「営業職の年間休日は、平均でどのくらいなのか」。求人票を作る担当者も、営業職の転職を考える人も、まず気になる数字です。そしてもう一つ、採用担当者を悩ませる問いがあります。休日を増やすと、その分だけ月給を下げないと採算が合わないのではないか、という問いです。
リクプル編集部は株式会社KD3で、営業職の求人相場ウォッチを続けています。2026年10月28日時点の公的職業紹介の営業(正社員・月給)求人8,213件(全国47都道府県)を、年間休日で分けて見ました。この記事の主張は1つです。営業職の求人票では、年間休日が多い求人が月給を低く出しているという関係は見られない。休日を厚くすることを、月給とのトレードオフとして考えなくてよい。
営業職の年間休日は、中央値120日
8,213件の年間休日の中央値は120日でした。8,213件中4,306件(52%)が120日以上で、最も少ない求人は55日です。年間休日の幅別に件数を見ると、次のとおりです。
- 125日以上:1,736件(21%)
- 120〜124日:2,570件(31%)
- 110〜119日:2,370件(29%)
- 100〜109日:1,252件(15%)
- 99日以下:285件(3%)
全産業の統計と比べると、営業職の求人は休日が多めに出ています。厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査」では、年間休日総数の1企業平均は112.4日、企業規模別では30〜99人の企業が111.2日、1,000人以上が117.7日です。この統計は常用労働者30人以上の企業の平均で、求人票の中央値とは集計の対象も指標も違うため、数字を並べて優劣を言うものではありません。ただ、営業職の求人の半数が120日以上を掲げていることは、求職者が比べる水準の目安になります。
年間休日が多い求人ほど月給が低い、という関係は出ていない
年間休日の幅別に、求人票に出ている月給の下限(営業手当などの定額手当と固定残業代を含む提示額)の中央値を見ます。
- 125日以上(1,736件):24.0万円
- 120〜124日(2,570件):24.0万円
- 110〜119日(2,370件):23.5万円
- 100〜109日(1,252件):24.0万円
- 99日以下(285件):23.0万円
休日が少ないほど月給が高くなる並びにはなっていません。最も休日が少ない99日以下の求人は、最も多い125日以上の求人より、むしろ1.0万円低く出ています。99日以下は285件と件数が薄いので、この1.0万円は参考値として読んでください。厚い層である3つの幅(120〜124日、110〜119日、100〜109日)だけで見ても、23.5万円から24.0万円の間に収まっており、休日の多い少ないで月給が動いている形ではありません。
支援の現場では、「休日を増やすと採算が合わない」と考えて、休日の水準を据え置く会社を見かけます。求人票の相場に出ているのは、休日が多い求人が月給を削って成立しているわけではないという事実です。
休日の少なさは、月給で埋め合わされていない
ここで注意したいのは、年間休日が少ない求人の月給が、休日の少なさを補うほど高くはないという点です。年間休日100〜109日の求人の提示額は24.0万円、125日以上は24.0万円で同じです。休日が15日以上少なくても、月給は上がっていません。
求職者の側から見ると、同じ月給で休みが15日違う求人が並んでいる状態です。営業職は固定残業代や手当で提示額が大きく見えやすい職種で、基本給は提示額より中央値で2.0万円低い20.8万円です。月給が同じでも、休日が少ない求人は、時間あたりで見たときに不利になります。月給の内訳の読み方は営業職の業種で月給は読めないで整理しています。
休日の見せ方は「数字」と「閾値」で決まる
年間休日は、日数だけでなく、どの閾値をまたぐかでも見られ方が変わります。120日は「完全週休2日制に祝日を加えた水準」として意識されやすい数字で、125日以上になると、求職者の絞り込み条件に入りやすくなります。この閾値の考え方は求人票の年間休日は、日数より「閾値をまたぐか」で決まるで扱っています。
営業職の求人は、4,306件が120日以上を掲げています。自社の年間休日が119日以下なら、半数近くの求人より短い状態で並びます。月給を据え置いたまま休日だけ119日から120日に増やしても、掲載の見え方が一段変わります。
求人票に書くときの3点
ここからは、実査の数字を踏まえたリクプル編集部の考えです。
- 年間休日は日数を数字で書く。「週休2日制」とだけ書くと、年間でいくつ休めるのかが伝わらず、年間休日を明示する求人との比較で不利になります
- 自社の日数を、120日と125日の閾値に対して確認する。119日以下なら、あと1日から数日の追加で閾値をまたげるかを検討します
- 月給で休日の少なさを埋めようとしない。相場では、休日が少ない求人が月給で埋め合わせているわけではありません。休日が少ないなら、その理由と、振替・代休の運用を書いて誤解を減らします
数字を読むときの注意
この実査は公的職業紹介1つの求人票に基づき、47都道府県の検索結果から4件に1件を等間隔で抜いた求人票を取得しています。全数調査ではなく、民間の求人サイトや非公開求人は含みません。月給は下限額の比較で、賞与やインセンティブの実績額、実際の休日取得日数は含みません。年間休日の幅ごとに、地域・業種・経験要件の構成は揃えていないため、休日が月給に影響しないことを因果として示すものではありません。また99日以下は285件と薄く、参考値です。
まとめ
- 営業職の年間休日は中央値120日。8,213件中4,306件(52%)が120日以上、最少は55日
- 提示額は125日以上24.0万円、120〜124日24.0万円、110〜119日23.5万円、100〜109日24.0万円、99日以下23.0万円で、休日が多い求人が月給を削る形にはなっていない
- 休日が15日以上少ない求人(100〜109日)も、月給は125日以上と同じ。休日の少なさは月給で埋め合わされていない
- 全産業の統計(厚生労働省)では、年間休日の1企業平均は112.4日。営業職の求人は掲げる水準が高めに出ている
- 求人票は日数を数字で書き、120日・125日の閾値を確認する
自社の営業職の求人票を開いて、年間休日が何日と書かれているか、120日の閾値をまたいでいるか確認してみてください。