このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
月給下限の中央値23.5万円95%信頼区間 23.5万円〜23.6万円(n=20955)
求人の中央50%が収まる帯21.3万円〜26.1万円上下25%ずつを除いた「よくある帯」
現実的な期待値の目安26.5万円各求人のレンジ中央の中央値
この数字が指しているもの
上の数字は求人票に出ている提示額(基本給+定額的に支払われる手当+固定残業代)の求人だけを集計した値です(求職者が最初に目にする金額。看護師の求人では資格手当・処遇改善手当が月給に組み込まれます)。 同じ職種でもその内訳にある基本給で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は20万円(n=20955・同じ20,955件の求人票から内訳(a欄)を取り出したもの。提示額とは別の量なので、混ぜずに並べて見ます)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。
提示額と基本給の対応比較(20,955件すべて・同じ求人どうし)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 求人票に出ている提示額(手当・固定残業代込み) | 20955件 | 23.5万円 |
| その内訳にある基本給 | 20955件 | 20万円 |
施設区分別・提示額(月給下限)※訪問看護と病院の差は他の条件を揃えても残ります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 訪問看護 | 2632件 | 26.1万円 |
| 介護施設(特養・老健・有料老人ホーム等) | 6220件 | 24万円 |
| 障害者・児童福祉施設 | 910件 | 24万円 |
| その他(保育所・学校・企業内ほか) | 104件 | 23.4万円 |
| クリニック・診療所 | 3519件 | 23.1万円 |
| 病院 | 7570件 | 22.8万円 |
同じ求人の基本給で並べ直した施設区分別(月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 訪問看護 | 2632件 | 21.3万円 |
| 介護施設(特養・老健・有料老人ホーム等) | 6220件 | 20万円 |
| クリニック・診療所 | 3519件 | 20万円 |
| 障害者・児童福祉施設 | 910件 | 20万円 |
| その他(保育所・学校・企業内ほか) | 104件 | 19.9万円 |
| 病院 | 7570件 | 19.2万円 |
定額手当の有無別(固定残業代がない19,462件の中で・提示額と、同じ求人の基本給)※提示額は動かず基本給だけ下がります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 提示額=基本給(手当の上乗せなし)/提示額 | 2424件 | 23.6万円 |
| 定額手当が乗っている/提示額 | 17038件 | 23.3万円 |
| 提示額=基本給(手当の上乗せなし)/その内訳の基本給 | 2424件 | 23.6万円 |
| 定額手当が乗っている/その内訳の基本給 | 17038件 | 19.5万円 |
資格要件別・提示額(月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 看護師(正看護師)必須 | 10739件 | 24.6万円 |
| 看護師・准看護師のいずれかで応募可 | 7421件 | 23万円 |
| 准看護師のみ必須 | 2795件 | 20.8万円 |
同じ求人の基本給で並べ直した資格要件別(月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 看護師(正看護師)必須 | 10739件 | 20.5万円 |
| 看護師・准看護師のいずれかで応募可 | 7421件 | 19.7万円 |
| 准看護師のみ必須 | 2795件 | 17.7万円 |
資格要件別・レンジの上限額(月給上限)※「いずれかで応募可」の上限は正看護師必須に近い位置にあります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 看護師(正看護師)必須 | 10739件 | 30.4万円 |
| 看護師・准看護師のいずれかで応募可 | 7421件 | 28.8万円 |
| 准看護師のみ必須 | 2795件 | 25.6万円 |
地域ブロック別・提示額(月給下限)※媒体は全ブロック同一| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 3249件 | 27万円 |
| 関西・東海 | 4943件 | 25.1万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 2322件 | 23.3万円 |
| 北海道・東北 | 2684件 | 22.3万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 7757件 | 22万円 |
同じ求人の基本給で並べ直した地域ブロック別(月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 3249件 | 21.8万円 |
| 関西・東海 | 4943件 | 20.6万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 2322件 | 20万円 |
| 北海道・東北 | 2684件 | 19.5万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 7757件 | 18.9万円 |
夜勤の有無別(月給下限)※夜勤ありのほうが低く出ます。理由は下の findings と読み方ガイドに書いています| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 夜勤なし/提示額 | 12368件 | 24.1万円 |
| 夜勤あり/提示額 | 8587件 | 22.8万円 |
| 夜勤なし/その内訳の基本給 | 12368件 | 20.1万円 |
| 夜勤あり/その内訳の基本給 | 8587件 | 19.2万円 |
固定残業代の有無別(提示額と、同じ求人の基本給)※提示額だけが上がり基本給は動きません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 固定残業代あり/提示額 | 1493件 | 28万円 |
| 固定残業代あり/その内訳の基本給 | 1493件 | 20万円 |
| 固定残業代なし/提示額 | 19462件 | 23.3万円 |
| 固定残業代なし/その内訳の基本給 | 19462件 | 20万円 |
経験要件別(求人票の「必要な経験等」欄・提示額と、同じ求人の基本給)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 経験必須/提示額 | 3634件 | 25万円 |
| あれば尚可/提示額 | 4627件 | 23.7万円 |
| 経験不問/提示額 | 12694件 | 23.1万円 |
| 経験必須/その内訳の基本給 | 3634件 | 20.9万円 |
| あれば尚可/その内訳の基本給 | 4627件 | 20万円 |
| 経験不問/その内訳の基本給 | 12694件 | 19.5万円 |
オンコール・待機の記載別・提示額(月給下限)※差の正体は施設構成です(findings 参照)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| オンコール・待機の記載あり | 4383件 | 25万円 |
| オンコール・待機の記載なし | 16572件 | 23.2万円 |
年間休日別・提示額(月給下限)※「休日が少ないほど高い」にはなっていません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 120日以上 | 6163件 | 24万円 |
| 110〜119日 | 7126件 | 24万円 |
| 105〜109日 | 5155件 | 23.2万円 |
| 104日以下 | 2511件 | 22.4万円 |
実査で見えたこと
- 定額手当は月給を増やしていません。基本給を削っています。固定残業代のない19,462件を、定額的に支払われる手当が乗っている17,038件と、提示額=基本給で手当の上乗せがない2,424件に分けて比べると、提示額はほぼ同じでした(23.3万円対23.6万円・差の信頼区間は−0.75万〜0.10万で0をまたぐ=確定しない)。ところが基本給は19.5万円対23.6万円で、4.1万円も違います(信頼区間3.6万〜4.5万)。この向きは6つの施設区分すべて・5つの地域ブロックすべてで同じで、首都圏では差が6.0万円まで開きます。最も多い資格手当(看護師手当などの表記を含めて9,086件=全体の43.4%)だけを取り出しても同じです。資格手当が書かれている求人は提示額が0.7万円高い(信頼区間0.54万〜0.82万)のに、基本給は0.55万円低い(信頼区間0.50万〜0.66万)。前回(N=22,165)の主要findingがそのまま再現されました。看護師の求人で「資格手当あり」「処遇改善手当支給」と並んでいるとき、それは同じ月給の内訳が違うだけで、月給そのものが上がっているわけではありません。賞与・退職金・時間外の割増単価は基本給を基準にする医療機関が多いので、この差は年収の差になって出ます。
- 施設区分が、この職種で最も大きい分割軸でした。訪問看護の月給下限の中央値26.1万円に対し、病院は22.8万円で、差は3.4万円(信頼区間3.2万〜3.7万)です。この差は条件を揃えても消えません。正看護師必須の求人だけなら26.5万対23.7万、夜勤なしだけなら26.0万対23.0万、夜勤ありだけなら27.1万対22.6万、経験不問だけなら25.7万対22.5万で、5つの地域ブロックすべてで訪問看護のほうが高く、基本給で引き直しても21.3万対19.2万(差の信頼区間1.7万〜2.4万)でした。前回の結論がそのまま再現された形です。ただし地域差は大きく、首都圏では訪問看護30.0万対病院24.9万で差が5.1万円に開くのに対し、中国四国九州沖縄では24.4万対21.6万の2.8万円です。病院についてひとつ付け加えると、賞与は病院が最も厚く、賞与月数の中央値3.5ヶ月・基本給×月数で見た年間賞与の目安67.2万円は、訪問看護の60.5万円を6.7万円上回ります(差の信頼区間5.4万〜7.6万)。それでも月給の差3.4万円は年40万円ぶんなので、賞与を足しても順位は変わりません。2位争いは今回も決まりませんでした。介護施設24.0万円と障害者・児童福祉施設24.0万円は同額で差の信頼区間が−0.37万〜0.30万、クリニック23.1万円と病院22.8万円の差0.37万円は確定しますが(信頼区間0.2万〜0.7万)実務上は横並びです。はっきり分かれるのは最上位の訪問看護と最下位の病院です。
- 夜勤についての前回の結論は、大枠は再現し、小さい層でひとつ揺れました。全体では夜勤ありのほうが1.3万円低い(22.8万対24.1万・信頼区間1.2万〜1.5万)という結果が再現し、病院だけで見ても夜勤ありのほうが0.38万円低いことが確定しました(信頼区間0.28万〜0.55万)。一方、訪問看護では今回、夜勤ありのほうが1.1万円高いことが確定しました(27.1万対26.0万・信頼区間0.7万〜1.9万)。この層は前々回「1.9万円高い」、前回「確定しない」、今回「1.1万円高い」と3回の実査で結論が揺れており、訪問看護で夜勤ありと判定できたのが213件と少ないためです。確定した数字として引用するより「訪問看護で夜勤があれば上乗せされる傾向はあるが、幅は定まっていない」と読んでください。仕組みは求人票の構造にあります。夜勤ありの8,587件のうち、夜勤手当が月給の中(定額的に支払われる手当の欄)に入っていたのは251件=2.9%だけでした。その251件の提示額は26.5万円で、外側に別建てで書いている8,336件の22.7万円より3.8万円高く出ます(信頼区間3.3万〜4.3万)。しかも基本給で比べると両者に差はありません(信頼区間−0.54万〜0.80万)。つまり夜勤ありの求人が低く見えるのは夜勤の対価が提示額に入っていないためで、夜勤の実収入が低いという意味ではありません。もうひとつ、夜勤ありの66.7%は病院・21.7%は介護施設で、夜勤なしの19.6%は訪問看護です。「夜勤の有無」で切ると施設区分もいっしょに切れてしまうことにご注意ください。
- 資格要件による3段階は、今回も3つの測定量すべてで確定しました。提示額は正看護師必須24.6万円・いずれかで応募可23.0万円・准看護師のみ必須20.8万円、基本給は20.5万円・19.7万円・17.7万円、レンジの上限額は30.4万円・28.8万円・25.6万円で、隣り合う区分の差はいずれも信頼区間が0をまたぎません(提示額は1.6万円と2.2万円、基本給は0.8万円と2.0万円、上限額は1.6万円と3.2万円)。施設区分を揃えても、准看護師のみ必須が2件しかない「その他」を除く5区分すべてで正看護師必須が准看護師のみ必須を上回りました(差は病院3.3万円・介護施設3.5万円・クリニック3.5万円・訪問看護3.3万円・障害者児童福祉2.7万円)。注目してほしいのは上限額です。「いずれかで応募可」の求人の上限28.8万円は、正看護師必須の30.4万円に近く、准看護師のみ必須の25.6万円からは3.2万円離れています。下限が准看護師・上限が正看護師という書き方が実在することの裏づけで、レンジの真ん中を期待値として読むと准看護師の方は高く見積もりすぎることになります。
- 地域差は実在し、基本給で引き直しても施設区分を揃えても同じ順序で残りました。提示額は首都圏27.0万円・関西東海25.1万円・甲信越北陸北関東23.3万円・北海道東北22.3万円・中国四国九州沖縄22.0万円です。隣り合うブロックの差は、首都圏と関西東海1.9万円、関西東海と甲信越1.8万円、甲信越と北海道東北1.0万円に加え、前回は確定しなかった下位2ブロックの差も今回は0.28万円で確定しました(信頼区間0.10万〜0.50万)。基本給で引き直すと首都圏21.8万円・関西東海20.6万円・甲信越20.0万円・北海道東北19.5万円・中国四国九州沖縄18.9万円で、こちらは4つの境目すべてが確定します(下位2ブロックの差は0.6万円・信頼区間0.4万〜0.84万)。この順序は病院だけで見ても訪問看護だけで見ても変わりません(病院:首都圏24.9>関西東海24.2>甲信越22.6>北海道東北22.0>中国四国九州21.6)。地域ごとの施設構成の違い(首都圏は訪問看護15.7%・病院29.6%、中国四国九州沖縄は訪問看護11.1%・病院40.2%)で説明できる差ではありません。
この職種の求人票の読み方
看護師の求人票は、月給の額そのものより「その額が何でできているか」と「どの施設区分か」で判断が変わります。20,955件を実査して見えた、確認すべき順番は次の通りです。
- 「資格手当あり」「処遇改善手当支給」は、月給が高いという意味ではありませんでした。固定残業代のない19,462件で比べると、定額手当が乗っている求人(17,038件)と、提示額=基本給で上乗せのない求人(2,424件)の提示額はほぼ同じ(23.3万円対23.6万円・差は確定しない)なのに、基本給は19.5万円対23.6万円で4.1万円違いました。手当の名前で多いのは資格手当7,749件・処遇改善手当4,621件・職務手当3,724件・ベースアップ手当2,839件・調整手当2,677件(求人票の手当名そのままの件数)で、合計額の中央値は3.3万円です。賞与を「基本給の◯ヶ月分」で計算する医療機関は多いので、同じ月給23万円でも基本給20万円の求人と基本給17万円の求人では年収に差がつきます。退職金や時間外の割増単価も基本給が基準です。公的職業紹介(ハローワーク)の求人票は基本給(a)・定額的に支払われる手当(b)・固定残業代(c)が分けて書かれているので、気になる法人の求人がそちらにも出ていないか確認すると内訳が読めます。
- まず施設区分を揃えて比べる。地域より先です。実査では訪問看護26.1万円・介護施設24.0万円・障害者児童福祉24.0万円・クリニック23.1万円・病院22.8万円と、施設区分だけで3.4万円の幅が出ました。この差は資格要件を揃えても夜勤の有無を揃えても、5つの地域ブロックすべてで同じ向きに残ります。「同じ看護師の求人」として月給を並べても、訪問看護と病院を混ぜた時点で比較になりません。ただし中間の4区分は横並びで、介護施設と障害者児童福祉の差は今回も確定しませんでした。はっきり分かれるのは最上位の訪問看護と最下位の病院です。なお訪問看護が高く出る背景には、オンコール当番や自動車運転が前提になっている求人が多いことがあります(訪問看護2,632件のうち普通自動車運転免許が必須なのは75.1%、オンコール・待機の記載があるのは65.3%)。金額だけでなく、その働き方を受け入れられるかをセットで見てください。
- 月給が低く見える病院は、賞与で一部を取り返している。実査では病院の月給が6区分中の最下位でしたが、賞与月数の中央値は3.5ヶ月で最上位でした(障害者児童福祉も3.5ヶ月)。基本給×賞与月数で計算した年間賞与の目安は病院67.2万円・障害者児童福祉67.2万円・クリニック63.0万円・訪問看護60.5万円・介護施設60.0万円です。ただし取り返せるのは一部です。月給の差3.4万円は年に40万円ぶんあり、賞与の差6.7万円では埋まりません。提示額×12ヶ月+年間賞与で粗く年収を出すと訪問看護374万円・障害者児童福祉351万円・介護施設346万円・クリニック341万円・病院340万円の順で、月給の順位とほぼ同じでした。
- 夜勤手当は提示額の外にあると考えて読む。実査では、夜勤ありの8,587件のうち夜勤手当が月給に組み込まれていたのは251件=2.9%だけでした。残りは「夜勤手当1回◯円」と別建てで、提示額には入っていません(1回あたりの額が読めた4,712件の中央値は1.1万円・四分位0.9万〜1.3万円)。だから提示額だけを並べると、夜勤ありの求人はむしろ1.3万円低く見えます。逆に言えば夜勤ありの求人の実収入は提示額より上振れします。求人票を比べるときは、想定夜勤回数と1回あたりの手当額を確認して、はじめて手取りの比較になります。「夜勤◯回込み」と書かれている求人はその逆で、夜勤が減れば下がります。
- 准看護師でも応募できる求人は、レンジのどちら側が自分かを確認する。上限額の中央値は、正看護師必須が30.4万円、いずれかで応募可が28.8万円、准看護師のみ必須が25.6万円でした。「いずれかで応募可」の上限が正看護師必須に近い位置にあるのは、下限が准看護師・上限が正看護師に対応しているためだと読めます。レンジの真ん中を期待値として読むのは危険です。資格による差は提示額でも基本給でも上限額でも3段階にはっきり出ており、6つの施設区分のうち n が足りる5つで同じ並びでした。なお准看護師のみ必須の求人2,795件は、59.3%が病院・28.1%が介護施設で、訪問看護は2.3%しかありません。
- 固定残業代は少数派。ある場合は基本給まで確認する。固定残業代がある求人は1,493件=7.1%で、看護師の月給の積み上げ方は事務や施工管理とは違います。ただし該当する求人の見え方には注意が必要です。提示額は28.0万円と全体より4.7万円高いのに、基本給は20.0万円で全体と変わりません(差の信頼区間は−0.25万〜0.00万で0に接します)。額は中央値3.0万円・想定時間数は中央値15時間で、45時間を超える設定は2件(79時間と75時間)です。看護師の残業は記録に残りにくい業務(申し送り・記録・委員会活動)で発生しやすいため、時間数が実態と合っているかは面接で確認する価値があります。
- 「オンコールがあるほうが高い」「小さい職場のほうが高い」は、どちらも施設構成の見せかけでした。オンコール・待機の記載がある求人は25.0万円、ない求人は23.2万円で1.9万円高く見えます。しかし訪問看護だけで比べると差は0.4万円まで縮み、信頼区間の下端は0.05万円で0にほぼ接します。オンコールの記載がある求人の多くが訪問看護と介護施設だから全体で高く出ているだけで、オンコールそのものが月給を押し上げているわけではありませんでした。事業所規模も同じです。就業場所19人以下は24.6万円、100人以上は23.0万円ですが、19人以下は訪問看護とクリニックで6割、100人以上は病院が76.8%を占めます。施設区分を揃えると病院では差が0.3万円までほぼ消え、訪問看護では100人以上のほうが2.4万円低くなりました。
- 「休みが少ないほど稼げる」にはなっていません。実査した20,955件の年間休日は中央値112日で、104日以下が2,511件ありました。この層の提示額は22.4万円で、120日以上の層の24.0万円より1.6万円低く出ます(差の信頼区間1.3万〜1.9万)。病院だけに絞っても0.8万円低いままでした。年間休日が少ない求人は、その分だけ月給が高いわけではありません。月平均の時間外労働時間の記載(中央値3時間)と合わせて見てください。
あわせて、看護配置基準(7対1・10対1など)・夜勤体制(2交代か3交代か、月の夜勤回数)・有給取得率を見ると、同じ月給でも働き方の差が判断できます。看護師は提示額の内訳と施設区分で実収入が大きく変わるため、給与欄の数字だけを並べても比較になりません。
この調査の限界(お読みください)
- 使用した媒体は公的職業紹介(ハローワークインターネットサービス)1つだけです。初回(2026-07-24・N=129)は医療・介護系の求人サイトを加えた2媒体で実査しましたが、月給の内訳(基本給がいくらか)を読める割合が媒体で割れ(公的職業紹介100% / 求人サイト70%)、対応比較が104件にとどまりました。媒体を1つに固定すると地域と媒体の交絡が構造的に消え、内訳の取得率が100%になるため、こちらを優先しています。そのため今回のデータからは媒体差を評価できません。なお初回の2媒体比較では中央値がどちらも24.0万円で信頼区間も重なっており、看護師は媒体による差が小さい職種でした。
- 掲載されていない求人は含まれていません。特に看護師は人材紹介会社が抱える非公開求人の比率が高い職種とされ、この点の影響は他職種より大きい可能性があります。今回の数字は「公開求人に出ている条件」の相場として読んでください。
- 47都道府県の検索結果を最後のページまで巡回して得た一覧26,678件(求人番号の重複を除くと26,666件)の求人票を1件残らず取得し、全件を同一のパーサで処理しています(取得失敗0件)。前回(2026-09-21)は同じ手順で27,724件を処理してN=22,165でした。一覧の件数そのものが1,046件減っており、Nの減少は採取方法の変更ではありません。提示額の中央値23.5万円・基本給の中央値20.0万円は前回と同じ値でした。県ごとの件数は求人数に比例するため、求人の多い都府県の重みが大きくなっています(1県あたり116〜1,355件・中央値352件)。
- 取得した26,666件のうち、正社員・月給制の看護師/准看護師求人でないものを1,370件除いています(月給制でない564件=年俸制454件・時給60件・日給18件・その他32件、看護部長・師長・管理者など管理職240件、職種名に別職種の語がある192件、夜勤専従189件、動物病院や獣医業の看護職104件、短時間正社員34件、看護助手・看護学校の教員など26件、派遣・請負21件)。管理職の除外は前回(55件)より範囲が広く、訪問看護ステーションなどの「管理者」「管理者候補」を含めています。一覧画面は日給制・時給制の求人も月額換算で表示するため、求人票の「賃金形態等」が月給であることを全件確認してから採っています。なお仕事内容欄の「*夜勤専従も可」「夜勤専従勤務についても相談に応じます」は通常求人が働き方の選択肢を書いているだけなので、夜勤専従としては除いていません。
- 同一法人が事業所ごとに同じ給与条件で求人を出しているケースがあり、そのまま数えると相場が歪みます。事業所名(非公開の求人は所在地・従業員数・事業内容で代替)+提示額の上下限+基本給+定額手当+産業分類がすべて一致する求人を同一のひな型とみなして名寄せしました(25,296件→20,955件・4,341件=17.2%を除外。前回は17.0%)。この判定は掲載内容からの推定を含みます。名寄せに使った事業所名は、名寄せの直後にレコードから破棄しています。
- 「提示額」と「基本給」の判定は、求人票の賃金欄の構造から機械的に決めています。提示額=基本給(a)+定額的に支払われる手当(b)+固定残業代(c)の下限、基本給=同じ求人票の(a)の下限です。この定義により全20,955件が「手当込みの総額提示」に分類されるため、測定量を判別できず除外した求人は0件です。他媒体の求人票と数字を比べる場合は、どの欄の額かを揃えてください。
- 基本給の中央値20.0万円は、信頼区間の上下がどちらも20.0万円になりました。計算に失敗したのではなく、基本給がちょうど20.0万円の求人が1,466件あり、ブートストラップ20,000回のほぼすべてで中央値が20.0万円に落ちるためです。基本給は切りのいい額に集中する分布で、20.0万円前後で標本を入れ替えても中央値が動きません。「20.0万円ぴったりが相場」という意味ではなく、四分位(18.0万〜22.0万円)のほうが分布の広がりを表しています。提示額の信頼区間(23.5万〜23.6万円)も乱数の種を5つ変えて動きませんでした。
- 夜勤の有無は、求人票の就業時間欄と就業時間の特記事項から機械判定しています(日をまたぐ時間帯、16時以降に始まる時間帯、または特記事項に夜勤・当直・宿直・2交代・3交代の記載があれば「夜勤あり」)。シフトの一部に夜勤が含まれる求人を拾う判定で、実際の夜勤回数は求人ごとに違います。夜勤ありの8,587件のうち、夜勤手当が提示額の中(b欄)に入っていたのは251件(2.9%)だけでした。夜勤の対価はこの集計にほとんど入っていません。
- 資格要件は求人票の「必要な免許・資格」欄から3区分に機械分類しています。看護師と准看護師の両方が挙がっていて「准看護師不可」の記載がないものを「いずれかで応募可」、看護師だけのものを「正看護師必須」、准看護師だけのものを「准看護師のみ必須」としました(免許欄が空の21件は職種名で判定)。准看護師でも応募できる求人は、下限が准看護師・上限が正看護師に対応している場合があり、レンジ幅を読むときの注意点になります。なお普通自動車運転免許は求人票の別の欄(免許・資格リストの外)にあるため、資格要件の判定には使っていません。
- 施設区分は、職種名に「訪問看護」「訪看」がある求人と産業分類が「助産・看護業」の求人をまず訪問看護に置き、次に産業分類、それでも決まらないものを職種名・仕事内容の施設語で拾っています(訪問看護ステーションの産業分類が「老人福祉・介護事業」になっている求人が実在するため)。仕事内容の冒頭に訪問看護が出ていても、同じ範囲に有料老人ホーム・病棟・デイサービスなど別施設の語が出る求人は施設側の区分に置きました。施設と訪問を兼ねる求人は施設側に寄るため、訪問看護2,632件はやや控えめな数え方です。どの手掛かりでも決まらなかった14件を含む104件を「その他(保育所・学校・企業内ほか)」にまとめました。この区分は規約の n≥10 を満たしますが、中身は均質ではありません。
- オンコール・待機の記載は、仕事内容・手当欄・その他の手当の特記・就業時間の特記事項のいずれかに「オンコール」「待機」の語があるかで判定しています。前回より見る欄が広いため、該当件数(4,383件・訪問看護の65.3%)は前回(2,961件・37.1%)と直接比べられません。
- 年間賞与の目安として本文に書いた金額は、1件ごとに「基本給の下限×賞与月数」を計算してから中央値を取ったものです。賞与月数の記載があった18,002件が対象で(賞与制度ありは20,455件)、いずれも前年度実績や見込みの記載であり、支給を約束するものではありません。基本給の下限で計算しているため、経験加算のある人の実額とは異なります。
- 事業所規模で見ると就業場所19人以下(24.6万円)が100人以上(23.0万円)より1.6万円高く出ますが、これは施設構成の差です。19人以下は訪問看護26.8%・クリニック33.8%・病院9.8%、100人以上は病院76.8%で、施設区分を揃えると病院では差が0.3万円(信頼区間0.05万〜0.82万)までほぼ消え、訪問看護では逆に100人以上のほうが2.4万円低くなります。「小さい職場のほうが高い」と読まないでください。同じことがオンコールの記載にも当てはまります(findings 参照)。
- 対象は正社員・月給制のみです。パート・アルバイト・派遣・契約社員・非常勤・夜勤専従は除外しています。時給制・日給制の求人、年俸制の求人は月給が読み取れないため対象外です。看護助手・看護補助者、保健師・助産師の専任求人、動物看護師も対象外としています。
- 月給下限のみを集計しています。夜勤手当・オンコール手当・賞与・住宅手当の実績額は含まないため、年収の比較にはそのまま使えません。就業場所の都道府県は求人票の就業場所欄から判定し(20,758件)、県名を書かず市区町村から始まる求人票は事業所所在地(197件)で補いました。検索した県と就業場所の県が食い違った求人は5件で、ページ送りによる他県の混入は起きていません。求人の受付年月日は2026-08-01〜2026-10-16(中央値2026-09-07)です。
実査方法: 公的職業紹介(ハローワークインターネットサービス)で公開されている看護師・准看護師の正社員(常勤・月給制)求人20,955件(全国47都道府県・重複排除後)の月給表記を、47都道府県の検索結果を最後のページまで巡回して得た26,666件の求人票を1件残らず取得して実査(2026-10-19時点)。地域と媒体が交絡しないよう媒体を1つに固定したうえで、求人票の賃金欄から「手当・固定残業代を含んだ提示額」と「その内訳の基本給」を全件同一のパーサで抽出して集計し、中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、1,000円単位に丸めています。
給与の数字だけでなく「職場のリアル」も確かめてから応募したい方へ。リクプルは働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています。
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