求人票の休日欄に「週休二日制(その他)」と書かれていて、意味が分からずに検索した方は多いと思います。「その他」とはどういうことなのか。「完全週休2日制」との違いは何なのか。実際のところ、月に何日休めるのか。
私たちリクプル編集部は、ふだんは企業側の採用を支援し、求人票を作る側にいます。この記事では、その立場だから知っている休日欄の書き方の内幕を正直にお伝えします。先に結論を言うと、「週休二日制」と「完全週休2日制」の違いを覚えても、休める日数は分かりません。日数が分かる欄は別にあります。
まず公的な定義を押さえる:「毎週」と「その他」の意味
ハローワークの求人票には、休日欄とは別に「週休二日制」という項目があり、そこに「毎週」「その他」「なし」のいずれかが入ります。厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークが発行している求人票の見方のリーフレットには、こう書かれています。
「完全週休二日制を実施している場合は「毎週」、前記以外の形態で週休二日制を実施している場合は「その他」、週休二日制ではない場合「なし」と記載されています」(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「高卒求人票の見方」⑰週休二日制より)。
つまり「毎週」=毎週2日休める形(完全週休2日制)、「その他」=週休二日制ではあるが毎週ではない形。ここまでは定義の話で、検索して出てくる説明もだいたい合っています。問題はこの先で、「その他」という区分の幅が、あまりに広いのです。
内幕①: 「その他」は隔週2日休みも、月1回だけ2日休みも、同じ表記になる
「その他」は「毎週ではない週休二日制」をひとまとめにした区分です。したがって次のどれも「その他」になります。
- 毎週日曜+隔週で土曜も休み(=月2回は2日休みの週がある)
- 毎週火曜+月2回の日曜が休み
- 基本は週1日休みで、月に1回だけ2日休みの週がある
いちばん下といちばん上では年間の休みが30日以上変わります。それでも表記は同じ「その他」です。3択しかないので実態の差を表現しきれない——企業が隠しているというより、様式の粒度の問題です。
逆の誤解もあります。「完全週休2日制」も、休む曜日を約束した言葉ではありません。毎週2日休めることは決まりますが、その2日が土日である保証はどこにもない。シフト制の職場では「完全週休2日制(シフト制)」がごく普通にあり、土日出勤はむしろ前提です。
内幕②: 求人を作る現場では、休日欄は「制度名」、年間休日は「数字」として扱われる
求人票を作る作業を内側から見ると、休日欄と年間休日欄は性格がまったく違います。
休日欄に入るのは制度の名前です。選択肢やテンプレートから選ぶ項目で、就業規則にある制度名をそのまま写すことが多い。だから実態とのズレが起きても、書いた人に悪意はないことがほとんどです。「うちは週休二日制です」という自己認識をそのまま入力している状態です。
一方、年間休日日数は数字です。カレンダーを組んで数えなければ書けず、会社として「今年は何日休みにするのか」を確定させる必要があります。つまり年間休日日数のほうが、実態に一歩近いところで決まっている。休日欄の表記には解釈の余地が残りますが、年間休日の数字には逃げ場がありません。
だから読む側としても、見るべきは年間休日日数のほうになります。「週休二日制(その他)」だけでは何も確定しませんが、そこに「年間休日105日」と書かれていれば、実態はかなり絞り込めます。
読み方: 表記と年間休日をクロスさせると、休み方の形が見えてくる
1年は52週。毎週2日休むと52×2=104日で、ここが基準になります。表記と日数を並べると、こう読めます。
- 「その他」+年間休日105日前後: 週2日休みでほぼ使い切る日数なので、実態は「隔週土曜出勤・祝日も出勤」に近い形が多い
- 「その他」+年間休日120日前後: 毎週2日休みではない分を祝日や夏季・年末年始で積み上げている形。休みの「量」自体は確保されています
- 「毎週」+年間休日105日前後: 毎週2日で104日を使うため祝日・年末年始がほぼ残らない。「毎週2日は休めるが、世間が休むときは休みではない」型
- 「毎週」+年間休日120日以上: 週2日+祝日が休めている、いわゆる土日祝カレンダー型の可能性が高い
なお年間休日の相場感として、厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査」では1企業平均112.4日。日数の階級別に企業割合を見ると100〜109日が27.9%、120〜129日が37.3%で、その間の110〜119日は21.4%と谷になっています(調査結果の概況PDF)。つまり日本の会社は「105日前後」と「120日台」の二つの山に分かれている。あなたが見ている求人がどちらの山に属するかは、表記ではなく日数でしか判別できません。年間休日そのものの読み方は「年間休日105日」の求人で、少ない休みが月給に反映されない理由でも詳しく扱っています。
もうひとつの落とし穴: 「休日」と「休暇」は同じ欄に並んでいても別物
休日欄には「夏季休暇」「年末年始休暇」「有給休暇」といった言葉も並びます。ここで年間休日日数に含まれるもの(休日)と含まれないもの(休暇)が混ざります。
特に注意したいのが、「夏季休暇」の中身が自分の有給休暇である場合です。会社が有給の取得日をあらかじめ指定する計画的付与という仕組みがあり、同調査では制度がある企業は40.8%。制度がある企業のうち付与日数は5〜6日が71.6%です。この場合、夏季休暇として休んだ日数のぶん、自分で自由に使える有給が減ります。求人票の並びだけ見ると「休みが多い会社」に見えるので、ここは分けて数える必要があります。有給が実際に取れるかどうかの見抜き方は求人票から有給の取りやすさを読む記事にまとめています。
なお、休日数が法的に適切かどうかは所定労働時間との兼ね合いで決まり、求人票の日数だけでは判断できません。勤務実態に不安がある場合は、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門家にご相談ください。この記事では法的な判断には踏み込まず、求人票の読み方に絞ります。
応募前・面接での確認方法
最後は、実際に確かめる手順に落とします。聞き方は難しくありません。
- まず求人票の年間休日日数を探す。書かれていなければ「年間休日は何日で運用されていますか」と直接聞いてかまいません。答えられない会社はほぼないので、渋られたらそれ自体が情報です
- 「その他」の中身を聞く: 「2日休みになる週は月に何回ありますか」。制度名ではなく回数を聞くのがコツで、これは採用側も答えやすい質問です
- 曜日は別に聞く: 「休みの曜日は固定ですか、シフトで変わりますか」。完全週休2日制でも曜日は別問題なので、ここを分けて聞くと誤解が起きません
- 祝日を単独で聞く: 「祝日は出勤になりますか」。年間休日105日前後の求人では、ここが最大の分かれ目になります
- 夏季・年末年始の扱いを聞く: 「夏季休暇は年間休日に含まれますか、それとも有給を充てる形ですか」。前の章の落とし穴を1問で確認できます
- 内定後は労働条件通知書と突き合わせる: 最終的な条件は求人票ではなく労働条件通知書で確定します。求人票の表記と違っていたら、入社前の段階で必ず確認してください
これらは「疑っている質問」ではなく、入社後にすり合わせる手間を前に持ってくる質問です。求人を作る側の実感として、休日の中身を具体的に聞いてくる応募者は働き方を本気で検討している人と受け取られます。マイナスにはなりません。
そして表記の種類より大事な判断材料がひとつあります。「その他」と書いたうえで、本文に「隔週土曜は出勤です」と自分から書いているかです。書ける範囲で具体的に書いている求人は、入社後の説明も具体的である可能性が高い。実際の休み方や1週間の流れは条件欄よりも働いている人の話に出てくるので、リクプルは「入社前から、リアルに分かる。」をコンセプトに実際に働く人のインタビューと募集要項をセットで掲載しています(掲載中の求人一覧)。
まとめ
- 「毎週」=完全週休2日制、「その他」=毎週ではない週休二日制。これは公的な区分だが、「その他」の幅が広く、月1回2日休みも隔週2日休みも同じ表記になる
- 「完全週休2日制」は休む曜日を約束した言葉ではない。土日とは限らず、シフト制も含まれる
- 休日欄は「制度名」、年間休日は「数字」。実態に近いのは数字のほうなので、表記より年間休日日数を見る
- 年間休日は1企業平均112.4日で、100〜109日と120〜129日の二山。どちらの山かは日数でしか判別できない
- 「夏季休暇」が自分の有給の計画的付与である場合がある。休日と休暇は分けて数える
- 確認は「2日休みの週は月に何回か」「休みの曜日は固定か」「祝日は出勤か」「夏季休暇は有給を充てるのか」の4問。最終確認は労働条件通知書で