このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
月給下限の中央値20.1万円95%信頼区間 20万円〜20.1万円(n=8245)
求人の中央50%が収まる帯19万円〜22万円上下25%ずつを除いた「よくある帯」
現実的な期待値の目安23.6万円各求人のレンジ中央の中央値
この数字が指しているもの
上の数字は手当を含んだ総額提示(基本給+毎月定額で支払われる手当+固定残業代)の求人だけを集計した値です(工場・製造の求人票では、月給欄に技能手当・職務手当などの定額手当が合算された額が出ます)。 同じ職種でもその求人票の内訳に書かれている基本給で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は20万円(n=8245・主系列と同じ8,245件すべての内訳。独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳です)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。
提示額と基本給の対応比較(8,245件・同じ求人どうし)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 求人票に出ている提示額(定額手当・固定残業代込み) | 8245件 | 20.1万円 |
| その内訳にある基本給 | 8245件 | 20万円 |
定額手当(毎月固定で払われる手当)の記載がある求人とない求人(提示額の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 定額手当あり | 3024件 | 20.8万円 |
| 定額手当なし | 5221件 | 20万円 |
同じ分け方を「内訳にある基本給」で見ると ※上下が入れ替わります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 定額手当なし | 5221件 | 20万円 |
| 定額手当あり | 3024件 | 19万円 |
交替制・シフト勤務の有無(提示額の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 交替制・シフト勤務あり | 2490件 | 20.4万円 |
| 日勤のみ | 5755件 | 20万円 |
同じ分け方を「内訳にある基本給」で見ると ※こちらは逆向きになります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 日勤のみ | 5755件 | 20万円 |
| 交替制・シフト勤務あり | 2490件 | 19.8万円 |
同じ分け方を「月給レンジの上限額」で見ると ※差が最も大きく出ます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 交替制・シフト勤務ありの求人の上限額 | 2490件 | 27万円 |
| 日勤のみの求人の上限額 | 5755件 | 26万円 |
地域ブロック別(提示額の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 899件 | 22万円 |
| 関西・東海 | 2745件 | 20.9万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 1850件 | 20万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1669件 | 20万円 |
| 北海道・東北 | 1082件 | 19.1万円 |
同じ地域ブロックを「内訳にある基本給」で見ると(8,245件)※並びは変わりません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 899件 | 21万円 |
| 関西・東海 | 2745件 | 20万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 1850件 | 19.7万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1669件 | 19万円 |
| 北海道・東北 | 1082件 | 18.5万円 |
業種別(提示額の月給下限)※この差は地域構成の差で、地域を揃えると消えます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 金属製品・機械器具 | 1661件 | 20.5万円 |
| 化学・プラスチック・窯業 | 1696件 | 20.4万円 |
| その他の製造業 | 1322件 | 20.1万円 |
| 輸送用機械(自動車・同部品ほか) | 579件 | 20.1万円 |
| 繊維・紙・木材・印刷ほか | 930件 | 20万円 |
| 食料品・飲料 | 1387件 | 20万円 |
| 電子部品・電気機械 | 670件 | 20万円 |
必要な経験別(提示額の月給下限)※地域・業種を揃えても向きが変わらない唯一の要件です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 実務経験が必須 | 547件 | 22万円 |
| 経験があれば尚可 | 1289件 | 20.5万円 |
| 経験不問 | 6409件 | 20万円 |
同じ経験要件を「内訳にある基本給」で見ると(8,245件)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 実務経験が必須 | 547件 | 21.5万円 |
| 経験があれば尚可 | 1289件 | 20万円 |
| 経験不問 | 6409件 | 19.5万円 |
同じ経験要件を「月給レンジの上限額」で見ると ※下限より大きく開きます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 実務経験が必須の求人の上限額 | 547件 | 30万円 |
| 経験があれば尚可の求人の上限額 | 1289件 | 28万円 |
| 経験不問の求人の上限額 | 6409件 | 26万円 |
必要な免許・資格別(提示額の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 現場系の資格が必要(フォークリフト・玉掛け・危険物ほか) | 1657件 | 20.6万円 |
| 資格不問 | 3477件 | 20.1万円 |
| 普通自動車免許のみ | 3093件 | 20万円 |
固定残業代の有無(提示額の月給下限)※記載があるのは4.4%だけです| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 固定残業代あり | 364件 | 23.3万円 |
| 固定残業代なし/記載なし | 7881件 | 20万円 |
同じ分け方を「内訳にある基本給」で見ると ※上下が入れ替わります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 固定残業代なし/記載なし | 7881件 | 20万円 |
| 固定残業代あり | 364件 | 19.2万円 |
職種名から読める工程別(提示額の月給下限)※この差は交替勤務の比率の差です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 機械オペレーター | 1023件 | 20.7万円 |
| 加工・成形 | 1023件 | 20.3万円 |
| 職種名からは工程が分からない | 5325件 | 20.1万円 |
| 組立 | 286件 | 20万円 |
| 複数工程ほか | 408件 | 20万円 |
| 検査 | 180件 | 20万円 |
就業場所(その工場)の従業員数別(提示額の月給下限)※規模が大きいほど高い、という並びにはなりません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 300人以上 | 300件 | 21万円 |
| 30人未満 | 3535件 | 20.4万円 |
| 100〜299人 | 1306件 | 20.2万円 |
| 30〜99人 | 3104件 | 20万円 |
年間休日数別(提示額の月給下限)※休みの少なさが月給に反映される形にはなっていません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 年間休日120日以上 | 3498件 | 20.3万円 |
| 年間休日105〜119日 | 4076件 | 20万円 |
| 年間休日105日未満 | 671件 | 20万円 |
実査で見えたこと
- 提示額はほぼそのまま基本給です。8,245件すべてで内訳が読め、基本給は提示額の中央値100.0%、4,976件(60.4%)が1円単位で完全に同額でした。前回(N=1,224)の60.5%とほぼ同じで、これまで実査した職種の中で最も一致の強い職種という結論は変わりません。ただし例外の出方がはっきりしました。定額手当の記載がある3,024件(36.7%)では、提示額と基本給が完全に同額なのはわずか6件で、提示額20.8万円に対し基本給19.0万円(差の中央値1.5万円)と分かれます。一方、定額手当の記載がない5,221件では4,970件が完全同額です。全体では1,333件(16.2%)が基本給が提示額の9割を切り、241件(2.9%)は7割も切ります。最も差の大きい求人は提示19.3万円に対し基本給6.0万円(31.1%)で、固定残業代の記載はなく、差の13.3万円は能率手当9.0万円と精勤手当4.3万円でした。9割を切る1,333件のうち1,043件(78%)は固定残業代がありません。賞与や退職金が基本給を基準に計算される会社では、この違いは年間の受取額に効いてきます。
- 前回の「交替勤務だから月給が高いは求人票の月給欄には出ていない」は撤回します。N を1,224件から8,245件に増やすと、交替制・シフト勤務ありの2,490件は20.4万円、日勤のみの5,755件は20.0万円で、差0.4万円・信頼区間0.30〜0.40万円と0をまたがなくなりました。ただし中身は「交替勤務だから基本給が高い」ではありません。同じ求人の基本給で並べ直すと19.8万円対20.0万円と逆向きになり(差−0.25万円・信頼区間−0.32〜−0.10万円)、上乗せは定額手当のある求人にしか出ません(定額手当ありの中では+0.5万円・信頼区間0.50〜0.57万円、定額手当なしの中では差0万円)。交替制の求人は定額手当の記載率が44.9%と、日勤のみの33.1%より高くなっています。つまり交替勤務の対価は基本給ではなく手当として月給欄に乗り、そのぶん基本給は削られているということです。差が最も大きく出るのは月給レンジの上限額で、27.0万円対26.0万円(差0.98万円・信頼区間0.53〜0.90万円)でした。なお夜勤手当・深夜割増は月給欄(a+b+c)の外側なので、実際の受取額の差はここには出ていません。
- 地域・業種を揃えても向きが変わらない要件は、実務経験ひとつだけです。実務経験が必須の547件は22.0万円、経験不問の6,409件は20.0万円で、差は2.0万円・信頼区間2.00〜2.50万円。5つの地域ブロックすべて(+2.0〜2.5万円)、7つの業種すべて(+1.75〜3.0万円)で同じ向きに出ます。内訳の基本給でも21.5万円対19.5万円(差2.0万円・信頼区間1.50〜2.50万円)、月給レンジの上限額では30.0万円対26.0万円まで開きます。ただし実務経験を必須にしていたのは6.6%(547件)だけで、77.7%(6,409件)は経験不問でした。入口は極端に広く、そのぶん入口の月給はほぼ一律に20.0万円に置かれています(20.0万円ちょうどの求人が1,006件・12.2%)。資格の効き方はもっと小さく、フォークリフト・玉掛け・危険物などの現場系資格が必要な1,657件は20.6万円で、資格不問の3,477件との差は0.48万円(信頼区間0.40〜0.58万円)。経験不問の求人だけに揃えても0.47万円残りますが、経験要件の2.0万円には遠く及びません。
- 「作っているもの」や「工程」で相場は変わりません。全国でまとめると金属製品・機械器具20.5万円が食料品・飲料20.0万円を0.5万円上回り(信頼区間0.38〜0.50万円)、N が小さかった前回は確定しなかった差が今回は0をまたがなくなりました。しかしこれは地域構成の差です。関西・東海の中だけで比べると金属製品21.0万円対食料品21.0万円で差0万円(信頼区間0〜0.42万円)になり、業種×地域の表でもどの業種でも首都圏が最上位・北海道東北が最下位という同じ並びになります。食料品・飲料の求人は中国・四国・九州・沖縄に24.4%が集まる一方、関西・東海では11.8%しかない、という偏りが全国プールの差を作っていました。工程も同じで、機械オペレーター20.7万円は検査20.0万円を0.7万円上回りますが、日勤のみの求人に揃えると差の信頼区間は0をまたぎます。機械オペレーターの交替勤務率58.4%に対し検査は21.7%・組立は4.5%で、工程の差に見えていたものは交替勤務の比率の差でした。
- はっきり効くのは働く場所です。首都圏22.0万円、関西・東海20.9万円、甲信越・北陸・北関東20.0万円、中国・四国・九州・沖縄20.0万円、北海道・東北19.1万円と並び、首都圏と北海道・東北の差は2.88万円(信頼区間2.52〜3.00万円)。首都圏対関西・東海(+1.09万円)、関西・東海対甲信越(+0.91万円)、中国四国九州対北海道東北(+0.88万円)も0をまたぎません(甲信越と中国四国九州の順位だけは確定せず、経験不問に絞ると0.3万円差がつきます)。内訳の基本給でも21.0万円対18.5万円(差2.5万円)で並びは同じです。都道府県別では東京都22.5万円・神奈川県22.0万円・大阪府21.8万円に対し、山形県18.5万円・秋田県18.6万円で、4万円の開きがあります。一方、工場の規模はほとんど効きません。従業員300人以上の工場は21.0万円と最も高いものの、その下は30人未満20.4万円・100〜299人20.2万円・30〜99人20.0万円と順番になっておらず、差も0.2〜0.35万円にとどまります。
この職種の求人票の読み方
工場・製造の求人票は、月給欄の数字そのものより「その額に何が入っていて、何が入っていないか」を読む必要があります。8,245件の実査から見えた、確認すべき順番は次の通りです。
- まず賃金欄に「定額手当」の記載があるかを見る。ここで求人票は2種類に分かれる。定額手当の記載がない5,221件では、4,970件(95%)で提示額と基本給が1円単位で同額です。月給欄をそのまま基本給と読んで構いません。一方、定額手当の記載がある3,024件(36.7%)で同額なのはわずか6件で、提示額20.8万円に対し基本給19.0万円(差の中央値1.5万円)と分かれます。最も差の大きい求人は提示19.3万円に対し基本給6.0万円で、内訳は能率手当9.0万円と精勤手当4.3万円でした。賞与・退職金・残業単価は基本給を基準に決まる会社が多いので、手当の内訳が書かれていない求人では「この月給のうち基本給はいくらですか」を面接で確認する価値があります。
- 交替勤務の求人は、月給欄が高くても基本給は低いことがある。交替制・シフト勤務ありの求人は提示額20.4万円で日勤のみの20.0万円を上回りますが、同じ求人の基本給では19.8万円対20.0万円と逆転します。上乗せが出るのは定額手当のある求人だけで(+0.5万円)、定額手当のない求人では差が0です。交替勤務の分は基本給ではなく手当として月給欄に乗っている、という形です。しかも夜勤手当・交替勤務手当・深夜割増は月給欄(基本給+定額手当+固定残業代)の外側で支給されるのが通例なので、実際の受取額の差は求人票の月給欄をどれだけ見比べても出てきません。確認すべきは「2交替か3交替か」「夜勤・準夜勤が月に何回か」「1回あたりの手当はいくらか」で、これは面接で聞くしかありません。
- 交替制ではっきり違うのは上限額。月給レンジの上限は交替制27.0万円・日勤26.0万円(差0.98万円)で、下限の差0.4万円より大きく開きます。同じ職場で長く働いたときの伸びしろに交替勤務が効いている形ですが、上限額が「何年目・どの役割の人の数字か」は求人票からは分かりません。なお年間休日は交替制のほうがむしろ多く(中央値118日対116日)、「交替制=休みが少ない」という形にはなっていません。
- 未経験で入るなら、入口の月給はほぼ一律だと考えて職場の中身で選ぶ。実査した求人の77.7%(6,409件)が経験不問で、その中央値は20.0万円。20.0万円ちょうどの求人が1,006件(12.2%)あります。実務経験が必須の求人は6.6%(547件)しかなく、そちらは22.0万円、上限額まで見ると30.0万円対26.0万円です。差は2.0万円で、5ブロック・7業種すべてで同じ向きに出ます。フォークリフト・玉掛け・危険物などの現場系資格が要る求人は20.6万円で、資格不問との差は0.48万円(経験を揃えても0.47万円)と小さめです。入口の月給で求人を選び分けるのはほぼ不可能なので、資格取得の支援があるか、多能工として複数工程を経験できるか、交替勤務に入れるか(手当がつく)といった、数年後に効く条件で選ぶほうが合理的です。
- 固定残業代の記載は少ないが、あったら必ず時間数を見る。記載があったのは4.4%(364件)だけで、実査職種の中では少ないほうです(溶接工3.8%に次ぐ低さで、電気工事士は14.1%、保育士は12.3%)。ただし該当する求人では、提示額23.3万円に対し同じ求人の基本給が19.2万円で、固定残業代のない求人の20.0万円を下回ります。差額は中央値3.4万円で、これはまるごと残業代の先出しです。想定時間数は中央値20時間、四分位14〜30時間、30時間以上が104件、40時間以上が43件、最長70時間でした。月給の高い求人が並んでいるとき、その差が基本給の差なのか残業前提の数字なのかで、時間あたりの条件は逆転します。
- 年間休日は必ず数字で確認する。この職種では月給と切り離して選べる。実査した求人の年間休日は56日から197日まで開いており(中央値116日、四分位110〜121日、120日以上が42.4%)、実査職種の中では休日の多い部類です。それにもかかわらず、年間休日120日以上(20.3万円)と105日未満(20.0万円)の差は信頼区間が0をまたぎ、首都圏の中だけで比べると向きすら逆になります。「休みが少ない代わりに月給が高い」というトレードオフは、少なくとも求人票の月給欄には現れていません。同じ月給の求人が並んでいるなら、年間休日で選んで損はありません。
- 作っているもの・工程・工場の規模では選び分けられない。働く場所では変わる。業種別では金属製品・機械器具20.5万円が最上位ですが、関西・東海の中だけで比べると食料品・飲料と同じ21.0万円になります(全国での差は、食料品の求人が中国・四国・九州に偏っていることから来ています)。工程も、機械オペレーター20.7万円が高く見えるのは交替勤務率が58.4%(検査21.7%・組立4.5%)だからで、日勤に揃えると差は消えます。工場の従業員数も300人以上が21.0万円と高いだけで、その下は30人未満20.4万円・100〜299人20.2万円・30〜99人20.0万円と順番になりません。一方で地域は効きます。首都圏22.0万円に対し北海道・東北19.1万円(差2.88万円)、都道府県では東京都22.5万円と山形県18.5万円で4万円開きます。
- 「工場は給料がいい」という実感の出どころを分けて考える。提示額の中央値20.1万円は、これまで実査した11職種の中では事務20.0万円に次いで低く、介護職20.1万円と並ぶ水準です。それでも工場勤務の手取りが高くなることがあるのは、この実査に入っていない部分——交替勤務手当・深夜割増・残業代・賞与——が上に乗るからです。月給レンジの上限は26.4万円(下限の1.28倍)で、上下限が同額の求人は5.7%しかありません。求人票の月給欄だけを見比べても、この職種の実際の受取額の差は説明できないと考えたほうが正確です。
あわせて、勤務が2交替か3交替か(それぞれの手当額)、繁忙期の残業時間(実査求人の月平均時間外は中央値15時間・最長54時間)、寮・社宅の有無と費用、資格取得(フォークリフト、玉掛け、クレーン、危険物取扱者、食品衛生関連)の費用負担、多能工として複数工程を経験できるか、賞与の支給実績(実査求人の98.0%が賞与制度ありと記載)を見ると、同じ月給でも条件の差が判断できます。とくに今回の実査では、職種名に「製造」「工場」と入っていながら中身が生産管理・品質保証・設備保全・営業・事務という求人が2,661件ありました。応募前に仕事内容欄を最後まで読むことをおすすめします。
この調査の限界(お読みください)
- 今回も媒体は公的職業紹介1つだけです。地域ごとに媒体が変わると地域差ではなく媒体差を測ってしまうため、媒体構成を揃えることを優先しています。その結果この数字は公的職業紹介に出ている求人層の相場であり、そこに載らない求人(民間媒体にしか出ない求人や高年収帯の求人)は含まれていません。媒体差そのものは今回も評価できていません。
- 前回(2026-08-21・N=1,224)は47都道府県の検索結果1ページ目だけを採取していました。今回は県ごとに独立した通信で最終ページまで巡回し、職種フリーワード「製造」(17,331件)と「工場」(10,452件)の検索結果から求人番号のフレーム25,802件(両方に出た1,981件は名寄せ済み)を作っています。全数取得は公共サイトへの負荷が大きいため、フレームの並び(県ごとの新着順)から3件に2件を等間隔で抜いた17,202件の求人票を取得しました(全数調査ではなく系統抽出です)。取得の失敗は0件です。
- 並び順は既定の新着順のままなので有料掲載による歪みは受けませんが、直近に受理された求人に寄ります。県あたりの採用件数は28〜467件(中央値158件)で、求人数の多い県ほど重く入ります(前回は県あたりの件数を揃えていたため、地域の重みづけが今回とは異なります)。
- 主系列と副系列は同じ8,245件です。この媒体の求人票は賃金欄が「基本給a」「定額的に支払われる手当b」「固定残業代c」に分かれているため、提示額(a+b+c)と内訳の基本給(a)を全件で対応させられました。測定量を判別できず除外した求人は0件です。副系列は独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳です。
- 「どの欄の額を採るか」は求人票を1つも読む前に決めて、全国すべての求人に同じ1つのプログラムで適用しています(提示額は賃金欄のa+b+cの下限、基本給はaの下限)。過去の実査で採取担当ごとに判定基準が割れ、地域差ではなく判定基準の差を測ってしまった事故があったため、人ではなくプログラムに固定する方式にしています。
- 提示額の中央値20.1万円に対し、ブートストラップ(20,000回)で計算した95%信頼区間は20.0万円〜20.0万円、基本給の中央値20.0万円に対しては19.8万円〜19.8万円と、いずれも中央値のすぐ外側に出ました。月給ちょうど20.0万円の求人が1,006件(12.2%)、基本給ちょうど20.0万円の求人が1,120件あり、リサンプルのたびに中央値がこの塊の上に落ちるためです。計算の失敗ではありませんが、区間が中央値を含まない表示は誤解を招くため、掲載している区間は端を中央値まで広げています(計算値はこの注記のとおりです)。
- 検算として、全47都道府県から1件ずつと固定残業代ありの3件(計50件)を、採取に使ったデータを一切参照しない新しい通信から取り直し、提示額・上限額・基本給・雇用形態・賃金形態・産業分類・就業時間区分・経験要件・年間休日・固定残業代の有無・就業場所を機械照合しました。不一致は0件・取得失敗0件です。
- 一覧画面には時給制・日給制の求人も月額換算で表示されるため、そのまま採ると高額の外れ値として混入します。全件について詳細画面の「賃金形態等」が「月給」であることを確認してから採用しました。この判定で除外したのは日給830件・時給446件・年俸制63件・その他75件です。派遣・請負での就業となる求人566件、夜勤専従9件、就業場所欄に都道府県が書かれていない求人42件(「勤務地:仙台市内」のように市名だけの表記)も採取前に除外しています。
- 同一法人・同一事業所が同じ給与で複数の求人を出しているケースを機械的に名寄せしました。同一事業所番号×同一給与が746件、「事業所名・下限・上限・基本給・定額手当・産業分類」の署名一致が155件で、合計901件(9.9%)を除外しています。名寄せを都道府県ごとに行った版(8,399件)でも地域ブロックの順位・中央値は変わりませんでした。
- 対象は「事業所の産業分類が製造業である求人(=工場)」で働く製造・加工・組立・検査の職に限っています。産業分類が製造業でない事業所の求人3,364件(店内で製造する菓子・パン小売業、食料品卸売業、建設業、運送業、労働者派遣業、洗濯業など)は、仕事の中身が製造であっても除外しました。工場の外にある「製造」の仕事はこの数字に入っていません。職種名が製造ライン以外の職務を指す求人2,661件(生産管理・品質管理・品質保証905件、設備保全・整備431件、営業・事務403件、販売・配送・物流370件、工場長・管理職310件、設計・開発・研究222件ほか)も除外しています。「製造スタッフ・保全スタッフ」のように製造職と別の職を1つの求人票で募集しているものは、どちらの賃金を指すか求人票から判別できないため一律で除外しました。
- 交替制・シフト勤務の判定は求人票の記載から機械的に行っています(就業時間区分が「交替制(シフト制)」=951件、就業時間帯が2つ以上記載されている=2,380件、日をまたぐか16時以降に始まる勤務帯がある=1,715件のいずれか。重複を除いて2,490件)。実際の交替頻度(2交替か3交替か、夜勤が月に何回か)は求人票からは読み取れません。また夜勤手当・交替勤務手当・深夜割増は月給欄のa+b+cの外側で支給されるのが通例で、提示額の比較では対価そのものが見えていません。
- 業種は事業所の産業分類から機械的に7区分にまとめたもので、同じ工場の中の職種差(成形か、組立か、検査か)は分けられていません。工程の区分は職種名の語から作っているため、職種名に工程が書かれていない5,325件は「分からない」に置いています(推測では埋めていません)。従業員数は「就業場所(その工場)の従業員数」で、会社全体の規模ではありません。
- 月給下限のみを集計しています。賞与(実査求人の98.0%が賞与制度ありと記載)、交替勤務手当や夜勤手当の実支給額、深夜割増、残業代の実支給額は含んでいないため、年収や手取りの比較にはそのまま使えません。年間休日は56日〜197日(中央値116日)と幅が非常に大きく、同じ月給でも実際の時間あたりの条件は大きく変わります。
- 地域ブロックのうち首都圏はn=899で、他ブロックより薄めです。甲信越・北陸・北関東と中国・四国・九州・沖縄の順位は、全体では信頼区間が重なり確定していません(経験不問の求人だけに絞ると0.3万円の差がつきます)。業種の「輸送用機械」(n=579)「電子部品・電気機械」(n=670)、工程の「検査」(n=180)「組立」(n=286)、経験要件の「実務経験が必須」(n=547)、固定残業代あり(n=364)、従業員300人以上(n=300)は薄く、参考値としてお読みください。
実査方法: 複数の求人検索サイトで公開されている工場・製造(製造オペレーター・加工・組立ほか)の正社員求人8,245件(全国47都道府県・重複排除後)の月給表記を、地域5ブロックに分けて実査(2026-09-11時点)。媒体は全ブロックで採取条件を揃えるため公的職業紹介1つに固定し、47都道府県の検索結果を最終ページまで巡回して作成したフレーム25,802件から3件に2件を等間隔で抽出、17,202件の求人票の金額と分類を同一のプログラムで機械抽出。給与表記を『手当込みの総額提示』と『基本給のみ提示』に分けて集計し、中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、1,000円単位に丸めています。
給与の数字だけでなく「職場のリアル」も確かめてから応募したい方へ。リクプルは働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています。
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