「介護の求人で年間休日を120日以上にすると、応募は増えるのか」「休みを増やした分、月給を下げないといけないのか」。介護施設の採用担当者から、こうした相談はよく出ます。「介護 年間休日120日以上」「介護職 年間休日 平均」といった検索が出ているのも、同じ悩みの表れでしょう。
リクプル編集部は株式会社KD3で、介護職・ヘルパーの求人相場ウォッチを続けています。2026年10月27日時点の公的職業紹介の正社員求人12,442件(全国47都道府県)で、年間休日と月給の関係を調べました。この記事の主張は1つです。介護の求人では、年間休日を120日以上にしても月給の下限は上がらない。ただし下がる幅も0.4万円で小さく、休日は「月給を削って買うもの」ではない。
年間休日が120日以上の介護求人は15%、8割は105〜119日
求人票に書かれた年間休日を3つの区分に分けると、件数は次のとおりでした。
- 年間休日105〜119日:9,937件(80%)
- 年間休日120日以上:1,918件(15%)
- 年間休日105日未満:587件(5%)
介護は土日祝が休みではなく、シフトで回す仕事です。そのため年間休日は105〜119日に固まります。120日以上を打ち出せる施設は、7施設に1つほどです。
参考までに、厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査」では、企業を年間休日の階級で分けると120〜129日の企業が37.3%、110〜119日が21.4%、100〜109日が27.9%でした(出典:厚生労働省 令和7年就労条件総合調査)。こちらは全産業の企業の割合で、今回の求人件数とは母数が違うので、数字そのものは比べられません。それでも、介護で120日以上を出せる求人が少数派だという向きは読み取れます。
月給の下限は、休みが多い求人ほど高い、とはなっていない
同じ求人票の月給の下限(提示額)を、年間休日の区分ごとに比べました。
- 年間休日105〜119日:中央値21.2万円
- 年間休日120日以上:中央値20.8万円
- 年間休日105日未満:中央値20.0万円
見るべき点は2つあります。1つ目は、休みが少ない求人が月給で報いているわけではないことです。105日未満の求人は、3区分のなかで月給の下限が最も低く出ました。休日が少ない分を月給で補う構造は、今回の求人群では確認できません。
2つ目は、120日以上の求人も、月給の下限は105〜119日より0.4万円低いだけだということです。休日を厚くした分の差は、月給にすると数千円の幅に収まっています。年間休日を15日ほど増やすことが、月給を大きく削る交換条件にはなっていません。(この差が統計的に確かかどうかは、今回の集計表では示していません。区分の中央値をそのまま比べた数字です)
だから「休日を採用の武器にする」判断は、月給と切り離せる
ここからは実査を踏まえた、リクプル編集部の考えです。年間休日を増やすかどうかは、月給をいくらにするかとは別の判断にできます。同業の求人が休日と月給を引き換えにしていないなら、休日を厚くした施設は、月給を保ったまま「休みが多い」を前に出せます。
支援の現場では、介護職の求職者が最初に絞り込む条件に、月給と並んで年間休日が入る傾向があります(実査の件数ではなく、リクプル編集部の見立てです)。120日以上で絞り込む検索があること自体が、「介護 年間休日120日以上」というサジェストに表れています。そこで、求人票は次のように書くのがおすすめです。
- 年間休日は数字で書く。「休日多め」「週休2日制」だけでは、120日以上かどうかが読み取れません
- 休日の内訳を添える。公休の日数に加えて、有給の取得状況や連休の取り方を書けると、シフト制でも休みの実態が伝わります
- 月給は休日と引き換えにしない。年間休日を増やしたことを理由に基本給を下げると、「月給も低く、休日が多いだけ」の求人に見えます
年間休日のどこに基準線を置くかは、年間休日の基準線の記事でも整理しています。介護職の月給の提示額と基本給の差については、介護職の採用単価は、月給の提示額を上げても下がらないが参考になります。
数字を読むときの注意
この実査は公的職業紹介1つの求人票に基づいていて、民間の介護専門サイトにだけ出ている求人は含みません。年間休日は求人票に書かれた日数で、実際に取れた休日ではありません。年間休日の区分は幅があるため、「平均」や区分内の分布は出していません。月給は下限額の比較で、賞与・夜勤手当の実支給額は含みません。施設の種類や夜勤の有無が、年間休日と月給の両方に影響している可能性は、今回は切り分けていません。
まとめ
- 介護の求人の80%は年間休日105〜119日。120日以上は15%、105日未満は5%(12,442件)
- 月給の下限の中央値は、105〜119日が21.2万円、120日以上が20.8万円、105日未満が20.0万円
- 休みが少ない求人が高いわけではなく、休日を厚くしても月給は0.4万円低い程度
- 求人票は、年間休日を日数で書き、月給を休日と引き換えにしない
自社の介護職の求人票を開いて、年間休日が日数で書かれているか、月給と引き換えになっていないかを確認してみてください。