「調理師の年間休日は、平均で何日くらいか」「120日は出せないと応募が来ないのか」。調理職の求人条件を決めるとき、休日の日数で迷う会社は少なくありません。「調理師 年間休日」と検索されていることからも、求職者側も同じ数字を探していることが分かります。
リクプル編集部は株式会社KD3で、調理師・調理スタッフの求人相場ウォッチを続けています。2026年10月25日時点の公的職業紹介の正社員求人8,005件(全国47都道府県)の年間休日を、厨房の種類別に見ました。この記事の主張は1つです。調理師の年間休日は、全体の平均で語れない。厨房の種類で最大20日違うので、自社の目安は同じ種類の厨房の中で決める。
調理師の求人で、年間休日が120日以上あるのは18.3%
8,005件を年間休日の日数で3つに分けると、次のとおりです。
- 105日未満:1,469件(18.4%)
- 105〜119日:5,073件(63.4%)
- 120日以上:1,463件(18.3%)
中央値は105〜119日の層に入ります。120日以上の求人は5件に1件もなく、105〜119日が6割強を占めるのが、調理師の求人票の実態です。参考までに、厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査」では、全産業の年間休日総数は、労働者1人平均で116.6日(1企業平均は112.4日)です。調理師の求人は、全産業の水準より短い層が厚いことになります。
飲食店・ホテルは105日、学校給食は125日
調理師の休日を左右するのは、働く厨房の種類でした。年間休日の中央値は、厨房の種類別に次のとおりです。
- 飲食店・ホテル:105日
- 介護施設:108日
- 病院:113日
- 保育園:119日
- 学校給食:125日
飲食店・ホテルと学校給食の差は20日です。「調理師の年間休日の平均」は、この5つを混ぜた数字で、どの厨房の求人にも当てはまりません。飲食店が105日で出している求人を、全体の平均より短いからと考える必要はなく、同じ飲食店の求人の目安と比べるほうが実態に近くなります。
病院と介護施設の厨房では、給食受託会社(求人票の「請負」)の求人の年間休日は112日、直営などは107日でした。同じ施設の厨房でも、雇い主が誰かで5日違います。雇い主の違いによる月給の差は調理師の採用は「どの厨房か」で月給が4.4万円違うで整理しています。
休みが多い求人ほど月給が低く見えるのは、厨房の構成の差
年間休日の日数別に月給欄の中央値を見ると、105日未満が23.0万円、105〜119日が22.0万円、120日以上が21.0万円です。休みが多いほど月給が低く並びます。
これを「休日を増やすと月給が下がる」と読むのは早計です。月給が高い飲食店ほど休日が少なく、月給が低い学校給食や保育園ほど休日が多いという、厨房の構成の差が表に出ているためです。厨房の種類を揃えて、休日105日未満と120日以上を比べると、病院(差−0.12万円)、飲食店(差+0.24万円)、介護施設(差−0.72万円)のいずれも、差の幅が0をまたぐか0に接していて、はっきりした差は確認できませんでした。同じ種類の厨房の中では、休日が多いことと月給が低いことは結びついていません。
自社の休日は、同じ種類の厨房の中で決める
ここからは、実査の数字を踏まえたリクプル編集部の考えです。休日の日数は、求職者が応募の前に比べる条件の1つです。年間休日の閾値の考え方は求人票の年間休日は、日数より「閾値をまたぐか」で決まるで扱っています。調理師の場合は、次の3点を確認します。
- 自社の厨房の種類で、休日の目安を引く。飲食店・ホテルなら105日、病院なら113日、保育園なら119日が中央値です。全産業の平均116.6日や、120日という数字に合わせようとして、無理な日数を設定しない
- 目安より短いなら、日数の外で補う。連休の取りやすさ、希望休の通りやすさ、シフトの確定時期など、休みの取りやすさを求人票に具体的に書きます
- 休日の数字は、月給と同じ場所に書く。調理職の求人は月給欄の中身も職場ごとに違うため、休日と合わせて「条件の全体像」として読まれます。月給欄の読み方は調理師の月給は固定残業代込みで3.4万円高く見えるにまとめています
数字を読むときの注意
この実査は公的職業紹介1つの求人票に基づいていて、厨房の種類は職種名・産業分類・仕事内容から機械的に判定しています。区分が判定できなかった求人は「その他」に置いています。年間休日は求人票に書かれた日数で、実際の休日取得数とは別です。月給は下限額の比較で、賞与・夜勤手当などは含みません。
まとめ
- 調理師の求人で年間休日120日以上は18.3%、105〜119日が63.4%
- 厨房の種類で中央値が違う。飲食店・ホテル105日、介護108日、病院113日、保育園119日、学校給食125日で、最大20日の差
- 病院・介護では給食受託会社が112日、直営などが107日
- 休みが多いほど月給が低く見えるのは厨房の構成の差。同じ種類の中では、はっきりした差は確認できない
- 自社の休日は同じ種類の厨房の目安で決め、短い分は日数の外で書く
自社の調理師の求人票を開いて、年間休日を同じ種類の厨房の目安と並べてみてください。