施工管理(建築・土木・設備/正社員)の求人相場
このページは「平均年収」の統計ではなく、いま実際に掲載されている求人の提示額を実査した定点観測データです。今この職種に応募したら、求人票にどんな数字が並んでいるかが分かります。
この数字が指しているもの
上の数字は手当・固定残業代を含んだ総額提示の求人だけを集計した値です(施工管理の求人ではこの書き方が最も多い)。 同じ職種でも基本給のみの提示(手当・残業代は別途と明記)で出している求人は水準が異なり、月給下限の中央値は25万円(n=29・件数が29件と少なく、信頼区間も広いため参考値です)。 表記の違う求人どうしを同じ土俵で比べないでください。 給与の内訳を判別できなかった26件は、どちらにも入れず集計から除外しています。
| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|---|---|
| 求人票に出ている提示額(手当・固定残業代込み) | 59件 | 26万円 |
| その内訳にある基本給 | 59件 | 25万円 |
| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|---|---|
| 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 10件 | 29万円 |
| 関西・東海 | 10件 | 28万円 |
| 中国・四国・九州・沖縄 | 10件 | 25.5万円 |
| 甲信越・北陸・北関東 | 10件 | 25.5万円 |
| 北海道・東北 | 10件 | 25万円 |
| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|---|---|
| 民間の求人サイト① | 19件 | 28万円 |
| 民間の求人サイト② | 24件 | 27万円 |
| 公的職業紹介(求人票に給与の内訳あり) | 50件 | 26万円 |
| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|---|---|
| 建築/首都圏・関西・東海 | 23件 | 27.5万円 |
| 土木/首都圏・関西・東海 | 8件 | 29.5万円 |
| 建築/それ以外の地域 | 13件 | 30万円 |
| 土木/それ以外の地域 | 31件 | 25万円 |
| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|---|---|
| 施工管理技士の資格が必須 | 31件 | 28万円 |
| 資格不問 | 30件 | 27万円 |
| 資格はあれば尚可 | 28件 | 25万円 |
| 区分 | 実査件数 | 月給下限の中央値 |
|---|---|---|
| 固定残業代あり | 17件 | 27万円 |
| 固定残業代なし | 33件 | 25.5万円 |
実査で見えたこと
- 施工管理の求人は、提示されている月給の幅が他の職種より際立って広いのが特徴です。上下限とも書かれた88件では、上限は下限の中央値1.61倍、4件に1件は1.80倍以上でした。下限と上限の差は中央値16.5万円あり、32%(28件)は20万円以上の開きがあります。上限が50万円以上の求人が26件、最も高いものは80万円でした。同じ方法で実査した営業職は1.40倍・幅10.0万円だったので、施工管理の「〜◯◯万円」はかなり遠い目標値だと考えたほうが実態に合います。入社時に約束されるのは基本的に下限側です。
- 提示額と基本給の関係は、この職種では二極化していました。内訳を確認できた59件のうち51%(30件)は手当が乗っておらず、提示額がそのまま基本給です。一方で36%(21件)は提示額と基本給の差が4万円以上あり、最も乖離した求人は提示35.4万円に対し基本給20.0万円(57%)でした。中央値では基本給は提示額の100%ですが、下位10%は74%以下です。営業職(基本給が提示額の中央値92%)のように全体が底上げされているのではなく、「素の基本給の求人」と「手当を厚く乗せた求人」が混在している構図です。
- 地域による差は、今回の実査では確定できませんでした。内訳が読める媒体に固定すると首都圏29.0万円・北海道・東北25.0万円で4万円の開きが出ますが、各層10件で信頼区間が重なります。さらに媒体を変えると順位そのものが入れ替わり、別の媒体では甲信越・北陸・北関東が29.9万円で最上位、関西・東海が25.3万円で最下位になりました。媒体をまたいだ主系列の中央値も26.0万円〜28.0万円と幅があり、地域よりも媒体による違いのほうが大きく出ています。
- 工種(建築・土木・設備)で相場を語ることはできませんでした。全体では建築28.0万円・土木25.5万円と2.5万円の差に見えますが、これは工種ごとに勤務地の構成が違うことの反映です。土木は55件中44件(80%)が首都圏・関西・東海以外の求人でした。地域を揃えて比べ直すと、首都圏・関西・東海では土木29.5万円が建築27.5万円を上回り、それ以外の地域では建築30.0万円が土木25.0万円を上回って、上下が逆転します。内訳が読める媒体に固定した場合も建築26.0万円・土木26.5万円でほぼ差がありません。
- 資格を持っているほど下限が上がる、という形にはなっていませんでした。施工管理技士が必須の求人28.0万円に対し、資格不問の求人が27.0万円、「資格はあれば尚可」の求人が25.0万円と、順序が単調ではありません。信頼区間もすべて重なっています。「あれば尚可」が最も低いのは、この層44件の半数(22件)が未経験可の求人で、資格と経験の両方を求めない設計になっているためです。実査した148件のうち73件(49%)が未経験可で、資格の有無より求人そのものの設計が下限を決めています。
この職種の求人票の読み方
施工管理の求人票は、給与欄の幅が広いこと自体がこの職種の特徴です。実査から見えた、確認すべき順番は次の通りです。
- 上限額は判断材料から一度外す。上下限とも書かれた88件で、上限は下限の中央値1.61倍、幅は中央値16.5万円ありました。上限50万円以上の求人が26件、最高は80万円です。この上限は多くの場合、有資格・大規模現場・所長クラスまで想定した幅で、入社時の提示ではありません。まず下限を見て、そこに自分の経験と資格でいくら足せるのかを面接で確認するほうが確実です。
- 月給の内訳を探す。内訳を確認できた59件では、半数(30件)は手当がなく提示額=基本給でしたが、36%(21件)は提示額と基本給の差が4万円以上ありました。最も差が大きい求人は提示35.4万円に対し基本給20.0万円です。賞与や退職金を基本給基準で計算する会社では、同じ提示額でも受け取る額が変わります。公的職業紹介(ハローワーク)の求人票は基本給(a)・定額的に支払われる手当(b)・固定残業代(c)が分けて書かれているので、同じ会社の求人が民間サイトにも出ている場合は突き合わせると内訳が分かります。
- 固定残業代は「額」と「時間数」をセットで見る。額まで確認できた53件では、固定残業代の中央値は4.6万円、想定時間数の中央値は26.5時間でした。4分の1は6.7万円以上、40時間以上に設定された求人も12件あります。施工管理は現場の工期に労働時間が左右されやすい職種なので、何時間分が含まれているのか、超過分が別途支給されるのかは必ず確認してください。
- 比べる相手は「同じ媒体に出ている求人」にする。今回の実査では、地域による差(内訳が読める媒体で首都圏29.0万円・北海道東北25.0万円)よりも、媒体による差のほうが安定して出ました。媒体をまたぐと地域の順位まで入れ替わります。他県の求人や別サイトの数字と比べても判断材料になりにくいので、同じサイトに並んでいる求人どうしで比べてください。
- 工種と資格で相場を決めつけない。建築と土木の見かけの差2.5万円は、地域を揃えると逆転しました。資格要件も、必須28.0万円・不問27.0万円・あれば尚可25.0万円と順序が単調になっていません。「1級を取れば相場がいくら上がる」という形では今回のデータは動いていないので、資格手当が月いくら付くのかを求人票の手当欄で個別に確認するほうが実際的です。
あわせて、年間休日数・現場の所在地(直行直帰か、転勤・出張の有無)・4週8休が取れているか・資格取得支援の有無を見ると、同じ月給でも働き方の差が判断できます。施工管理は勤務地と工期の影響が大きい職種なので、給与欄と同じくらいこの4点が効いてきます。
この調査の限界(お読みください)
- 求人サイトの掲載順は有料掲載の影響を受けるため、完全な無作為抽出ではありません。1ページ目だけに偏らないよう複数サイト・複数ページ・都道府県別の検索から採取していますが、掲載されていない求人(非公開求人など)は含まれていません。
- 地域と媒体が交絡しないよう、5ブロックすべてで媒体構成を揃えて採取しました(各ブロックで3媒体を各10件)。それでも地域ブロックの順位は媒体を変えると入れ替わります。ある媒体では首都圏が最も高く北海道・東北が最も低く出ますが、別の媒体では甲信越・北陸・北関東が最上位、関西・東海が最下位になりました。施工管理については、今回の実査で地域差を確定できていません。
- 月給の内訳(基本給がいくらか)を開示するかどうかは媒体によって極端に差があり、内訳を取得できた割合は、公的職業紹介の求人票が50件中50件(100%)だったのに対し、民間の求人サイトは98件中9件(9%)でした。提示額と基本給の対応比較59件は、その大半が前者の求人です。
- 工種区分(建築・土木・設備)ごとの数字は、そのまま工種の差として読めません。土木は55件中44件が首都圏・関西・東海以外の地域の求人で、建築は53件中29件が首都圏・関西・東海の求人と、工種によって勤務地の構成が違うためです。実際、地域を揃えて比べると建築と土木の上下は地域によって逆転します。なお地域を揃えた比較のうち「土木/首都圏・関西・東海」は8件と少なく、参考値です。
- 民間の求人サイトでは「年収450万円〜700万円」のように年収だけで示す求人や日給制の求人が相当数あり、月給が読み取れないため今回の集計から外れています。また勤務地が「全国47都道府県」となっている広域採用の求人は都道府県を特定できないため除外しており、この層はこの数字に反映されていません。
- 同一企業が支店・営業所ごとに同じ給与条件で多数の求人を出しているケースがあり、そのまま数えると相場が歪みます。同一給与・同一都道府県・同一工種のまとまりは1件に名寄せしました(名寄せの判定には掲載内容からの推定が含まれます)。
- 給与の内訳が書かれておらず、手当込みか基本給のみかを判別できなかった26件は、どちらの系列にも入れず集計から除外しています。
- 実査できたのは37都道府県で、全都道府県は網羅していません。鳥取・島根・徳島・高知・佐賀・宮崎・奈良・滋賀・和歌山・三重では、条件に合う求人を確認できませんでした。地域ブロック別の数字は媒体を固定すると各10件になり、信頼区間が広いため参考値です。
- 「施工管理」の検索結果には設備の点検・保守や工事の作業員など、管理業務ではない求人が混ざります。職種の判定には採取時の判断が入っています。
- 月給下限のみを集計しています。施工管理で金額が動く賞与・資格手当・現場手当・出張手当の実績額は含んでいないため、年収の比較にはそのまま使えません。
実査方法: 複数の求人検索サイトで公開されている施工管理の正社員求人148件(全国37都道府県・重複排除後)の月給表記を、地域5ブロックに分けて実査(2026-07-22時点)。地域と媒体が交絡しないよう全ブロックで媒体構成を揃えたうえで、給与表記を「手当込みの総額提示」と「基本給のみ提示」に分けて集計し、中央値の95%信頼区間はブートストラップ法(20,000回)で算出/数値は実査時点の集計であり、個別の求人・企業を示すものではありません。/公表値は中央値の信頼区間が支持する精度に合わせ、5,000円単位に丸めています。
給与の数字だけでなく「職場のリアル」も確かめてから応募したい方へ。リクプルは働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています。
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