このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
月給下限の中央値21万円95%信頼区間 21万円〜21.2万円(n=5790)
求人の中央50%が収まる帯19.5万円〜24.3万円上下25%ずつを除いた「よくある帯」
現実的な期待値の目安25.8万円各求人のレンジ中央の中央値
この数字が指しているもの
上の数字は求人票に出ている提示額(基本給+定額手当+固定残業代)の求人だけを集計した値です(求職者が募集要項で最初に目にする金額です。この媒体の求人票は賃金欄の構造上、必ずこの合計額が表示されます)。 同じ職種でもその求人票の内訳に書かれている基本給で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は20万円(n=5790・主系列と同じ5,790件の内訳です。独立した別の求人群ではありません)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。
提示額と基本給の対応比較(5,790件・同じ求人どうし)※5,790件中3,001件(51.8%)は1円単位で完全に同額でした| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 求人票に出ている提示額 | 5790件 | 21万円 |
| その内訳にある基本給 | 5790件 | 20万円 |
同じ対応比較を「固定残業代の有無」で分けると ※提示額の3.9万円の差は、基本給では消えます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 固定残業代あり・提示額 | 687件 | 24.6万円 |
| 固定残業代あり・その内訳の基本給 | 687件 | 20万円 |
| 固定残業代なし/記載なし・提示額 | 5103件 | 20.7万円 |
| 固定残業代なし/記載なし・その内訳の基本給 | 5103件 | 20万円 |
地域ブロック別(提示額の月給下限)※隣り合うブロック4組すべてで信頼区間が重なりませんでした| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 676件 | 23.9万円 |
| 関西・東海 | 1269件 | 22万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 1094件 | 21.2万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1634件 | 20.5万円 |
| 北海道・東北 | 1117件 | 20万円 |
同じ地域ブロックを「内訳にある基本給」で見ると ※順位は入れ替わりませんが、中位2ブロックは同額になります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 676件 | 22万円 |
| 関西・東海 | 1269件 | 20.3万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 1094件 | 20万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 1634件 | 20万円 |
| 北海道・東北 | 1117件 | 19万円 |
整備士資格の要件別(提示額の月給下限)※二級以上と資格不問の差は、7つの業態すべてで同じ向きに出ました| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 二級以上が必須 | 1135件 | 23万円 |
| 三級・級指定なしで可 | 1165件 | 21.9万円 |
| 整備士資格は不問・歓迎 | 3490件 | 20.4万円 |
同じ資格要件を「内訳にある基本給」で見ると ※差は2.6万円から1.0万円に縮み、三級と資格不問は同額になります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|
| 二級以上が必須 | 1135件 | 21万円 |
| 整備士資格は不問・歓迎 | 3490件 | 20万円 |
| 三級・級指定なしで可 | 1165件 | 20万円 |
資格要件を「必要な経験」で揃えて比べ直すと(提示額)※二級以上の上乗せは3つの経験区分すべてで残りますが、三級と資格不問の上下は入れ替わります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 経験必須のなかで・二級以上が必須 | 479件 | 25万円 |
| 経験必須のなかで・整備士資格は不問・歓迎 | 425件 | 23万円 |
| 経験があれば尚可のなかで・二級以上が必須 | 249件 | 23万円 |
| 経験必須のなかで・三級/級指定なしで可 | 452件 | 22.1万円 |
| 経験不問のなかで・二級以上が必須 | 407件 | 22万円 |
| 経験があれば尚可のなかで・三級/級指定なしで可 | 300件 | 21.9万円 |
| 経験不問のなかで・三級/級指定なしで可 | 413件 | 21.4万円 |
| 経験があれば尚可のなかで・整備士資格は不問・歓迎 | 1234件 | 20.4万円 |
| 経験不問のなかで・整備士資格は不問・歓迎 | 1831件 | 20万円 |
必要な経験別(提示額の月給下限)| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 経験が必須 | 1356件 | 23万円 |
| 経験があれば尚可 | 1783件 | 21万円 |
| 経験は不問 | 2651件 | 20.5万円 |
定額手当(資格手当・職務手当など)の有無別(提示額の月給下限)※提示額は手当のあるほうが高く出ます| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 定額手当あり | 2394件 | 21.5万円 |
| 定額手当なし | 3396件 | 21万円 |
同じ区分を「内訳にある基本給」で見ると ※上下が入れ替わります。5つの地域ブロックすべてで同じ向きでした| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 定額手当なし | 3396件 | 20.2万円 |
| 定額手当あり | 2394件 | 19.5万円 |
固定残業代の有無別(提示額の月給下限)※5つの地域ブロックすべてで同じ向きに出ました| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 固定残業代の記載あり | 687件 | 24.6万円 |
| 固定残業代なし/記載なし | 5103件 | 20.7万円 |
業態別(提示額の月給下限)※最上位の「運送・バス・タクシー会社の自社整備」以外は、隣り合う業態の信頼区間がすべて重なります| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 運送・バス・タクシー会社の自社整備 | 638件 | 22.6万円 |
| カー用品店ほか | 103件 | 22.5万円 |
| ガソリンスタンド運営会社の整備部門 | 155件 | 21.5万円 |
| 中古車販売店 | 649件 | 21万円 |
| 整備工場・車検専門店 | 2690件 | 21万円 |
| 自動車販売店・ディーラー | 1050件 | 21万円 |
| その他 | 505件 | 21万円 |
自動車検査員の要件別(提示額の月給下限)※検査員必須96件は参考値です| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 自動車検査員が必須 | 96件 | 25万円 |
| 自動車検査員はあれば尚可 | 553件 | 22万円 |
| 自動車検査員の記載なし | 5141件 | 21万円 |
年間休日別(提示額の月給下限)※休日が少ない求人ほど月給が高い、という関係は出ませんでした| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
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| 年間休日 120日以上 | 863件 | 21.8万円 |
| 年間休日 105〜119日 | 3116件 | 21.5万円 |
| 年間休日 105日未満 | 1811件 | 20.3万円 |
実査で見えたこと
- 月給が高く見える求人は、その多くが固定残業代を含んでいます。固定残業代の記載がある687件(11.9%)は提示額の中央値24.6万円(95%信頼区間24.2〜25.0万円)、記載のない5,103件は20.7万円(20.5〜21.0万円)で信頼区間が重ならず、この向きは5つの地域ブロックすべてで同じでした。ところが同じ求人の内訳にある基本給で並べ直すと、どちらも20.0万円で差が消えます(差の信頼区間は−0.04〜0.00万円)。決め手は差額のほうで、提示額と基本給の差は固定残業代のある求人が4.0万円(3.9〜4.3万円)、ない求人が0円(0〜0円)と完全に分離しました。つまり見かけの3.9万円はまるごと残業代の先出しです。固定残業代のある687件のうち、提示額と基本給が同額の求人は1件もありませんでした。想定されている時間数は中央値20時間・第3四分位30時間で、判明した682件のうち185件が30時間以上、6件が45時間超、最長は78時間分でした。これは前版(N=4,536)と同じ結論で、件数を1.3倍にしても動いていません。
- 固定残業代がなければ、この職種の月給欄はほぼそのまま基本給と読めます。基本給は提示額の中央値100.0%で、5,790件のうち3,001件(51.8%)が1円単位で完全に同額でした。看護師(基本給は提示額の85%)や保育士(83%)、介護職(81%)のように毎月の手当を月給に積み上げる職種とは構造が違います。ただし例外は2割あります。1,200件(20.7%)は基本給が提示額の9割を切り、そのうち630件は固定残業代のない求人でした。乖離をつくっているのは定額手当で、5,790件のうち2,394件(41.3%)に何らかの定額手当が付き、その合計額の中央値は1.1万円(第3四分位2.95万円)です。名目は資格手当470件・職務手当278件・住宅手当258件・整備士手当164件・技能手当146件・工具手当142件の順でした。最も差が大きい求人は提示額23.95万円に対し基本給2.2万円(9.2%)で、差の大半は評価能率手当20.5万円です。中央値が安心材料になるのは全体の話であって、応募先の1件がどちら側かは求人票の内訳欄を開くまで分かりません。
- 定額手当が付いている求人は、提示額が高いぶん基本給が低くなっています。これは前版では見ていなかった関係です。定額手当のある2,394件は提示額21.5万円で、ない3,396件の21.0万円を0.5万円上回ります(信頼区間0.4〜1.0万円)。ところが同じ求人の内訳にある基本給で並べ直すと19.5万円対20.2万円と上下が入れ替わり、手当のあるほうが0.7万円低くなります(−0.8〜−0.4万円)。この向きは5つの地域ブロックすべてで信頼区間が0をまたがず、固定残業代のない求人だけに絞っても残ります(提示額+0.8万円・基本給−0.7万円)。手当は基本給の上に積み増されているのではなく、一部が基本給から振り替えられているように見えます。業態別では自動車販売店・ディーラー、運送・バス・タクシー会社の自社整備、カー用品店、その他の4業態で確定し、整備工場・車検専門店、中古車販売店、ガソリンスタンドの3業態では信頼区間が0に接しました。賞与や退職金が基本給を基準に計算される会社では、同じ提示額でも年間の受取額が変わります。
- 整備士資格は、二級以上とそれ以外のあいだにだけはっきりした段差があります。二級以上が必須の1,135件は23.0万円(22.9〜23.5万円)、資格不問・歓迎の3,490件は20.4万円(20.2〜20.5万円)で、差2.6万円の信頼区間は2.4〜3.2万円です。7つの業態すべてで同じ向きに出て、経験要件を揃えても——経験必須のなかで2.0万円、経験があれば尚可のなかで2.6万円、経験不問のなかで2.0万円——すべて信頼区間が0をまたぎません。ただし地域ブロック別に見ると首都圏だけは差の信頼区間が0.00〜2.90万円で確定しませんでした。一方、前版で3段の階段のように書いた資格要件は、そこまできれいには並びません。三級・級指定なしで可の1,165件(21.9万円)と資格不問(20.4万円)の上下は、経験を揃えると入れ替わります。経験必須のなかでは三級22.1万円に対し資格不問23.0万円で、差の信頼区間は−1.5〜0.0万円です。段差として読めるのは「二級以上か、そうでないか」のところだけだと考えてください。また内訳の基本給で引き直すと二級以上21.0万円対資格不問20.0万円と差が1.0万円まで縮み、三級と資格不問は同額になるので、上乗せのかなりの部分は資格手当として支払われている可能性があります。なお自動車検査員を必須とする96件は25.0万円で、二級以上必須の求人のなかで比べても2.0万円高く出ました(1.0〜3.4万円・n=91の参考値)。
- 地域差は、この職種では基本給そのものの差です。首都圏23.9万円・関西東海22.0万円・甲信越北陸北関東21.2万円・中国四国九州沖縄20.5万円・北海道東北20.0万円と一列に並び、今回は隣り合う4組すべてで信頼区間が重なりませんでした(前版では下位2ブロックどうしが分離していませんでした)。この順序は、同じ求人の内訳にある基本給で並べ直しても入れ替わりません(首都圏22.0万円・北海道東北19.0万円)。ただし中位の甲信越北陸北関東と中国四国九州沖縄は基本給ではどちらも20.0万円で、提示額で見えていた0.7万円の差は消えます。業態については、前版で「条件を揃えても上位に残る」と書いた運送会社・バス会社・タクシー会社の自社整備(638件・22.6万円)は、整備工場・車検専門店21.0万円との差が資格不問どうし・経験不問どうし・固定残業代なしどうしでも残りました。ただし5つの地域ブロックすべてで確定する、とまでは言えません。点推定ではどのブロックでも運送系が上ですが、首都圏(差の信頼区間−0.9〜2.0万円)と関西・東海(−0.2〜1.5万円)では確定しませんでした。前版の「5ブロックすべてで」という書き方は撤回します。一方、二級以上を必須にする求人でディーラー22.3万円が整備工場24.0万円を下回る関係(差の信頼区間−2.9〜−0.7万円)は今回も再現し、資格不問の求人では差が消える点も同じでした。
この職種の求人票の読み方
整備士の求人票は、月給欄に何が含まれているかで意味がまったく変わります。全国5,790件の実査から見えた、確認すべき順番は次の通りです。
- まず固定残業代の有無と時間数を見る。実査した5,790件のうち固定残業代の記載があったのは687件(11.9%)でしたが、その687件は提示額の中央値が24.6万円と、記載のない5,103件の20.7万円を明確に上回りました。ところが内訳の基本給で並べ直すと、どちらも20.0万円で差が消えます。差額の中央値4.0万円はまるごと残業代の先出しで、687件のうち提示額と基本給が同額の求人は1件もありませんでした。想定時間数は中央値20時間、185件が30時間以上、6件が45時間超、最長は78時間分です。月給24万円の求人と20万円の求人が並んでいるとき、その差が基本給の差なのか、月20時間・場合によっては月78時間分の残業を前提にした数字なのかで、時間あたりの条件は逆転しえます。求人票の給与欄の但し書きを必ず読んでください。
- 固定残業代がなければ、月給欄はほぼ基本給と読んでよい。これは他職種と大きく違う点です。基本給は提示額の中央値100.0%で、5,790件中3,001件(51.8%)が1円単位で完全に同額でした。看護師(基本給は提示額の85%)や保育士(83%)、介護職(81%)のように毎月の手当が月給に積まれる職種では「月給25万円」の実態が基本給20万円ということが普通に起きますが、整備士ではその心配は相対的に小さいと言えます。賞与や退職金が基本給を基準に計算される会社では、この違いは年間の受取額に効いてきます。
- ただし2割は例外で、しかも固定残業代とは限らない。手当が厚い求人ほど基本給は低い。1,200件(20.7%)は基本給が提示額の9割を切っており、そのうち630件は固定残業代のない求人でした。乖離をつくっているのは定額手当で、実査した5,790件のうち2,394件(41.3%)に何らかの定額手当が付いています(合計額の中央値1.1万円、名目は資格手当・職務手当・住宅手当・整備士手当・技能手当・工具手当の順)。注意したいのは、手当のある求人は提示額が0.5万円高い一方で、基本給は0.7万円低いことです。この向きは5つの地域ブロックすべてで確認できました。手当は基本給に積み増されるのではなく、一部が振り替えられているように見えます。内訳が書かれていない求人では、面接で「この月給のうち基本給はいくらですか」と確認する価値は十分にあります。
- 資格は「二級以上か、そうでないか」の1段だけ。三級は資格不問と大きく変わらない。二級以上必須の求人は23.0万円、資格不問・歓迎は20.4万円で、この差は7つの業態すべてで同じ向き、経験要件を揃えても残ります(首都圏だけは信頼区間が0に届き、確定しませんでした)。一方で三級・級指定なしで可の求人(21.9万円)は、経験必須の求人どうしで比べると資格不問(23.0万円)を下回ります。三級を取ったから一段上がる、という読み方はこの実査では支持されませんでした。なお自動車検査員を必須とする求人は25.0万円で、二級以上必須のなかで比べても2.0万円高く出ています(96件の参考値)。内訳の基本給で見ると二級以上の上乗せは1.0万円まで縮むので、上乗せが「基本給の水準として高い」のか「資格手当として付いている」のかは求人票の内訳欄で確認してください。
- 「ディーラーだから高い」という前提は置かない。むしろ資格を持っているほど差は逆を向く。今回の実査では自動車販売店・ディーラー21.0万円、整備工場・車検専門店21.0万円、中古車販売店21.0万円が並びました。とくに二級以上を必須にする求人ではディーラー22.3万円に対し整備工場24.0万円で、差の信頼区間は−2.9〜−0.7万円です(資格不問の求人では差が消えます)。相対的に上位に出たのは運送会社・バス会社・タクシー会社の自社整備部門(638件・22.6万円)で、整備工場との差は資格不問どうし・経験不問どうし・固定残業代なしどうしでも残りました。ただし首都圏と関西・東海では差が確定しないので、「どこでも運送系が高い」とまでは言えません。業態そのものより、扱う車種(国産/輸入車/大型車)、車検・一般整備と点検の比率、休日体制と繁忙期、工具の自己負担の有無、資格取得支援の実績のほうが働き方と手元に残る額を左右します。
- 年間休日が少ない求人は、そのぶん月給が高いわけではない。年間休日105日未満の1,811件は20.3万円で、105〜119日の21.5万円・120日以上の21.8万円を下回りました。整備工場・ディーラー・中古車販売店のどの業態で見ても同じ向きです(運送・バス・タクシー会社の自社整備だけは差が確認できず、また地域で見ると首都圏だけは向きが逆に出ます)。休日の少なさは月給で埋め合わされていないので、年間休日は月給とは独立に確認してください。実査した求人の年間休日は中央値107日、最小63日・最大163日で、105日未満が31%を占めます。
- 地域をまたぐ転職では、首都圏の差は本物だと考えてよい。首都圏23.9万円は関西・東海22.0万円、甲信越・北陸・北関東21.2万円、中国・四国・九州・沖縄20.5万円、北海道・東北20.0万円と一列に並び、今回は隣り合う4組すべてで信頼区間が重なりませんでした。しかも同じ求人の内訳にある基本給で並べ直しても順位が入れ替わりません(首都圏22.0万円・北海道東北19.0万円)。首都圏の高さは地域手当の上乗せではなく基本給そのものの差なので、賞与や退職金の算定にも効いてきます。ただし中位の甲信越・北陸・北関東と中国・四国・九州・沖縄は、基本給ではどちらも20.0万円で差が消えます。
- 上限額は「誰の数字か」を確認する。月給の幅は上限が下限の中央値1.38倍・上限の中央値30.0万円で、5,790件のうち上限と下限が同額の求人は221件(3.8%)しかありませんでした。事務(1.18倍)や保育士(1.17倍)と違い、整備士は資格の段階と実務経験で処遇に幅を持たせる設計が標準です。求人票の上限額が何級・何年目を想定したものか、そこに到達した人が実際にいるかを聞いておくと、入社後のずれを防げます。
あわせて、繁忙期の残業実績(求人票の固定残業時間を超えた分が支払われているか。実査した求人の月平均時間外は中央値10時間・第3四分位20時間です)、資格取得の費用負担と受験機会、工具の貸与か自己購入か(工具手当の記載があるのは142件だけです)、認証工場か指定工場か、扱う車種の幅を見ると、同じ月給でも条件の差が判断できます。とくに固定残業代のある求人では、設定された時間数が実態に対して長いのか短いのかが、そのまま月々の手取りの差になります。
この調査の限界(お読みください)
- 媒体は公的職業紹介の1つだけです。事前検証では自動車整備の専門求人サイトも候補にしましたが、求人一覧が想定年収で構成されていて月給の実額が読める求人が少なく、賃金の内訳(基本給がいくらか)も取れないため、地域比較に「媒体差=内訳開示率の差」が乗ります。地域と媒体が交絡することを避けるために媒体を1つへ固定しましたが、そのぶん媒体による違いそのものは今回まったく評価できていません。掲載されていない求人(非公開求人・民間の転職サイトにしか出ていない求人)は含まれていません。
- 検索語は「整備士/自動車整備/メカニック/整備工/整備」の5つで、それぞれを全47都道府県の検索結果の最後のページまで巡回しました(前版は「整備士」1語だけ)。東京都の1ページ目で「自動車整備」の30件のうち「整備士」にも出るのは15件だけで、語を1つに絞ると拾える求人が変わるためです。5語で得た26,966行を求人番号で一意化して13,056件とし、その全件を取得して(取得失敗0件)1つのプログラムで処理しています。抽出ではなく全件処理なので掲載順による偏りは受けていません。実際、県内の掲載順の前半と後半で提示額の中央値の差は0.09万円(95%信頼区間 −0.42〜0.20万円)で、差は確認できませんでした。ただしこの媒体の並び順は受理日の新しい順で、受付年月日は最も古いもので2026年7月1日、中央値が8月7日です。直近3か月に受理された求人に寄っています。
- 同一法人が同じ給与で複数の事業所ぶんの求人を出しているケースが多く、絞り込み後8,826件のうち3,036件(34%)がこれに該当したため名寄せで除外しています(事業所名・給与・定額手当・産業分類の一致で判定)。最大のものは1社が同じ月給で145件の店舗別求人を出していました。名寄せをしないと実効の件数が水増しされ、相場が特定の企業の賃金表に引きずられます。名寄せに使った事業所名は集計前に破棄しました。
- 名寄せは全国一本で行っているため、全国展開する企業の求人は1件だけ残り、その1件は最初に巡回した都道府県に置かれます。地域比較がこの巡回順に引きずられていないかを確かめるため、都道府県ごとに名寄せした版(N=6,218)でも地域ブロックの中央値を出しました。順位は5ブロックとも同じです(首都圏24.0万円・関西東海22.3万円・甲信越北陸北関東21.5万円・中国四国九州沖縄21.0万円・北海道東北20.0万円)。ただし中位以下のブロックは0.3〜0.5万円上がり(最も動くのは中国・四国・九州・沖縄の20.5万円→21.0万円)、隣り合うブロックの差はそのぶん縮みます。ブロックの順序は名寄せの単位に依存しませんが、差の大きさは少し依存します。
- 都道府県ごとの採用件数は40件(鳥取県)から384件(北海道)まで開きがあります。求人の実数をそのまま反映した件数なので、全国の数字は求人の多い地域の影響を強く受けます。地域ブロック別の件数がブロックごとに違うのも、ブロックに含まれる県の数と求人数の違いによるものです。
- 求人票の「就業場所」に都道府県名が書かれておらず、市区町村名や「各店舗」とだけ書かれている求人が99件(1.7%)ありました。この分は事業所の所在地(91件)、それも読めない場合は検索した都道府県(8件)を代入しています。なお検索した都道府県と求人票の就業場所が食い違ったのは5,790件中2件(0.03%)でした。
- 基本給(副系列)の中央値20.0万円は信頼区間が一点に退化しています。5,790件中739件がちょうど20.0万円で、ブートストラップの再標本20,000回すべてで中央値が20.0万円になったためです。計算の失敗ではなく、「20.0万円ちょうどに求人が集中している」という分布の形を表しています。提示額の中央値21.0万円の信頼区間は21.0〜21.2万円で、公表値はこれに合わせて1,000円単位に丸めました。
- 資格要件は求人票の免許・資格欄の「必須」だけを見て判定しています。この欄には「三級自動車整備士 必須」「二級自動車整備士 必須」が並んだうえで「いずれかの資格を所持で可」と書かれる求人があり、これは OR 条件なので最上位ではなく最も低い級を採りました。この扱いをせずに最上位を採ると、二級以上必須の件数が実態より増えます。
- 対象は乗用車・軽自動車・トラック・バスの整備職です。二輪(ハーレーなどの輸入二輪を含む)、建設機械・農業機械・フォークリフト、航空機・鉄道・船舶の整備、産業機械・設備保全は職種名で除外しました。四輪以外の車種が職種名に併記されている求人(「建設機械整備士・自動車整備士」など)も、主たる対象が四輪でないと判断して除外しています。サービスフロント・受付・サービスアドバイザー・営業職・回送・洗車専任は、整備士資格が必要な求人でも別職種として除外しました。ただし「ノルマ・フロント業務なし」のように打ち消しで書かれている場合は、否定句を先に伏せてから判定しています(これを入れないと、フロント業務が無いことを売りにしている整備士求人を取りこぼします)。工場長・整備管理者などの役職も除外しましたが、「自動車整備士/工場長確約」のように現場職+昇格ルートの表記は職種内に残しました。鈑金・塗装は、整備が併記されていない専任求人だけを除外しています。この採否はすべて1つの判定関数で全件に適用しています。
- 業態は求人票の「産業分類」を第一の根拠に、職種名・仕事内容・事業内容で補って判定しています。ディーラー(正規販売代理店)と中古車販売店はどちらも産業分類が自動車小売業・自動車卸売業のため記述で分けており、ここは機械判定の限界があります。カー用品店ほか103件とガソリンスタンド運営会社155件は件数が少なく参考値です。産業分類が自動車業界の外にある事業所(運送会社の自社整備工場など)は職種名・仕事内容で拾い直しており、「その他」は505件(8.7%)です。
- パート・アルバイト・派遣・契約社員は対象外です。求人票の「雇用形態」が正社員、「賃金形態等」が月給のものだけを採っています。この媒体の検索結果一覧は日給制・時給制の求人も月額換算で表示するため、一覧の金額では判別できません(一覧の表示ではなく求人票の賃金形態を確認し、これで445件を除外しました)。
- 月給下限のみを集計しています。賞与、資格手当の実績額、工具手当、残業代の実支給額は含んでいないため、年収や手取りの比較にはそのまま使えません。賞与の月数が書かれていた3,677件の中央値は2.5か月ですが、これは記載のある求人だけの数字です。なお月給の上限額は、求人票に書かれた金額をそのまま集計しています(最大値は月額250万円ですが、これは1件だけの記載で、桁の書き誤りと見られます。中央値30.0万円・第3四分位35.0万円はこの1件の影響を受けません)。
- 採用5,790件のうち250件(seed 固定の無作為抽出)を、新しい通信セッションから求人票を取り直して機械照合しました。提示額の上限・下限、基本給の上限・下限、就業場所の都道府県、雇用形態、賃金形態、産業分類、固定残業代の有無、年間休日、経験要件のすべてで不一致は0件、取得失敗も0件です。
実査方法: 複数の求人検索サイトで公開されている自動車整備士の正社員求人5,790件(全国47都道府県・重複排除後)の月給表記を、地域5ブロックに分けて実査(2026-09-26時点)。地域と媒体が交絡しないよう媒体を1つに固定し、5つの検索語で全47都道府県の検索結果を最後のページまで巡回して求人票13,056件を1つのプログラムで全件処理したうえで、給与表記を「手当・固定残業代を含む提示額」と「その内訳の基本給」に分けて集計し、中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、1,000円単位に丸めています。
給与の数字だけでなく「職場のリアル」も確かめてから応募したい方へ。リクプルは働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています。
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