が1位だとは言えません。この結論は3回続けて同じです。首都圏の求人が高く見える理由の大半は、基本給の高さではなく手当の厚さです。
- 処遇改善手当を月給に組み込む書き方は、提示額を上げているのではなく基本給を下げています。定額手当欄に処遇改善系の手当が載っていた求人は3,551件(53.9%)でした。この求人の提示額は22.4万円、載っていない3,034件は22.5万円で、差の信頼区間は−0.2〜+0.2万円と0をまたぎます。ところが基本給で比べると18.2万円対19.5万円で、差1.3万円・信頼区間−1.4〜−1.0万円と明確に離れます(前回は1.2万円)。月給に含まれる手当の額も3.7万円対2.3万円です。この向きは5つの地域ブロックすべてで再現しました(差−0.7〜−1.2万円、いずれも信頼区間が0より下)。ただし施設区分の中で見ると大きさが違い、児童発達支援・放課後等デイでは差2.5万円(信頼区間−2.6〜−2.0万円)と最も大きく、認定こども園1.3万円・小規模保育1.2万円・幼稚園1.0万円と続くのに対し、認可保育所では0.3万円(同−0.7〜0.0万円)で、ほとんど差がありません。認可保育所では処遇改善手当を月給に含めるかどうかで基本給の組み立てが変わっていないのに、放課後等デイでは「処遇改善手当を含む求人は基本給が2.5万円薄い」という構造です。固定残業代も提示額だけを動かします。提示額では固定残業代あり24.0万円・なし22.1万円(差1.9万円・信頼区間1.6〜2.0万円)ですが、基本給では18.5万円対18.9万円(差−0.4万円・信頼区間−0.6〜+0.1万円)で消えます。施設区分の中では向きが割れ、小規模・事業所内・院内保育では固定残業代のある求人のほうが基本給が1.8万円高く(信頼区間1.0〜2.8万円)、認可保育所・幼稚園では1.0万円低い(いずれも信頼区間が0より下)。前回「放課後等デイでも高い」と書きましたが、今回は差0.5万円・信頼区間−0.2〜+1.0万円で確定しません。
- 施設の種類で提示額の相場は決まりません。全国の集計では認可保育所23.0万円が、認定こども園・小規模保育・児童発達支援・放課後等デイの22.0万円より1.0万円高く、差の信頼区間も0より上です(認可保育所対放課後等デイで0.85〜1.2万円)。しかしこれは地域構成の反映です。認可保育所の求人は41.9%が首都圏にあり、放課後等デイは13.9%しかありません。ブロックの中で認可保育所と放課後等デイを比べると、首都圏では放課後等デイ25.0万円が認可保育所24.7万円を上回り(差−0.3万円、信頼区間−1.3〜−0.01万円)、関西・東海23.0万円対22.7万円、甲信越・北陸・北関東21.5万円対21.2万円でも放課後等デイが上、中国・四国・九州・沖縄21.0万円対21.3万円で認可保育所が上、北海道・東北は同値で、首都圏以外の4ブロックは差の信頼区間が0をまたぎます。首都圏を除いて比べ直すと認可保育所21.8万円対放課後等デイ21.5万円で、差は0.3万円(信頼区間0.01〜0.5万円)まで縮みます。基本給ではさらに向きが地域で逆転し、首都圏では放課後等デイ21.0万円が認可保育所19.5万円より1.5万円高く、中国・四国・九州・沖縄では認可保育所18.5万円が放課後等デイ17.5万円より1.0万円高い(いずれも信頼区間が0をまたがない)。一方、求人票に書かれた賞与の月数は区分で明確に違いました。乳児院・児童養護施設4.5か月(記載率99%)・認定こども園4.0か月(92%)・幼稚園3.6か月(91%)・認可保育所3.5か月(87%)に対し、小規模保育は2.5か月(75%)・児童発達支援・放課後等デイは2.3か月(記載率58%)です。認可保育所と放課後等デイの差は5つの地域ブロックすべてで再現し(0.7〜1.6か月、いずれも信頼区間が0より上)、前回とまったく同じ結論です。月給の提示額がほぼ同じでも年間に受け取る額は開きます。
- 同じ認可保育所でも、運営する法人の種類で賞与の月数が違います。認可保育所の求人のうち株式会社など営利法人が運営する園は995件、社会福祉法人の園は1,403件で、提示額はそれぞれ23.0万円と23.1万円(差の信頼区間−0.2〜+0.3万円)、基本給は18.7万円と19.2万円(差−0.5万円、信頼区間−0.7〜−0.02万円)とほぼ同じです。ところが求人票に書かれた賞与の月数は株式会社2.3か月・社会福祉法人4.0か月で、差1.7か月(信頼区間1.5〜2.0か月)。賞与月数を書いている求人の比率も72.7%対94.7%です。この差は5つの地域ブロックすべてで再現しました(1.4〜2.05か月、いずれも信頼区間が0より上)。提示額のほうは地域で向きが割れ、首都圏では株式会社25.2万円が社会福祉法人24.4万円より0.8万円高い(信頼区間0.5〜1.2万円)のに、中国・四国・九州・沖縄では株式会社20.8万円対社会福祉法人22.0万円で1.2万円低い(同−2.0〜−0.7万円)。賞与月数の記載がある求人だけで年収を機械的に換算(提示額×12+基本給×賞与月数)すると、社会福祉法人353万円・株式会社331万円で差22万円(信頼区間17〜27万円)。月給の提示額ではほぼ見えない差が、年収の目安では開きます。ほかに株式会社の園は固定残業代のある比率が15.3%(社会福祉法人3.9%)と高く、年間休日の中央値は121日(同116日)と多い。放課後等デイでも構造は同じで、株式会社1,023件は提示額22.5万円で社会福祉法人217件の21.1万円より1.4万円高い(信頼区間0.7〜1.7万円)のに、賞与月数は2.0か月対3.8か月、記載率は48.4%対92.6%です。なお医療法人の求人212件(半数が院内保育)は提示額20.7万円・基本給17.5万円で全体より1.8万円低く、小規模・事業所内・院内保育の中でも株式会社の23.0万円より2.7万円低い(信頼区間−3.4〜−2.0万円)水準でした。
この職種の求人票の読み方
保育士の求人票は、月給欄の数字がほぼ「手当込みの総額」です。今回も6,585件すべてで内訳まで読めたので、確認すべき順番は前回と変わりません。新しく分かったのは、運営法人の種類で賞与の月数が大きく違うことです。
- まず月給の内訳を探す。基本給は提示額の中央値85.4%でした。64.9%の求人で基本給が提示額の9割を切り、33.0%は8割を、12.0%は7割も切っています。最も差が大きい求人では提示30.0万円に対し基本給8.5万円でした。賞与や退職金を基本給を基準に計算する園では、同じ月給でも年間で受け取る額が変わります。求人票に内訳が書かれていない場合、「この月給のうち基本給はいくらですか」と確認するのは、保育士の求人では特に意味のある質問です。
- 「処遇改善手当を含む」と書かれていたら、基本給を必ず聞く。処遇改善系の手当が月給に組み込まれていた求人は3,551件(53.9%)。この求人の提示額は22.4万円で、組み込まれていない求人の22.5万円と差がありません。ところが基本給は18.2万円対19.5万円で1.3万円低くなります。特に児童発達支援・放課後等デイでは差が2.5万円と大きく、認可保育所では0.3万円とほとんどありません。つまり「処遇改善手当を含めて22万円」と「基本給ベースで22万円」は、同じ提示額でも中身が違います。処遇改善手当が毎月定額で支払われるものか、年度によって変わるものかは求人票だけでは読み取れないことがあるため、支給の根拠と過去の実績を確認しておくと、入社後のずれを防げます。
- 運営法人の種類を見て、賞与の月数を聞く。同じ認可保育所でも、株式会社が運営する園の求人票に書かれた賞与は中央値2.3か月、社会福祉法人の園は4.0か月でした。提示額は23.0万円対23.1万円でほぼ同じなので、月給だけを並べると差が見えません。賞与月数の記載がある求人で年収を機械的に換算すると、社会福祉法人353万円・株式会社331万円で22万円の差です。この差は5つの地域ブロックすべてで同じ向きでした。一方で株式会社の園は年間休日の中央値が121日(社会福祉法人116日)と多く、固定残業代のある比率も15.3%(同3.9%)と高い。「月給が同じなら中身は同じ」とは考えず、賞与の月数と過去の支給実績、年間休日、固定残業代の有無を法人の種類ごとに確認してください。なお、求人票の賞与月数は「前年度実績」として書かれたもので、保証額ではありません。
- 地域をまたいで比べるときは、額面ではなく基本給で比べる。提示額では首都圏24.7万円・北海道東北20.4万円と4.3万円の差がありますが、内訳の基本給では19.8万円・18.0万円で差は1.8万円です。月給に含まれる手当の額は首都圏が中央値5.0万円、北海道・東北が2.2万円。首都圏の高さのかなりの部分は地域手当・処遇改善手当です。施設区分を認可保育所に揃えると、首都圏と関西・東海の基本給は19.5万円で同値でした。引っ越しを伴う転職なら、月給の額面より「基本給+住居にかかる実費」で見比べるほうが実態に近づきます。住宅手当・借上社宅は月給欄に現れないので、記載があれば金額と条件を別に確認してください。
- 固定残業代が書かれていたら、提示額から差し引いて考える。固定残業代のある求人は提示額が24.0万円と、ない求人の22.1万円より高く出ます。ところが基本給を比べると18.5万円対18.9万円で差がありません。高く見える分はほぼ固定残業代です。該当したのは820件(12.5%)で、金額の中央値は1.9万円、時間数が判明した818件の中央値は10時間、上位25%が15時間以上、40時間以上は2件、最長45時間。もし応募先に長めの固定残業時間が設定されているなら、それが行事準備や書類作成のどの部分を想定したものかを確認しておくと、入社後の働き方の想像がつきます。
- 施設の種類で月給を決めつけない。全国の集計では認可保育所の提示額23.0万円が他の区分の22.0万円より高く見えますが、認可保育所の求人の42%が首都圏にあるためで、首都圏の中では児童発達支援・放課後等デイ25.0万円が認可保育所24.7万円を上回ります。首都圏を除くと差は0.3万円です。一方で賞与の月数は区分ではっきり違い、乳児院・児童養護施設4.5か月、認定こども園4.0か月、幼稚園3.6か月、認可保育所3.5か月に対し、小規模・事業所内・院内保育は2.5か月、放課後等デイは2.3か月でした。放課後等デイは賞与月数の記載そのものが58%の求人にしかありません(認可保育所は87%)。また放課後等デイの求人は72.9%が普通自動車運転免許を必須にしており(認可保育所は4.4%)、送迎が業務に含まれることが多い。月給がほぼ同じ2件で迷ったら、賞与の月数と過去の支給実績、送迎の有無を聞くほうが差が出ます。
- 「経験者優遇」は基本給で確認する。基本給では経験必須19.4万円・経験不問18.7万円で、施設区分を認可保育所に揃えても20.0万円対18.9万円(差の信頼区間0.3〜1.5万円)でした。ただし地域ブロックの中で信頼区間がはっきり離れるのは首都圏(差1.5万円)と関西・東海(0.9万円)だけです。提示額のほうは、ブロックの中では経験必須と経験不問の高低が入れ替わります。面接では提示額ではなく「経験年数が基本給にどう反映されるか」「昇給の実績額」を確認する価値があります。
- 年間休日の数と月給を結びつけない。全国では休日120日以上の求人のほうが月給が高く見えますが、これは休日の多い求人が首都圏に集中している(首都圏の70.7%が120日以上、中国・四国・九州・沖縄は30.4%)ことの反映です。同じ地域の中では105〜119日の求人のほうがわずかに高く、地域と施設区分を同時に揃えてもその向きが残りました。差は0.3〜0.8万円と小さく、基本給ではほぼ消えます。休日は月給とのトレードオフではなく、独立して確認する条件だと考えてください(今回の中央値は118日、四分位は110〜122日、最小60日・最大180日)。
- 下限は実額として読んでよく、上限には期待しすぎない。今回も6,585件すべてで上限まで記載がありました。上限は下限の中央値1.17倍・幅3.8万円(四分位は1.5万〜6.5万円)で、782件(11.9%)は上下限が同額です。「月給22万〜26万円」なら、入社時はほぼ22万円台前半だと考えて差し支えありません。
あわせて、持ち帰り仕事の有無・配置基準に対する実際の職員数・産休育休からの復帰実績を見ると、同じ月給でも働き方の差が判断できます。普通自動車運転免許が必須の求人は1,635件(24.8%)あり、放課後等デイと乳児院・児童養護施設に集中しています。送迎や行事の車出しが業務に入っているかは確認しておくとよいでしょう。
この調査の限界(お読みください)
- 媒体は公的職業紹介1つに固定しています(規約 R9)。地域比較・施設区分比較・運営法人の比較はすべてこの1媒体の中での比較で、媒体の違いと地域の違いが混ざることはありません。ただし数字は「この媒体にこの時点で載っていた求人」についてのもので、民間の求人サイトを含めた保育士の求人全体を代表するものではありません。この媒体は社会福祉法人・自治体系の施設の比率が高いと考えられ、公立保育所の公務員求人はほとんど載りません(公立・公的と判定できたのは22件)。求人の受付年月日は最も古いものが2026-08-01、中央が2026-09-10、最新が2026-10-19でした。
- 47都道府県の検索結果を最後のページまで巡回して10,329件の一覧を作り、求人番号で重複を除いた10,324件の求人票を、系統抽出をせず全件取得しました(取得失敗0件)。1ページ目だけを見る便宜標本ではありません(規約 R6)。前回(2026-09-25)の一覧10,577件より248件少なく、採用件数の減少(7,247件→6,585件)の一部は掲載数そのものの減少です。
- 重複排除(規約 R7)は2本の署名で行いました。①事業所+提示額+基本給+定額手当+産業分類で3,409件、②提示額+上限+都道府県+産業分類+職種名で97件を落とし、10,091件から6,585件を採用しています。①の署名は6,682種で、2件以上が同じ署名だったものが1,017種(最大で1署名に87件)ありました。同一法人が同一給与で多数の園の求人を出すケースを潰すためですが、給与も手当も産業分類も完全に一致する別事業所の求人が巻き込まれている可能性は残ります。署名のうち149種は複数の都道府県にまたがっており、その分だけ県別の件数は先に処理された県に寄っています。規約の文面どおり「下限・上限・都道府県・区分」の1本の署名で判定すると3,555件が重複になりますが、それでは別法人の求人まで巻き込むため採っていません。名寄せの強さで見出しは少し動きます。名寄せ前の10,091件では提示額23.0万円・基本給18.6万円、都道府県の中だけで名寄せした6,911件では22.5万円・18.7万円、採用した6,585件では22.4万円・18.8万円です。前回は10,348件から7,247件(30%減)、今回は35%減と名寄せで落ちた比率が高く、基本給の中央値が前回より0.3万円高いこと(信頼区間は重なりません)は、相場の上昇ではなく名寄せ規則の再実装と掲載構成の差として留保しています。受付月別では8月受理19.0万円・9月受理18.8万円・10月受理18.7万円と、新しい求人ほど基本給が低く、新しい求人が押し上げた形ではありません。
- 除外したのは、正社員・月給制・フルタイム以外が71件(年俸制42件・時給21件・日給2件・その他2件・短時間正社員4件)、職種が一致しないものが162件です。職種の除外は、①園長・副園長・施設長・管理者・教室長・児童発達支援管理責任者などの管理職グレード54件(「候補」は残しています)、②保育以外の職種(調理員・栄養士・看護師・事務・歯科助手・送迎ドライバー・セラピスト・心理士・介護職等)が併記され、提示された月給がどちらのものか決まらない求人94件、③職種名に保育の語がなく免許欄でも保育職と判定できないもの13件、④「保育補助」だけの求人1件です。主任・リーダー・主幹は残しました。派遣は除外しましたが、請負(院内保育・事業所内保育の運営受託。195件=3.0%)は前回と同じく残しています。
- 施設区分は、職種名 → 就業場所に書かれた施設名 → 産業分類 → 事業所名 → 事業内容 → 仕事内容、の順に機械判定しています。職種名だけで区分が決まったのは2,417件(36.7%)で、177件(2.7%)は最後まで区分不明でした(産業分類の内訳は児童福祉事業100件・病院16件・障害者福祉事業11件・老人福祉介護事業10件・歯科診療所10件など)。前回と違い、事業内容・仕事内容のような長い自由文は「最初に現れた施設の語」で判定しているため、区分別の件数の増減(放課後等デイ1,704件→1,747件、小規模保育854件→738件など)は相場の変化と読まないでください。職種名だけで決まった求人に限って集計し直すと、提示額は認可保育所23.3万円(1,115件)・小規模保育23.0万円(383件)・放課後等デイ22.4万円(543件)・幼稚園22.1万円・認定こども園22.0万円で、前回書いた「小規模保育が下位」の並びはこの絞り方では再現しません。区分別の数字は判定方法に依存します。
- 施設区分の提示額の差は、地域構成の差を含みます。認可保育所の求人は41.9%が首都圏にあり、放課後等デイは13.9%、認定こども園は10.5%です。首都圏の提示額が他のブロックより2.2万円以上高いため、首都圏比率の高い区分が全国集計で上位に出ます。本文の finding ではブロックの中で比べ直した結果を書いています。
- 資格要件は求人票の免許・資格欄から機械判定しました。「保育士資格が必須」が6,329件、「あれば尚可」が165件(2.5%)、保育士以外の資格で応募できると読めるものが29件、資格欄が空欄で判定できないものが62件です。「あれば尚可」は層が薄いため参考値として扱ってください。提示額では資格必須が1.5万円高く出ます(信頼区間0.9〜2.0万円)が、基本給では18.75万円対18.8万円で差の信頼区間が0をまたぎます。
- 処遇改善系の手当(処遇改善手当・処遇改善1〜3手当・処遇改善加算手当・ベースアップ手当・給与改善手当)、固定残業代、住宅手当・借上社宅の有無は、定額手当欄とその他手当の付記事項から機械判定しています。住宅手当・借上社宅の記載があったのは1,858件(28.2%)ですが、前回(672件=9.3%)より判定範囲を広げているため比較できません。前回「住宅手当・借上社宅の記載は首都圏20%・他のブロック3〜7%」と書いた地域差は、今回の判定範囲では首都圏33.7%・北海道東北33.3%・中国四国九州沖縄27.2%・甲信越北陸北関東23.1%・関西東海22.5%と首都圏に偏る形にならず、撤回します。
- 運営法人の種類は事業所名の法人格(社会福祉法人・株式会社など営利法人・学校法人・NPO法人・医療法人・社団財団協同組合・宗教法人・公立公的)から機械判定しました。事業所名が非公開の求人870件(13.2%)は「事業所名非公開」としてまとめています。「株式会社など営利法人」には有限会社・合同会社を含みます。法人格と施設区分は強く結びついており(認可保育所の45%が社会福祉法人・32%が株式会社、放課後等デイの59%が株式会社)、本文の finding では施設区分を揃えて比べています。
- 分位点と中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回・乱数の種を固定・mulberry32)で算出し、信頼区間が支持する精度に合わせて1,000円単位に丸めています。種を5通り変えても提示額の信頼区間は22.31〜22.50万円で動きませんでした。N=6,585のため中央値の信頼区間は±0.1万円程度と狭いですが、これは「この媒体のこの期間の掲載求人」についての精度であって、保育士の賃金全体の精度ではありません。
- 比べているのは月給の下限だけです。年収の比較はできません。賞与について求人票に月数の記載があったのは5,171件(78.5%)で、中央値は3.0か月・四分位は2.0〜4.1か月でしたが、これは求人票に書かれた月数であって支給実績ではありません。本文に書いた年収換算(提示額×12+基本給×賞与月数)は、賞与月数の記載がある求人だけで機械的に計算した参考値です。処遇改善等加算の一時金、自治体の借上社宅・家賃補助は月給欄に現れないため、月給が同じでも年間に受け取る額は変わります。
- 年間休日と月給の関係は前回と同じ向きで再現しましたが、finding には採っていません。全国では120日以上の求人(3,173件)が105〜119日(3,199件)より提示額で0.5万円高い(信頼区間0.25〜0.75万円)のに、5つの地域ブロックの中ではすべて105〜119日のほうが高く(差−0.3〜−0.8万円。信頼区間が0をまたがないのは4ブロック)、施設区分を認可保育所に揃えてもブロックの中では5つすべて同じ向きでした(信頼区間が0をまたがないのは3ブロック)。原因は年間休日120日以上の求人が首都圏に集中していること(首都圏の70.7%、中国・四国・九州・沖縄は30.4%)で、基本給で比べると差は0.2万円・信頼区間−0.03〜0.5万円と消えます。年間休日の中央値は118日、四分位は110〜122日、最小60日・最大180日でした。早番・遅番の判定(就業時間1〜3欄で終業19時以降を遅番、始業7時15分以前を早番。1,491件=22.6%は時刻欄がなく判定不能)も同様で、遅番ありは提示額が1.3万円高いものの、地域と施設区分を同時に揃えると信頼区間が0より上に残るのは首都圏と中国・四国・九州・沖縄だけです。
- 採用した6,585件から seed を固定して無作為に250件(47都道府県各1件+固定残業代あり3件+乱数200件)を抜き取り、採取キャッシュを一切参照せず新しい通信で求人票を取り直して、提示額・上限・基本給・雇用形態・賃金形態・固定残業代の有無・年間休日・経験要件・産業分類・就業場所の都道府県・職種名の11項目を機械照合しました(一致250件・不一致0件・掲載終了0件・取得失敗0件)。
実査方法: 媒体を公的職業紹介1つに固定し、公開されている保育士の正社員求人6,585件(全国47都道府県・重複排除後)の月給表記を、地域5ブロックに分けて実査(2026-10-20時点)。47都道府県の検索結果を最後のページまで巡回して求人10,329件の一覧を作成し、系統抽出をせず求人番号で重複を除いた10,324件の求人票を全件取得(取得失敗0件)したうえで、正社員・月給制・フルタイム・保育の職種に絞り込んだ。給与表記は『手当込みの総額提示』と『基本給のみ提示』に分けて集計しており、求人票の「基本給+定額的に支払われる手当+固定残業代」の月額下限を提示額、同じ求人票の「基本給」の月額下限をその内訳として、全件を1つのパーサで処理している(判定基準の統一を指示書ではなくコードの構造で担保。内訳の取得率は6,585/6,585件)。重複排除は事業所・提示額・基本給・定額手当・産業分類の署名と、提示額・上限・都道府県・産業分類・職種名の署名の2本で行い、名寄せ後に事業所名は破棄した。採取後に seed を固定して250件を無作為抽出し、採取キャッシュを参照せず新しい通信から求人票を取り直して金額・就業場所・雇用形態・賃金形態・職種名・経験要件・固定残業代の有無・年間休日・産業分類を機械照合した(不一致0件)。中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、1,000円単位に丸めています。
給与の数字だけでなく「職場のリアル」も確かめてから応募したい方へ。リクプルは働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています。
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