このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
月給下限の中央値22万円95%信頼区間 21万円〜23.5万円(n=89)
求人の中央50%が収まる帯20万円〜25万円上下25%ずつを除いた「よくある帯」
現実的な期待値の目安26万円各求人のレンジ中央の中央値
この数字が指しているもの
上の数字は手当・固定残業代を含んだ総額提示の求人だけを集計した値です(整備士の求人ではこの書き方が中心で、固定残業代が入る場合は月給欄に含まれます)。 同じ職種でもその求人票の内訳に書かれている基本給で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は20万円(n=78・主系列と同じ求人のうち内訳が読めた78件。独立した別の求人群ではなく、同じ求人の内訳です)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。 給与の内訳を判別できなかった24件は、どちらにも入れず集計から除外しています。
提示額と基本給の対応比較(内訳が確認できた78件・同じ求人どうし)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 求人票に出ている提示額(手当・固定残業代込み) | 78件 | 21.5万円 |
| その内訳にある基本給 | 78件 | 20万円 |
同じ対応比較を「固定残業代の有無」で分けると ※差が出るのは固定残業代のある求人だけです| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 固定残業代あり・提示額 | 9件 | 25万円 |
| 固定残業代あり・その内訳の基本給 | 9件 | 21万円 |
| 固定残業代なし/記載なし・提示額 | 69件 | 21.5万円 |
| 固定残業代なし/記載なし・その内訳の基本給 | 69件 | 20万円 |
地域ブロック別(総額提示の月給下限)※媒体を公的職業紹介に固定し各13件で揃えた数字| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 13件 | 25万円 |
| 関西・東海 | 13件 | 22.5万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 13件 | 20.5万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 13件 | 20.5万円 |
| 北海道・東北 | 13件 | 20万円 |
同じ地域ブロックを「内訳にある基本給」で見ると(78件)※順位は入れ替わりませんでした| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 14件 | 22万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 16件 | 20.5万円 |
| 関西・東海 | 15件 | 20万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 20件 | 20万円 |
| 北海道・東北 | 13件 | 19.5万円 |
固定残業代の有無別(総額提示の月給下限)※この差は2媒体それぞれで別に計算しても同じ向きに出ました| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 固定残業代の記載あり | 16件 | 25万円 |
| 固定残業代なし/記載なし | 73件 | 21万円 |
媒体別(総額提示の月給下限)※2媒体の信頼区間は重なります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 公的職業紹介(求人票に給与の内訳あり) | 65件 | 21.5万円 |
| 自動車整備の専門求人サイト | 24件 | 22.5万円 |
業態別(月給下限・全件)※地域構成の差を含んだ数字です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| カー用品店 | 5件 | 24.5万円 |
| 運送・バス・タクシー会社の自社整備 | 6件 | 23万円 |
| 整備工場・車検専門店 | 44件 | 22万円 |
| ディーラー | 31件 | 20.5万円 |
同じ業態を首都圏を除いて比べ直すと(信頼区間が重なります)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 整備工場・車検専門店(首都圏を除く) | 33件 | 21万円 |
| ディーラー(首都圏を除く) | 27件 | 20万円 |
資格要件別(総額提示の月給下限)※信頼区間が重なり、差は確定していません| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 2級以上必須 | 15件 | 24.5万円 |
| 3級以上必須 | 27件 | 23万円 |
| 資格不問・歓迎 | 46件 | 21万円 |
実査で見えたこと
- 整備士の求人で「月給が高い」求人は、その多くが固定残業代を含んでいます。固定残業代の記載がある16件は月給下限の中央値25.0万円、記載がない・ない73件は21.0万円で、信頼区間が重なりません(それぞれ24.0〜26.0万円、20.0〜22.0万円)。これは媒体の癖ではなく、公的職業紹介の中だけで比べても24.5万円対21.0万円、専門求人サイトの中だけで比べても25.0万円対21.5万円と、2媒体それぞれで同じ向きに出ました。想定されている時間数は中央値31時間で、時間数まで判明した14件のうち8件が30時間以上、最長は45時間です。同じ方法で実査した保育士(150件中5件・中央値12時間)とは対照的で、整備士では固定残業代が相場の見え方そのものを動かしています。
- その上乗せ分は、内訳を読むとほぼ全額が残業代でした。提示額と基本給の両方が読めた78件のうち、固定残業代のある9件は提示額の中央値25.0万円に対し基本給21.0万円で、差額の中央値は5.0万円(95%信頼区間3.0〜6.0万円)です。一方で固定残業代のない69件は、提示額21.5万円に対し基本給20.0万円、差額の中央値は0.5万円未満で、69件中29件は提示額と基本給が完全に同額でした。整備士の月給欄は、固定残業代さえ入っていなければほぼそのまま基本給と読んで差し支えありません。基本給は提示額の中央値97%で、看護師の86%・保育士の87%とは性質が違います。処遇改善手当のように毎月の手当を月給に積み上げる仕組みが、この職種にはほとんど見当たりませんでした。
- 地域差は、首都圏が高いことだけが確認できました。媒体を公的職業紹介に固定して各ブロック13件ずつで比べると、首都圏25.0万円と北海道・東北20.0万円は信頼区間が重なりません。中間の3ブロック(関西・東海22.5万円、甲信越・北陸・北関東20.5万円、中国・四国・九州・沖縄20.5万円)は信頼区間が大きく重なり、順位は確定していません。ただし首都圏が最上位である点は専門求人サイト側で計算しても変わらず、さらに同じ求人の内訳にある基本給で並べ直しても首都圏22.0万円が最上位のままでした。保育士では提示額と基本給で地域順位が入れ替わりましたが、整備士では入れ替わりません。首都圏の高さは手当の厚さではなく、基本給そのものの差です。
- 業態で相場を語ることはできませんでした。全件をまとめるとディーラー20.5万円が整備工場・車検専門店22.0万円を下回り、「ディーラーのほうが高い」という一般的な印象とは逆の並びになります。しかし今回の実査ではディーラー31件のうち19件が関西・東海と中国・四国・九州に、整備工場44件のうち25件が甲信越・北陸・北関東と首都圏に寄っていました。首都圏を除いて比べ直すとディーラー20.0万円・整備工場21.0万円まで縮み、信頼区間も重なります。この差の大部分は、その業態の求人がどの地域から多く採れたかの反映です。
- 求人票に書かれている月給の幅は、職種の中では広いほうでした。上下限とも記載のある83件で、上限は下限の中央値1.41倍・幅は中央値8.9万円です。同じ方法で実査した保育士が1.17倍・3.6万円、事務が1.24倍・5.0万円だったのに対し、整備士は営業(1.40倍・10.0万円)とほぼ同じ水準で、上限と下限が同額の求人は83件中1件もありませんでした。資格と経験で処遇に幅を持たせる設計が標準になっている一方、下限と上限の開きが大きいぶん、求人票の上限額がどの資格・どの経験年数を想定した数字なのかは月給欄からは読み取れません。
この職種の求人票の読み方
整備士の求人票は、月給欄に固定残業代が入っているかどうかで意味がまったく変わります。実査から見えた、確認すべき順番は次の通りです。
- まず固定残業代の有無と時間数を見る。実査した130件のうち固定残業代の記載があったのは16件でしたが、その16件は月給下限の中央値が25.0万円と、記載のない73件の21.0万円を明確に上回りました。そして内訳が読めた9件では、提示額25.0万円に対し基本給21.0万円——差額の中央値5.0万円はまるごと残業代です。想定時間数は中央値31時間、14件中8件が30時間以上、最長45時間でした。月給25万円の求人と21万円の求人が並んでいるとき、その差が基本給の差なのか、31時間分の残業を前提にした数字なのかで、時間あたりの条件は逆転しえます。求人票の給与欄の但し書きを必ず読んでください。
- 固定残業代がなければ、月給欄はほぼ基本給と読んでよい。これは他職種と大きく違う点です。固定残業代のない69件では、提示額と基本給の差額の中央値は0.5万円未満で、29件は完全に同額でした。看護師(基本給は提示額の86%)や保育士(87%)のように毎月の手当が月給に積まれる職種では「月給25万円」の実態が基本給21万円ということが普通に起きますが、整備士ではその心配は相対的に小さく、基本給は提示額の中央値97%です。賞与や退職金が基本給を基準に計算される会社では、この違いは年間の受取額に効いてきます。
- ただし例外が2割ある。中央値が97%でも、78件のうち23件(約3割)は基本給が提示額の9割を切り、9件は8割を切っていました。最も差が大きい求人では、月給25.3万円に対して基本給15.0万円(10.3万円の開き、比率59%)です。中央値が安心材料になるのは全体の話であって、応募先の1件がどちら側かは求人票を開くまで分かりません。内訳が書かれていない場合、面接で「この月給のうち基本給はいくらですか」と確認する価値は十分にあります。
- 地域をまたぐ転職では、首都圏の差は本物だと考えてよい。媒体を揃えて比べると首都圏25.0万円・北海道東北20.0万円で、この差は信頼区間が重なりません。しかも保育士と違い、同じ求人の内訳にある基本給で並べ直しても首都圏が最上位のままでした(22.0万円)。首都圏の高さは地域手当の上乗せではなく基本給そのものの差なので、賞与や退職金の算定にも効いてきます。一方で中間の3地域(関西・東海/甲信越・北陸・北関東/中国・四国・九州)の順位は今回の件数では確定できていません。この3つの間の数万円の違いを根拠に引っ越し先を決めるのは、統計的には支持されません。
- 「ディーラーだから高い」という前提は置かない。今回の実査ではディーラー20.5万円が整備工場・車検専門店22.0万円を下回りましたが、これは業態の差ではなく、どの地域から求人が多く採れたかの反映でした(首都圏を除くと差は縮み、信頼区間も重なります)。業態そのものより、扱う車種(国産/輸入車)、車検・一般整備と点検の比率、休日体制と繁忙期(車検の集中する時期)、工具の自己負担の有無、資格取得支援の実績のほうが働き方と手元に残る額を左右します。
- 上限額は「誰の数字か」を確認する。月給の幅は上限が下限の1.41倍・幅8.9万円と、実査したどの職種よりも広いわけではないものの、保育士(1.17倍)や事務(1.24倍)よりはっきり広く、上下限が同額の求人は1件もありませんでした。整備士は3級・2級・1級・自動車検査員という資格の段階と実務経験で処遇に差をつける設計が標準です。今回の実査では資格要件で区切った中央値(2級以上必須24.5万円/3級以上必須23.0万円/資格不問21.0万円)に順序は見えたものの信頼区間が重なり、「資格があれば上がる」と言い切れる差は確認できませんでした。求人票の上限額が何級・何年目を想定したものか、そこに到達した人が実際にいるかを聞いておくと、入社後のずれを防げます。
あわせて、年間休日数、繁忙期の残業実績(固定残業時間を超えた分が支払われているか)、資格取得の費用負担と受験機会、工具の貸与か自己購入か、認証工場か指定工場かを見ると、同じ月給でも条件の差が判断できます。とくに固定残業代のある求人では、設定された時間数が実態に対して長いのか短いのかが、そのまま月々の手取りの差になります。
この調査の限界(お読みください)
- 求人サイトの掲載順は有料掲載の影響を受けるため、完全な無作為抽出ではありません。1ページ目だけに偏らないよう複数サイト・複数ページ・都道府県別の検索から採取していますが、掲載されていない求人(非公開求人など)は含まれていません。実査中、専門求人サイトの県別一覧で1社が上位を占める例が多数ありました(ある県の44件が実質10社、別の県では2ページ目50件がすべて同一販売会社)。そのまま採ると「その会社の賃金表」を測ることになるため、同一企業・同一法人は最大2件までに制限しています。
- 主系列(手当込みの総額提示)は89件で、実査した130件のうち24件は求人票が手当の扱いに一切言及しておらず、判別不能として集計から除外しました。同じ方法で実査した他職種(保育士126件・事務など)と比べると主系列の件数が少なく、地域ブロック別の信頼区間はそのぶん広くなっています。分けて集計した「基本給のみ提示」17件は、独立した系列として公表するには件数が足りません。
- 地域と媒体が交絡しないよう、5ブロックすべてで媒体構成を揃えて採取しました(各ブロックで2媒体を各13件・計130件)。ただし専門求人サイト側では、同じ媒体でありながら「手当込みの総額提示」と判定できた件数がブロックによって1件〜8件とばらつきました。求人票の書きぶりが地域によって違うのか採取者の判定が割れたのかを区別できないため、地域ブロックの比較は求人票の構造上すべて総額提示になる公的職業紹介(各ブロック13件ずつ・判定基準が同一)に媒体を固定して算出しています。専門求人サイト側で計算しても首都圏が最上位である点は変わりません。
- 事前検証では自動車整備の専門求人サイトをもう1つ使う予定でしたが、月給の実額を載せている求人が極端に少なく(あるブロックでは105件の詳細を開いて月給表記が4件、うち3件は職種の範囲外)、さらに実査中にアクセス制限がかかったため、ブロック別の採取数が0〜8件とばらつきました。ブロックごとに媒体を差し替えると地域差ではなく媒体差を測ってしまうため、この媒体は全ブロックから除外しています(17件)。結果として媒体は2つだけです。
- 専門求人サイトは求人一覧が想定年収で構成されており、月給の実額が読み取れる求人だけを採っています。年収表記しかない求人は、賞与や残業代を含む想定額であって月給に割り戻せないため対象外としました(年収を12で割った数字は使っていません)。したがって専門求人サイトから採った24件は「月給を明示している求人」に偏っており、同じサイトの掲載全体を代表するものではありません。
- 月給の内訳(基本給がいくらか)が読めたのは主系列89件中78件です。媒体別では公的職業紹介が65件中65件、専門求人サイトが24件中13件でした。対応比較78件はこの内訳が読めた求人で、副系列は主系列と独立した別の求人群ではなく同じ求人の内訳です。なお「基本給のみ提示」と判定した求人は提示額と基本給が定義上同じ数字になるため、対応比較からは除いています。
- 「手当込みの総額提示」か「基本給のみの提示」かの判定基準は、実査を始める前に1文に固めて5ブロック全員に同じ文言で渡しました。公的職業紹介の求人票は賃金欄の構造から機械的に総額提示になります(基本給a+定額的に支払われる手当b の合計)。専門求人サイトは求人票の書きぶりに依存するため、手当の扱いに言及がないものは推測せず判別不能としています。
- 同一企業・同一法人の重複や、同じ事業所が複数の媒体に出ている重複は採取の時点で除外しています(媒体をまたぐ重複が複数確認されました)。採取後に「下限・上限・都道府県・業態」が一致する求人を機械的に照合しましたが、追加で削除された求人はありませんでした。ただし採取時点の除外判断には採取者の判断が入っています。
- 対象は乗用車・軽自動車・トラック・バスの整備職に限っています。自動車検査員の専任求人、鈑金・塗装の専任求人、サービスフロント・受付、ガソリンスタンドの軽整備、二輪専業、建設機械・農業機械・フォークリフト・航空機・鉄道車両の整備、損害保険の技術アジャスターは除外しました。専門求人サイトの「自動車整備士」の職種区分には建設機械やレンタカーの整備が実際に混入しており、求人ごとに仕事内容を読んで判定しています。
- パート・アルバイト・派遣・契約社員は対象外です。一覧では正社員と表示されていても詳細で有期雇用と判明した求人(「入社後半年間は契約社員」など)は除外しています。時給制・日給制の求人、年収のみを示す求人も月給が読み取れないため対象外です。
- 実査できたのは38都道府県で、全都道府県は網羅していません。三重・滋賀・奈良・岐阜・長崎・大分・沖縄は各1件と薄く、地域ブロック別の数字は媒体を固定すると各13件なので信頼区間が広くなります。首都圏と北海道・東北の差以外、中間3ブロックの順位は確定していません。
- 業態(ディーラー/整備工場・車検専門店/カー用品店ほか)は媒体によって判定の根拠が違います。専門求人サイトは業態タグが明示されていますが、公的職業紹介の求人票には業態欄がなく、仕事内容と事業内容から判定しました。カー用品店5件・運送会社の自社整備6件・中古車販売3件は件数が少なく参考値です。
- 月給下限のみを集計しています。賞与、資格手当の実績額、工具手当、残業代の実支給額は含んでいないため、年収や手取りの比較にはそのまま使えません。整備士は保有資格(3級・2級・1級・自動車検査員)と実務経験で入社後の昇給幅が変わりますが、それは求人票の月給欄の下限には現れません。
実査方法: 複数の求人検索サイトで公開されている自動車整備士の正社員求人130件(全国38都道府県・重複排除後)の月給表記を、地域5ブロックに分けて実査(2026-07-26時点)。地域と媒体が交絡しないよう全ブロックで媒体構成を揃えたうえで、給与表記を「手当込みの総額提示」と「基本給のみ提示」に分けて集計し、中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、5,000円単位に丸めています。
給与の数字だけでなく「職場のリアル」も確かめてから応募したい方へ。リクプルは働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています。
インタビュー記事を見る